【SWTOR】「死は存在しない。フォースが存在する」(2)
Skyrimのコンカレントな(開発と同時進行的な)ローカライゼーションなどをみると、ツー・バイト・コード非関税障壁説は、もうあまり話題にならなくなったかもしれません。
克服された、のか、そもそも存在すらしていなかったデマだったのか。
BioWareがその世界を実現できているかどうかは次のMass Effect 3でわかる。
(ちなみにFFXIIIは、同時発売を狙わず、英語版ローカライゼーションには半年程度の時間を確保していたそうだ。日本語版の納期が厳しかった説もあるので一般化はできない)
でも森有礼の時代から、日本語のような単語が未分化な劣悪な言語は「劣等国の証」であるから、国語を英語化せよという議論は実はあった。当時のアメリカ人の学者に「あほぬかせ」と言われて終わった。
今でも漢語(大陸語)が最も遅れた言語説を唱える学者だっている。
日本のバブル期には、何を言っても言った者勝ちである時代だったのか、冒頭のツー・バイト・コード非関税障壁説を声高に唱える学者もいた。言ってないとは言わせない。
ちなみに私はローマ字チャットがほんとに苦手だ。キーボードではローマ字で打って変換しているのに、読むのがとっても苦手。漢字かな交じり文依存は相当重症のようだ。
まあ、ここで言語進化論?を言ってもはじまらない。ブリューゲルの絵ではまだインタクト(健在)であったバベルの塔は、その後崩壊したのだ。
いやあ、intact(普通は、損傷を受けていない、いまだ無傷であるという意味)とか超便利な単語なんだけど、日本語にないのよね。robust(ちょっとやそっとの環境変化や外的要因じゃ動じない、壊れないって意味)ってのも良く使いたくなるが、ITの世界だと「堅牢」? センス最悪だよね(笑)。
余談ですが(すでに余談が始まってますが)、IT分野で最もダメダメなのは「可用性」。言語センスがゼロ、美しくないだけではなく、まず元の英語が想起不可能になる。availabilityのこと。普通に「入手可能性」などでどこがいけないんだ。どうしても三文字にしたかったらしい。最悪。
コンプライアンス(compliance)を「法令遵守」に訳さなかった(訳が定着しなかった)のは賢明であった。だってそういう意味じゃないから。そういうのは誤訳だから。「遵法思想(発想)」ならまだわかるが、それだけじゃない。遵守すべきは法だけじゃないんです。
なぜなら「法を守る」なんつうような、そんなチンケな問題(だけ)がことさらやかましく言われてるんだとしたら、一体どんな国なんだよ?
そのくせ、デュー・デリジェンス(due diligence)なんて、英語をやたらそのまま使いたがんだよな。「デューデリ」とかぬかしやがる。意味わかってんのか。デリなんとかと間違ってないか(ちょーっ、ちょちょ)。それこそ「相当な配慮を欠かさずに、まっとうな手続き主義でやれよ、こら」でいいのだ。法律の世界でも経済の世界でも扱う対象は違えども「嘘言いっこなし、隠し立てなし、騙しっこなし、まっとうにカタギにやれ」という意味だけだもの。
「まっとうにやれ」ではダメなんだろうか? もし「まっとう」とか「カタギ」がわからんなら、「デューデリ」だってわからんのではないか。
そういう話になるととまらなくなる。「スマホ」って(あたしゃ持っていないけど)定着しましたよね。ではキャリアーどもが言っている「フィーチャー・フォン」ってなんでしょう? スマホより前の世代のごく普通の「ケータイ」ですよね。アメリカ人が思いついたのかな。それ以外に意味はない。
そしてその呼び方は(少なくとも日本では)今後決して定着しないことが予見されますよね。なんで「ケータイ」ではダメなの? あるいは「レトホ」(レトロ・フォン)でいいじゃん。
「またあの名前ど忘れした。ごめん、あたしゃレトホなんで、あなたのスマホでググって」
この会話ナウくねえか?(お前いっぺん死ね。死んで来い)
「E電」とかいうのも死にましたね。これも糸井か? くだらないのは糸井だろう。
そういうのって、お上(キャリアーだってお上の手先みてえなもんだ)が勝手に決めるから流行らないのかと思っていたのですが、大澤氏の論説を読んでいて、「いや、これひょっとしたら、日本人の集団意識として受け入れてない、受け入れようもないからじゃないんだろうか」と思い始めました。
「RPG」なんておばちゃんでも知ってるよね。元のロール・プレイング・ゲーム(role playing game)だって、もう「ロープレ」で通じる。
アフガン・ゲリラなどが使う対戦車ロケット(rocket-propelled grenade)と間違う日本人はあまりいない。
「パソコン」は完璧に定着して久しいし、「ドスブイ」だって一時期はそれなりに定着していた(もの自体がなくなった)。IBM-PC/AT互換機とかほざくと、スノッブでいやらしかったもんな。アメリカ人は「IBMクローン」と呼んでいたらしいが。今はもっぱらウィンドウズ・マシン。アメリカ人のいうPCはそれ。「パソコン」にマッキントッシュまで入っちゃう日本語とは違いますね。
他にも例が沢山ありそう。なんだろう、カタカナでできれば四文字(音節)以内でおさまると、「帰化」(naturalized)まではないけど「同化」(assimilated)は行われるのだろうか。
(カタカナである限り、大澤氏の引用する「外来種に対するマーキング(刻印)」からは逃れられない)
そうなると外来種でも、チワワなんて名前だと、なんか可愛らしくて「愛い奴じゃ、ちこうよれ」にはなるのかな。
ドーベルマンに「ちこうよれ」はあまりしないな。シェパードもそうか。んーでも短いからってハスキーはかなりでかいぞ。名前はあんまし関係ないな。
読む時はともかく、発語する時は七五調も関係ありそう。やはりウィンドウズは長すぎる。七五調にギリで収まるけど字余り感が漂うし。アイマック、アイポッド、アイパッド。いいっすね。アイフォーン。だめっすね、だからみんな呼ぶときは「アイフォン」(アにアクセント)と勝手に変えちゃってるのかも。
あ、「ラノベ」もそういう戦略なのか(笑)。サイファイ・エスエフが「SF」で失敗したからなー。
(まあ、一日中テレフォン・ショッピングを観続けているおばちゃんどもだと、あたしなんか理解の及ばないレベルの外来語知ってますからね・・・。あたしゃ「アセロラ」、「コラーゲン」あたりで終わってるけど、今の健康食品や、ダイエット、「サプリメント」(まさかこのアメリカ語が日本で定着するとは思わなかった)はわけわからない)
E電が「不気味」で「忌まわしい」のはこれは強制政略結婚だからなのかな。しかもアルファベットと漢字という、どちらも外来種を重ねちゃってるところが猥褻なのかな。、AT互換機がダメなのは、ちょっと意味が違うけどそんな理由なのかしら。
わたしは、一部の偉そうな知識人?のバカが提唱している「NHKや新聞等のメディア、あろうことか官僚作文にまでカタカナ語が氾濫しているのがけしからん。何が何でも日本語に書き直せ」という言説を、完璧にバカにしています。その私の正しさも大澤氏の論説を読むと強化されたような気がする。
今まではそんなのケース・バイ・ケースだろ、と思ってたが、今はむしろマーキング(刻印)は必要なのだと思いはじめた。
私は「可用性」みたいな、醜く不気味な言葉を見たくないのだ。
だが日本の官僚はそういうところだけは優秀だ。知識人?に言われるままに「日本語への言い換え」のリストを作ったが、できばえはそういう言いようのない「不気味さ」が漂うようになっている。つまりまじめにやってない。というか意図的に「バカの言うこと聴いたらこんななっちゃいましたが、国民の皆様どうですか?)」というところに誘導するようにつくっている。
http://www.ninjal.ac.jp/gairaigo/Teian1_4/iikaego.html
(残念ながらアヴェイラビリティについては逃げやがったらしくて、言い換え語がない)
コンプライアンス。法令遵守。上で書いたようにこれは誤訳だよ。というか、このリストはこういうふうにごく一部の意味だけしか訳していないで逃げている事例がとっても多い。
もっというと、誰からもつっこまれそうにない、当たり障りのない、つまり「言い換える必要性のない」外来語を選んでいるのだ。例えば、
インフラストラクチャー。(日本語ではインフラ)。社会基盤。えー、たったそれだけの意味か?
アカウンタビリティ。説明責任。
じゃあ、電力会社もオリンパスもなんとか製紙も説明の責任はちゃんと果たしてるよね? 「だって大丈夫だと思ったんだもん」、「だってばれないと思ったんだもん」、「だってパパが怖かったんだもん」。それでいいのかっちゅう話。
インセンティヴ。意欲刺激。・・・。語感も悪ければ、リズムもグダグダで、ちっとも意欲が刺激されねえなあ・・・。インセンティヴ!っていうほうが気合が入るなあ。
タスク・フォース。特別作業班。・・・。んー、イメージは清掃局とか水道局でしょうか?
だったら問題解決班とか事後処理班とかでいいんじゃないのか。日本語には「特命」という便利な言葉もあるぞ。「作業」ってのがことさら机上のルーチン・ワークめいてて、特別だけど(だから)どうでもいい、みたいな不気味な感じがしてとってもイヤ。
だいたい役人からしたら「特別」なんてのは「余計な仕事まわしやがって」という発想だろうからな。「特別」ってのがつまり、「本来であれば自分がやる必要のない」、「定時に帰れたはずの自分が」、「作業」ってのはつまり、「上のどこかのバカが出世するためのアリバイ作りのため」、「どーでもいいような数字いじくりまわして、作文して仕上げること」だからだ。
もとはどんな意味か知っててやってると信じていますが、これは軍隊、それも太平洋戦争から多く用いられたUS海軍用語で、臨時に編成され、特定単独の重要な任務にあたる艦隊編成(例えば空母を中心とした打撃群)のことだ。ビジネスの世界の比喩でいえば日本語のプロジェクト、アメリカ語のイニシャチヴにちかい。あるいは臨時編成の問題解決委員会のようなものである。
よって、若く将来を嘱望されている社員が「君はTFのリーダーだ」と任命されたら「サー・イエッサー!」と意気に感じて働くわけです。すなわち沸々と「インセンティヴ」が生まれるように命名されたものだ。それを「作業」とは・・・。どうして「任務」ではいけなかったのだ。
リテラシー。読み書き能力、活用能力。・・・。まあ活用能力はITリテラシーをいってんだろうな。じゃあ、サイファイ(ラノベ)リテラシーはサイファイ(ラノベ)読み書き能力? 活用能力?
ノーマライゼーション。等性化。
これ、ご存知の方も多いだろう。差別問題に関係する用語なんだが、「障害のある人も,一般社会で等しく普通に生活できるようにすること」です。
それでいいじゃねえか。それを「ノーマライゼーション」と言う、と規定すればいいだろう。
ほらほら、こういうことするからマーキングがしっかりついちゃうんだよ。ギラギラしまくって、もうレッテルはられちゃってるでしょう。これなんか、むしろやっちゃゼッタイダメでしょう。
こういう才能だけは認めよう。やはり日本の官僚、ぶち壊しにする才能には長じている。
なにひとつ、普及していない。もちろん可哀想なことに(実はぜんぜん思ってないけど)、お役所の人たちはこれ使わされてるんだろう(少なくとも使わされていた時代はあったろう)。
余談だけで記事一個書けたぜ。まとめは次回。
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