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2011年12月 7日 (水)

好きこそものの上手なれ。(2)

 好きこそものの上手なれ。好きなことは、果たして上手になるための必要条件だろうか。
 難しい。

 Patton(邦題「パットン大戦車軍団」、ジョージ・C・スコット主演)という映画は、第二次大戦の最も著名な米軍司令官であったジョージ・パットン中将(Lieutenant general、後に大将、General)の苦悩と活躍を描いている。

 大胆不敵・勇猛果敢をモットーにしていたパットンは、幾多の戦果をあげながらも、しばしばその偏狂な軍人根性と猪突猛進ぶりで激しい批判を浴びた。
 映画では、パットンの上官であり、親友でもあったブラッドレー中将(後に元帥、General of the Army)が、彼に対してこう述べるシーンがある。

「私たちふたりの間には大きな違いがひとつあるんだよ、ジョージ。私はこの仕事を訓練されたからやっている。君はこの仕事を『愛している』」

"There's one big difference between you and me, George. I do this job because I've been trained to do it. You do it because you LOVE it."

 好きだからうまくなるのか、うまくなったから好きになったのか。どっちもあると思います。
 得意だけどこの仕事がキライだ(好きじゃない)もあるでしょう。上の「訓練された」ってのはこれをコノート(含意)してるともいえる
 キライだ(好きじゃない)から得意になった。んー。
 もちろん「下手の横好き」、好きなのに一向にさっぱりうまくならないもある。
 さっぱりうまくならないからこそ好きだ。なんか武道家とか求道者がいいそうだね。

**********

 前の記事の続きです。

10.稼ぐことに躊躇する

 これは大命題なんですよね。本文ではガチャなどの「安易な」課金方法を毛嫌いする開発者の話が出て来ますが、私はガチャを擁護するとか、オタクコンテンツDVDの無鉄砲な価格設定を批判するとかの地雷をわざわざ踏む義理はない。(ヱヴァのサウンド・インパクトの価格はやっぱ無鉄砲すぎたと思うけど)

 前にドワンゴの彼氏が「儲けちゃダメは道徳じゃなくて科学」とのたまっておりました。
 両者、矛盾するように見えますよね。
 どっちの主張もあるんです。どっちも正しい。

 良くある思考停止パターンは、「良質の商品・サービスを提供し、適正な利潤を稼がせていただく」。じゃあ「適正な」ってなぁに? 決める主語はだぁれ? いくら丁寧に言ったって意味不明なものは意味不明。

 儲けって何か、利益ってなにか、ですよね。これも経済学、経営学では表面づらしかなぞらない。まあ調べて御覧なさい。小難しいことは色々書いてるけど、アウトプットとインプットの差でしかない(タイム・ヴァリュー・オヴ・マネーを加味したって一緒だ)。
 実はここの部分をいきなり直撃したのがマルクス経済学ですけど、読者が一斉にひくからそんな話題はしない。

 諸説たくさんあります。
 ここでは「それはお布施です」がたぶん一番しっくりくる、いい答えだと思ってます。お布施とは、慈悲の心をもって金品などを他者に施すこと。私が考えたんじゃなくて、そう宣言している会社だってある。経営学の先生もいる。
 なにも怪しげな宗教団体の話ではありません。社会になんらかの便益を提供したその見返りで受け取る、お褒めの言葉(を実体化したもの)、おひねり、アンコール。

 アンコールってのは今書いて、お、自分うまいな、と思った。そうそう、製造業なら「拡大再生産してくれ」ですね。またお願いするよ。またもう一回その芸(商品・サービス)見せてよ、ですね。

 これも内田樹先生の受け売りですが、落語に「花見酒」ってのがあります。一文無しのふたりがなじみの酒屋を拝み倒して、酒が三升はいった樽と、つり銭用の五銭玉だけなんとか工面して、花見の席で茶碗一杯五銭で売って大もうけしようとする。道中ひとりがどうしても飲みたくなって、つり銭用の五銭を相方に渡して(支払って)茶碗一杯飲む。相方も飲みたくなってその五銭を返して(支払って)飲む。その繰り返しで、花見の席にたどり着く頃には、とうとうふたりで三升全部飲んでしまいましたとさ、というお話。

 経済の基本はこれなんだそうです。交換なんですね。ここに三人目が登場すると途端に「市場」(しじょう)が発生する。この話は元は高度成長経済批判、バブル経済批判に使っている人もいます。

 ガチャで稼ぐのは真っ当ではない? オタクコンテンツのぼったくりではなくとも、ではパッケージ販売、定額課金はなぜ真っ当なのか? 5000円、60USD、15USD/月などの相場はなぜ「適正」なのか?

 坊さんへのお布施は本来「相場」とか聞いちゃだめ。私もしつこく聞いたが教えてもらえませんでした。「それはそちらのお考え次第」ということらしい。でもこちとら骨の髄まで俗だから、ありがたみがよくわかんないんだよな。必然的に「きっとこのくらいは払ってもいいのかな」で決めた。

 こうなると、ガチャがいいかどうかは別にしても、「アイテム課金制」に代表されるマイクロトランザクションが「正しい」ことになります。しつこく言っているコンジューマー・サープラスのお話。

 払う気満々の人からは、それだけの額を。ほどほどの人からはほどほどの額を。払う気のない方には無料コンテンツのみ提供。
 アイテム課金制の場合、90%以上のユーザーが一銭も払う気がないそうだ。それでも成り立つ仕組みでなければならないし、十分成り立っているところだってある。

 Steamがやってるのも同じこと。同じタイトルでも「払っていいと思う」金額は皆違う。価格をこまめにいじくることで自分にヒットする金額になるという期待がある。デジタルのマイクロマネジメントが非常に得意とする分野であることは書きました。

 昔、萩本欽一さんか誰かが劇団の見世物で試みたことがある。入場料を取らず、お客は劇場から帰るときに「適当だ」と思った金額だけ料金箱に入れてくださいというシステム。「おひねり」ですね。

 一回で破綻した。おそらく総額は予想期待値をはるかに下回ったんでしょう。でかい小屋でやっちゃったから会場費が払えなかったのかもしれない。でもシステム自体はあっておかしくはない。「ただ乗り」問題を回避できるかどうか。これも「デジタル・パイレーツ」と同様にただ乗りを取り締まるなんてバカなことじゃなくて、ただ乗りがいたって成り立つようにできるかどうか。

 ドワンゴの彼氏のいう「儲けちゃダメ」ってのは、余計な負荷がかかって無理が生じ、ビジネスの成長システムがひずむから。あるビジネス・サービスを普及させるならタダが良いに決まってる。自分のビジネスでもお金を取ることによって、タダのままだったらできたはずのもっと違った展開が確実に封殺されたという後悔を語っている。儲けが悪、ではなく、儲けるタイミング、やり方を良く考えないといけないというお話でした。

 開発者がおのれの信じる道を突き進め!というこないだの話と、KPI(顧客動向)とにらめっこしろと、お前の話は矛盾しているっ!

 そうかな。だいたいコアゲーム(コンソール、PC)とモバゲーと文脈違うでしょ。それに何度も書いてるけど必勝法があったら戦略なんていらない。「最良のゲーマーは自分である!」が前者で、「自分大したことないから顧客から意見聴くベ」が後者。どちらも前提が破綻すると終わりますね。前者は「実は開発者がしょーもないバカだった」で、後者は「実はゲーマーがみんなバカ」。
 
 うまく行ったから正しい、正しいからうまくいく。貴様のは循環論法であるっ!

 循環論法がダメ、って誰が決めたの? 経済なんてそもそも循環だよ? じゃあ、花見酒の話は一体どこからスタートしたの? 樽酒? 五銭玉? 

 鶏卵論争なら死ぬまでつきあいますよ?

 そして最後に筆者が書いていたのは、日本に限らず、大陸も、Zyngaまでも四苦八苦している現状。

 栄枯盛衰、盛者必衰とはいえ、あまりに早くないか? 

 ま、BioWareなどにはお布施ガンガン渡すつもりの私ですが、ブラウザ・ゲー、モバゲー、スマホゲーについては当面は洞ヶ峠、高みの見物としゃれ込みます。さすがにこの季節、花はないけど、酒でも啜りながらね。

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