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2011年12月 4日 (日)

ラノベ考察(6)

 「はがない」こと、「僕は友達が少ない」。第一巻。

 突然、ここのブログの読者が倍増(っても元があれだけど)なのは、「早く地雷踏め、しね、しんでしまえ」ということだろうと解釈しておりました。そう簡単に踏むかよ!と自信満々だったのだが・・・。

 パ、パス何回まで? 

 んー、来たなあ。

 イラストレーターもしっかり物語世界構築に関与してるやつ。ラノベラノベしてるやつ。

 しかも、この作者の方はすでに名のある人のようで、今までここで読んできた作品とは違って、第一巻で手の内全部出す必要ないんですね。他の情報はできるだけ一切とらないってことでやるつもりなんで、もちろん何も参照してませんけど、プロローグで見せた手札で考えると、第三巻くらいまでで見せる感じですか。そういう書き手の贅沢(なのか苦痛なのか知らないけど)がある。 

 プロローグでシグナルばんばんあがってる、という表現ではまだあれで、いきなりドチャーッと、ぶち撒けてますしね。金髪碧眼、お嬢、女王様、黒髪、キツネ目、幼女、シスター、男の娘、メイド、めがねっ子、白衣、理科少女、ポニーテール、BL好き、ハーフ、妹、ゴスロリ、オッド・アイ。
 オッド・アイ?!
 ビッチ、罵倒責め、キャットファイト、サドマゾ、貧乳巨乳、ヴィデオゲー。数えで役満だろ。

 それ以上盛り込める他のジャンルが思いつかないくらい山盛り(猫がまだない?)。冒頭シーンが闇鍋ってのも、楽屋落ちでわざとそうしてるんだろうか、という気がする。

 中身はご本人も作中であげているように、「百人の友より、ひとりでもいいから百人分大切にできる真の友」っていうテーマ。きっと、そんだけですよね。逆にそう書くのが恥ずかしくなるくらい当たり前なテーマ。

 ネプチューン原田が出たての頃、例の「友達何人できるかな」っていう歌をネタにしてたときがある。もしかしてこの人、見た目と違って実はお笑いの才能あるのか?と思った(結果的に当たっていたと思う)。

 あの歌は「ヤバイ」ですよね。コントの中でその「ヤバサ」をそこはかとなくにじませて歌っていたのです・・・。あー、検索したくねー。やっぱしなきゃよかった。案の定、ネットではもはや元の意味は喪われている。気持ち悪いくらい一杯でてくるよ。

 できねえんだよ。明らかにできねえやつ、できそうにねえやつが歌ってるんだよ。そんな歌を歌うやつに誰も近づくわけねえんだよ。歌っちゃダメなんだよ。負けなんだよ。

 この作品は・・・、今までのようには、容易に皮をはがせませんね。上の要素が一切なかったら、一体どんなお話になるんだ。
 

 「友達何人できるかな」になります。 んー、ほんとにそういうオタク部を描いたアニメってあったんだよね・・・。思い出せないけど。
 

 まず本編最初に登場する高校二年生の男女三人は、どう考えても普通はもてまくり、リア充なはずのメンツ。それぞれの理由によって(性格とか、容姿とか、色々)友達ができないんだそうだ。んなあほな。

 まぁー、ほとんど説得力ありません。でも気にしない。本人たちがそう言ってるんだからそうなんだろ。恋人と同じくらい、友達になる理由なんて説明できないもの。
 

 そんなの説明できた瞬間に邪悪です。それは他人を利用しようとしてるから。 

 そう言う意味で、これはとっても自分に正直な、(そう生きようとしている)人たちの物語だ。 

 かつてのスクランととってもよく似ている部分があるが、こればっかは先にやったもん勝ちだからしょうがない。

 時代も違うから、味付けはだいぶ違う。

 登場人物たちが遊んでいるヴィデオ・ゲームの中と外がなんだか入れ子になっちゃっているのもご愛嬌で面白いし。さすがにオッド・アイはカラー・コンタクトであった。よかった、そうじゃなかったらちょっとついていけない。 
 もちろんビッチ同士の罵倒合戦、キャットファイト、男どもを足蹴に君臨する女王様などはお約束。これ以上の中身になっちゃったら書店で並べる棚が区切られた奥のほうになっちゃうんだろうが、基本ラインは上のようにごくまっとうですねえ。

 ちょっと面白かったのは、ヤンキーとラノベってやっぱ相容れないんだなあ、ということ。

 それとも関係ありそうだけど、最後に「リーダビリティ」について、丁度この作品にも楽屋落ちで次のようなことが書いてあったのでふれておきます。主人公の言葉。

「一冊で漫画より長い時間楽しめるし、ライトノベルはスラスラ読めるのが多いから一人で時間潰すのにちょうどよいんだよ」
 

 さすがにプロ作家、私の言いたかったことを一発で言ってくれています。 

 以下、詳しい方には何を今更な話。でも皆が詳しく知ってるわけでもないだろうし。

 「最強ジャンプ創刊」とか「小学○年生休刊」とかいう記事が出ています。またしても「少子化」が原因と決めつけて思考停止しているきらいもありますが、そればかりじゃないでしょう。最近の子供は色々忙しいんでしょう。お子ちゃまみんなド暇こいてやることなくて鼻水たらしながら「小学○年生」読んでたのって、私もそうだけど、随分前じゃないの? 「学研」なんて、当時は教育現場と結託して販売してたしな。

 大手出版社(ラノベ市場の角川のシェアってすごいんだね)も「13%以上の伸び、文庫市場の2割に成長」したといわれるラノベは無視できない。「講談社も参入」。ありゃ、今まで参入してなかったのか・・・。

 なんでかってと、このままじゃコミックがごく一部を除いてさっぱりになる将来が予見されるのもある。90年代に600万部を達成したジャンプだって、一時期マガジン(読者ヤンキーだけじゃないだろうけど)に負け続け、(マガジン側の部数激減のため)首位奪還はしているが、今ではいいところ300万部。市場全体が減っちゃった。
 (角川はコミック分野では後発も後発。ラノベに気合いれていたのもそのためかも)

 それから、2011年の出版物のベストセラーが出ていました。それを見ると、ミリオンセールなんて今はもうほとんどないんだね。これは楽曲の世界とも似ている。 

 ミリオン言っても、なかなかシリーズで売れるってわけじゃない。一発こっきりで終わるケースだって多いし、頼みの綱の村上先生(どっちもか)だってしょっちゅう新刊出せるわけでもない。 

 一方でラノベは(コミックがそうであったように)長く続くシリーズものが普通に期待されるわけだし、一旦軌道にのれば(あとはキャラクターや萌え要素や色々あって)割と読者も付き合ってくれやすい。
 そして長いシリーズをよどみなく次から次と読ませるためには、「リーダビリティ」が不可欠。だいたい一巻分が暇な日の午後くらいで読みきれる、きっとそういう計算で書いているし、造ってますよね。

 簡単な算数で、どっちがlucrative(儲かる)かわかりますよね。単発ミリオンと、例えば第十巻まで続くラノベ。(しかもラノベにだって単巻ミリオンが生まれている)
 儲かるからいいとは言っていませんが、出版社だってつぶれるわけにはいかない。

 ぶっちゃけると、ラノベと呼ばれる小説の売り方は、コミックの必勝法をもちこんで成功してる。そんなの誰もが気付いている。
 「ストーリーよりキャラクターの魅力が重視されるラノベは、文芸よりマンガに近い」(マンガ畑が長い講談社ラノベ文庫の編集長)。わかってたならもっと早く出ればいいのにね。「文芸」ってとこにひっかかってたのね。10年出遅れた私が言うせりふじゃないね。
 ちゅうか、上の発言とか引用した朝日新聞が、そもそもこの世界の嚆矢であったはずのソノラマ文庫どうしたんだよ、とかつっこまないといけないのか。

 だから読者側があんまり「リーダビリティ」言うのはどうなの、というのが私の意見。それは編集者側の言葉でしょう。小説なんだから読みやすくて当たり前なんだし。見た目難解なものを有難がってたのはずっと昔の話。出版社もそういう(難しけりゃいい、それこそ「文芸」みたいな風潮をいつまでも引きずるという)失敗に懲りているんだ。朝日はいまだにまだひきずってそうだ。

 ま、私の意見です。

 ちなみに、上の主人公のセリフを返す刀でぶった切るお嬢・女王・美少女のご発言。

「寂しい奴の必需品というわけね」 
 

 ご想像のとおり、私もあまり友達はいません・・・。大きなお世話です。 

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コメント

一般的にはラノベはマンガよりも読むのに時間かかりますけど、『僕は友達が少ない』自身にはマンガと遜色ない速度でイッキに読める他のラノベ以上のリーダビリティがありますし、マンガの大ゴマが脳みそを打つのと同じ情報伝達速度で衝撃を伝えるイラスト活用術や巨大フォント芸その他の演出がほどこされてます。
文字媒体を使いながら、マンガの土俵に立って正面からマンガに勝とうとする作者の志の高さと技術力には尊敬を覚えずにはいられませんです。まあ自分も5巻くらい読んでようやく理解したっスけど。
(あと『僕は友達が少ない』以前の平坂読は名のある作者ってほどには売れてはなかったはずです。)
あわない本を読む必要はないですけど、うまくはまればそーいうふうに面白く読める作品なので、そーいうものだと思っといていただければ幸いです。
あ、あとまた違ったタイプですけど丘ロジも面白かったですナ。

 日本人はマンガ読むの異様に早いしね。ほぼそういう作品しか残らないし。
 この作品は如実にそうですが、結構ほかの作品も、基本はマンガの絵のない絵コンテ(?)みたいになってきますよね。ネームっての? いやネームにもラフ絵あるな。
 次は「ハルヒ」を読み初めてますが、その点は明らかにちがいますね。もう世代が違うのかな。  

 作者については、そうですか。裏表紙見ると過去作は多いけど、それまでうまく軌道に乗れず、結構待ったなしの人だったのかもしれない。どうやら第三巻までは編集も猶予期間を与えるそうなんで(新聞記事の受け売り)、それかな。だとするとこれは三巻くらいまで読まないとわからないかな。バカテス全巻読み終わったら読もう。
 
 うーーん、「丘ルト」は知らん振りしてシカトしようかと思ってたのに・・・。壊そう、ちゃうわ怖そう(濃さそう?)だなあ。
 Amazonのカゴには入っているんで、予定にいれます、ありがとう。

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