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2011年11月26日 (土)

コピーのコピーのコピー。(2)

 やっぱ主犯は朝日新聞のこの記事であった。

 http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201111200107.html

押井監督は「日本人が科学技術の表面的な受容と円滑な運用のみにかまけ、その技術の核たる思想、技術をゼロから立ち上げる思想を持たなかったことが今回の原発事故を生んだ」と指摘。 

 どうやらそれが思想性? 科学哲学的なことを言っているのだろうか?

「工芸品的に細部を作り込みたがるその日本人的な意識が、細緻(さいち)な映像表現に好適なロボット・アンドロイド・サイボーグなどへと向けられた結果、肉体や自意識をめぐるテーマへと結びつき、つまりはアニメという表現形式が発展過程でテーマをはらんでしまった」 

 先に記事で書いたオタクのありようそのままですね。「職人芸的」がここでは「工芸品的」になっていますが。私の元ネタもルーツをたどれば押井さんの元ネタに行き着くのでしょう。

「『現実に根拠を持たない』アニメは珠玉の工芸品となり得、アニメはその根本から細部までコントロール可能であるがゆえにその力を使ってアニメ監督は、全世界・全歴史に向けて自分の言いたいことを完全な形で言えてしまうという誇大妄想の極限を味わうことができる。これは悪のにおい、危険なにおいがする。ゆえに若い人をひきつける」

 「悪のにおい、危険なにおいのする誇大妄想の極限」、そのとおりですね。押井さんの自己紹介でもあるわけだから。

 「若者」に対してはこう述べているそうだ。

「あなたたちは限りなく凡庸で無名で何の個性もないんだ、『一人一人がかけがえのない存在だ』なんて大人のウソを信じるのはやめて、早く幻想を捨てろ、夢を持つな、あなた方の未来にいいことなんて何一つないんだ――というところから始めたらどうでしょうか」 

 こんな「幻想」を抱いている「若者」が沢山いると信じている無邪気なおっさんがいるということに驚愕する。中学生・高校生が「大人にはこう話しときゃいいや」と考えて押井さんに話をしたことを真に受けている。これも自己投射ですね。「自分はその時代、夢を信じていた」。

 そして「幻想のない時代」こそが「コピーのコピーのコピー」という状況を作り出している。矛盾するように見えながら、実はそれが正しい理解でしょう。アニメの中のハーレム状態が現実化する可能性はゼロである。100%嘘である。だからこそ無害であり、安心して没入できる。このようにアニメもまた時代を映す鏡である。ひたすら循環せよ、という「スカイクロラ」の世界はもうとっくに実現していると。

 であるならば、何ゆえに押井さんは、若い表現者に対して「表現」できてないと説教をするのだろうか。そういう状況を自分が打破するという「幻想」や「夢」を抱け、と叱咤しているのだろうか? 

 矛盾しているように見える。でもきっとそうなのだろう。そういう逆説が好きなのだろう。押井さんもあまりわかって喋っていないから、なんとなーく迫力があるように聴こえて朝日新聞のライターも幻惑されているわけですね。 

 そもそも「批評性」を著しく欠いている朝日新聞が、最近のアニメは「批評性」を欠いているとの押井さんの(陳腐な、つまり批評性を欠いている)批評を真に受けた記者の記事を載せる、この批評性のなさ(陳腐さ)の循環。わけわかんなくなってきましたが、これこそが、若者だけなんかじゃない、大人もひっくるめた現状なんだよ。 

 そしてそうした批評性のない陳腐な発想を大量生産しているのが朝日新聞。というこの文章自体が批評性のない、陳腐な文章であるというこの現状。これ以外になにがあると。

 「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(1987)。冒頭、主人公(森本レオさん)のつぶやきからはじまる。
 

 そんな時代から、「若者」はこういう認識であった。若者であった私がいうのだから間違いない。

 そして(押井さんじゃないけど)宮崎駿は、この「無名の若者たち」の作品製作に多大な援助をしつつも、その出来上がった「若者らしい」コンテンツには立腹し、批判した。象徴的ではないでしょうか。

いいことなのか
それとも、わるいことなのか、わからない
でも、多くの人間がそうであるように
俺もまた、自分の生まれた国で育った
そして、ごく普通の中流家庭に、生まれつくことができた
だから、貴族の不幸も、貧乏人の苦労もしらない
別に、知りたいとも、思わない
子供のころは、水軍のパイロットになりたかった
ジェットに乗るには、水軍に入るしかないからだ
速く、高く、空を飛ぶことは、何よりもすばらしく美しい
でも、学校を卒業する2ヶ月前、そんなものにはなれなって事を
成績表が教えてくれた

だから、宇宙軍に入ったんだ

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