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2011年11月 1日 (火)

どうして一番を取らないんですか?

 色々な意味でムダにはならなかったと思っている前回。
 またまたくだらないことを思いついた。数字にまつわるお話です。

 前回は「零」でしたが、今回はどっちかっていうと「九」。「一」も必然的に関係する。

 まず「六」からいこう。

 「青の6号」(1967)(あおのろくごう)。小澤さとる先生のサブマリンものマンガではその前作「サブマリン707」(1963-1965)(読み方は海自風に「なな・まる・なな」)が一部で有名ですが、個人的にはこの中途半端に終わった残念な作品が大好きであった。(後にOVA化されているけど・・・。YouTubeで一部観れますが、別もの。そっちはトウキョウが水没している話なので心臓の弱い方はご注意)

 プラモ好きであった私は、(時間が無限にあったが予算制約のきつかった)子供の頃、どちらのプラモを買おうか真剣に悩んで、結局「青6」を買った(と言っても青6本体ではなくフリッパーだったらしい)。モデルが格好いいから、ではない。どれだけコミットしていたかだと思う。金持ちの友達が「707」のモデルを見せびらかしていたので対抗心があったのも否定できない(つまり、当時は「707」が断然主流であった)。

 「サブマリン707」は、(どれだけ敵が荒唐無稽であっても)あくまで海自の潜水艦の活躍を描いたものである。だから読者は艦長以下、乗組員たちにコミットする感じになる。なんで海自のうちで潜水艦(だけ)が大活躍すんだろう、しかも原子力潜水艦ですらないのに、とか余計なことを考えると夢は簡単に壊れるのです。
(だいぶ後になってから新聞紙上で「サブマリ707F」という25年後の世界の作品も描いておられたが、これは別もの)

 のちの劇画「沈黙の艦隊」にノリは近くて、どちらも潜水艦の中だけで終わってしまう話だが、後者の場合は「夢」しか語らないから最初からいきなりどっちらけ。同一作者の「ジパング」も同じ。自分の「夢」のとおりに世界が回ると信じている系。ま、はっきりいえば私はあいつ(「沈黙の」などの作者)の独りよがりなマンガが大キライ。

 「青の6号」は、一言で言うと「707」をぽーんと架空の国際情勢下にある地球世界に放り込んだ。とたんに奇妙な味わいが出てくる。

 検索すると「マンガ夜話」でも取り上げられていたそうだが、そっちは観ていない。コメンテイターのメンツを見ると(たぶんどんだけ格好いいかを論じて)これから書く話と論旨が同じになるとは思えないけど、もし合致してしまったら偶然(つうか必然?)と考えてくれ。パクってない。トラスト・ミー!

 「707」が(少なくとも潜水艦内の)リアリティを追求しようとしたのに対し、「青6」はそれだけじゃものたりなかったのか、世界情勢まで手を広げた。
 海上航路安全を確保するため世界主要国が(またしても!)潜水艦を供出し、「青」の部隊を編成する。でも結局戦うのは国際テロ組織の(やっぱり!)潜水艦。

 ま、彼の作品で潜水艦がなぜか異常にクローズアップされているのは目をつぶりましょう。でも、軍隊のエリートといえば戦闘機パイロットの独占状態であった時代から、今は潜水艦クルーも脚光を浴びる時代になったという。どちらも平時であっても仮想敵と常時接触しなければならない役割だからもある。ちなみに米国第七艦隊の現司令官は潜水艦(シーウルフ)あがりだったりする。パイロット同様、インテリなのだ。

 だがここでは中身には触れない。形式的なところだけで十分。それも「青」のナンバリングだけで十分。

 青の1号、米国、コーバック
 青の2号、(欠番、おそらく仏国)
 青の3号、英国、マラコット
 青の4号、(欠番、おそらく独国)
 青の5号、(欠番、?)
 青の6号、日本、くろしお
 青の7号、豪州、タルボット
 青の8号、中華民国(中共ではない)、バイロン

 欠番は戦闘で撃沈されたりなどして補充されていない設定。当時こども心に「補充しろよ!」と思ったけど、複雑怪奇な国際情勢を知らないお子ちゃまだったので仕方ない。抜けているのは仏国、独国、加国とかでしょうかね。
 露国と中共は、時代背景もあって除いているはず。OVAでは青3が仏国、青の5号は露国、青8が中共、青9がシンガポールの設定らしいが、ソビエト崩壊後なので時代が違う。しかも露国は青0(零)としてタイフーン級まで供出している。

 だが、そんな細かいこともどうでもいい。教科書で習った太平洋戦争直前の「ABCD包囲網」を思い出して欲しい。つまり豪州(Bの一部)とか大陸国(C)とか、物語に登場すらしない(つまり当時からさっぱり相手にすらしていなかった)蘭国(D)に戦争には負けんかったが、米(A)英(B)には頭さげとこうか、という世界観がそのまま出ている(こんな話題、NHKのマンガ夜話でできたはずないと信じているのだが?)。 

 ここでは当時の「日本」が自分たちでそう考えている立ち位置がわかる。小澤先生個人の思い込みだって? 少年サンデーの編集者は(今は知らんが)当時バリバリのインテリです。日本を一番なんかにしたら「小澤さん、それ違う」とつっこまれる。
 もうひとつの主題。米国がやっぱり「一番」なのだ。 

(余談:話がとびすぎてブログに脚注が欲しくなる(笑)。上のリストでは「欠番」も大事。少年まんがで「欠番」といったら、プロ野球の永久欠番、すなわち(大抵の場合)「名誉」を示す。だが小澤先生は、撃沈されたから「欠番」とさらっと書いちゃう。そのほうがリアリティがあるだろうということだろう。

 007(ダブル・オー・セヴン)のダブル・オー・メンバーが映画で一堂に会する場面をご存知だろうか。円卓のまわりに人数分の席は用意されているが、いくつか空席になっているのだ。何人か殉職している(国家公務員ですから)。ショーン・コネリー(007)がその空席をじっとみつめる場面があるが、演技がいまいちあれなんでわかりずらいかも?

 望月三起也先生の「ワイルド7」(1969-1979)では、連載開始後早々に隊員のふたりが殉職する(警察官ですから)。だがなかなか補充されない。隊員の期待水準が高すぎるのか。その後も殉職者が出続けるが、隊長の草波(後に検事総長!)が「お前らの代わりはいくらでもいる」というわりには出てこねえんだよな。実際「7人」だった時代は非常に短い。これもリアリティ。

 望月先生のこだわりは仇役にも及んでいる。アメリカの五人組の殺し屋「五本指」が日本で活動する際には、仲間の一名が以前の任務で負傷してリハビリ中だが、その分の報酬も込みだと依頼主に迫る。ちょっとしたエピソードだが、強烈なインパクトがあった。余談終了)

 さて、一個だけじゃ誰も納得しないでしょうね。私も納得しない。
 「サイボーグ009」(1964-1985)のゼロ・ゼロ・メンバー。ここではソビエト・ロシア出身が001だが、これは大国というのもあるだろうが、むしろ彼の超絶的な知性という特徴が一番にふさわしいという意味もあるはず。アメリカは二番。以下、仏、独、ネイティヴ・アメリカン、中(大陸)、英、アフリカ某国(当初はケニア)、そして日本(父親外国人のハーフらしい)だ。

 アメリカが1番、はここでは違う。だが日本がオケツにきちゃった。9番だ。

 もうひとつ。

 「銀河鉄道999」(1977-1981)(読み方は和製英語でスリー・ナイン。ナイン・ナイン・ナインと呼びたいアメリカ人にも押し付けちゃったみたいだぜ!)。これは当初設定が勝手に増幅してしまっているらしく、データベースは銀河鉄屋状態になっているので、色々な分野の中途半端オタクであっても鉄道だけはさっぱり(興味ゼロ)な私はWikipedia(jp)を見るだけで気持ちが悪くなってくる。
 でもC62をモデルにしてるくらいはわかる。ぱかしゅるな。(そして原作は実在した車号であるとか、ここでそういう話するのやめてね)
 オリジナルTV版では、111から888(及び999)のぞろ目の列車(機体?)は設定されていたはず。リアルの車体をデフォルメしたようなモデルから、いかにもありそうなものまで様々である。

 ここでは999が1000まであるナンバリングで限りなくオケツに近いというところがポイント。

 三作品、時代がちがう。小澤作品と石ノ森作品はスタートが近いので国際情勢は近似しているかもしれない。松本作品の例えばナンバリング111号は実はアメリカを示すというとこれはやりすぎでしょう。そもそもその時代米国では(少なくとも旅客列車は)主要な交通手段ではないし。

 「立ち位置」のほうからいこうか。

 小澤作品では「日本の立ち位置はここら辺」という暗黙裡の了解がある。石ノ森作品ではそうではなく、一番最後になる(その後もゼロ・ゼロ・ナンバーが敵役として存在したとか、そんなの知ってるし、ここでは関係ない)。
 オケツであることになにか意味があるのか。(おそらく世界で稀有な)日本人固有の謙譲の美徳?
 ところが島村ジョーはゼロ・ゼロのリーダーと目されている。父親代わりの存在になるギルモア博士(設定はロシア人だったりアメリカ人だったり)の研究所は日本にある。 

 小澤作品があくまで「立ち位置」を気にしているのに対して、石ノ森作品では例え(敢えて?)ナンバリングが最後でも、中心的な存在を目指そうとする。それが言いすぎなら統合・融合しようとしている。
 
 そうなると果たして1がよくて9が悪いのかという価値観の話になってくる。
 
 これは色々説が出てきそうだし、例えば(宇宙の真理を追究するのだから当然だが)数字が大好きな仏教に由来する「法数」の話など延々と話をするのも愉しそうだが、それ以外で一つ示してみる。
 9に完全性を見るという手がある。
 思い浮かぶのは花札の「カブ」だ。ちなみにオイチョカブの「オイチョ」は8だ。よくわからない人が多いだろうが、トランプのブラックジャックに似ている。二枚ないし三枚の手札の合計が9に近いほど強い。例えば1と8で合計9ならカブ。プロ野球でなぜ18番がエース・ナンバーかというと「カブ」(最強)だからだ。つまり日本だけに通用する話だ。同様に27番、36番なども人気背番号だ。

 今、「エース」(Ace)というのが出てきたので忘れないように書いておく。トランプのA、すなわち1。「ファイナルファンタジー零式」の(とりあえずの)主人公はエース(Ace)。ナンバリング1だ。もともとサイコロの1からきている。

(余談:ちなみにサイコロの2はデュース(Deuce)。これも「零式」に登場しますね。さらに言えばそのあとトレイ(trey)、ケイト(cater)、シンク(cinque)、サイス(sice)だから、6までは零式のキャラクターの呼称とも一致する。サイスはサイス(scythe、オオガマ)の遣い手なんだけど、つづり(発音)が違うんだけどね・・・)

 仮説ですが、"9"は完全をあらわす。一番最後だが、一番完成している(完成に近い)。私は何度も書いているが、島村ジョーの加速装置が(9人中では)最強の改造武器であると思っている(メンバー外ではヴァージョン・アップされた加速装置遣いが登場する)。
 これに勝つには本当に時間を歪めるしかない。だが「ジョジョ」でも、「HEROES」でも、時間制御の遣い手(前者では敵、後者ではヒーロー)に肉薄できた(前者では打ち勝てた)のは「スピード」の遣い手だけ。私だけがそう思っているわけじゃないらしい。

 松本先生は、"999"の意味を「大人(1000)になるまであと一歩」、主人公が完成直前の段階だから、とおっしゃっているそうだ。なんだか似てないかい?

 まとめると、小澤作品では、日本の「立ち位置」だけを気にしていた。「707」という格好いいナンバリングを避け、敢えてなんだかもっさりして象徴性の薄い6にした。プロ野球でも6は名選手がいるが、もっさりしてるよね・・・。今はさっぱり流行らない「いぶし銀」ってやつ。
 石ノ森作品では、一番遅れてきた9が完全性、あるいは統合・融合を示すのではないか。でもそれも世界の中でどう振舞うのか、を気にかけているのは間違いない。
 松本作品は時代もかなり違う。日本は(オイルショックも経験したが)もう高度成長期の絶頂に達しつつあった。バブル時代もそろそろはじまる。もう世界とか宇宙平和とかどうでもいいかなとなって、個人、内面、それも青少年の成長(完成)の物語にした。世界の設定などのつくりはエピックでも、実際はとてもつぶやき的ですよね。

 こじつけると、「ガンダム」(オリジナル)に「日本」はヤシマ家(ヤシマ重工)という背景説明であるとか、ホワイトベースのただの通過点としてしか登場しないので、小澤作品的「立ち位置」重視。「ヱヴァ」は(なぜかNERVは日本所在で、つく予算も一番多いので)石ノ森作品的。それ以降最近のアニメは良く知らんので済みませんが、「セカイ系」ちゅうのが「ヱヴァ」後遺症として(?)2002年あたりから散見されたそうなんで、そういう潮流が"999"の「つぶやき系」の後に続く。

 そう考えると(「セカイ系」なるものがすでに消失したそうなんで、その後に)、「零式」であえて、「零」、そして「エース」、エリートを話の中心にもってきたのはなぜだ、という話になる。それについては私がゲームを一回(下手すると二回)クリアしてからだ。ナンバリング10が抜けているのも「きっとこういうことかな」という推測はあるが、まだ知らないので(知ってる人は)コメント禁止!

 翻ってアメリカはどうか。言うまでもない。"1"、最強しかない。だから"2"を執拗に攻撃(包囲、懐柔)する。ソビエト・ロシアは崩壊し、日本は抱き込まれた。大陸国への戦略も周到に計画しているという。

 なぜ国連本部はニューヨークに置くのか。なぜ国際電話はアメリカが国番号1なのか。ドメインは、なぜアメリカだけ.comなのか。なぜ和製OSのTRONの配賦を妨害したのか。言うだけ野暮だ。

 なぜアメリカとカナダの球団からなる大リーグの最高峰は「ワールド・シリーズ」なのか。なぜフォーミュラ・ワンには企業も個人も、あるいはレース会場を提供する形ですら参加したがらないのか。
 自国で間に合ってるから? 日本のプロ野球だってオート・レーシングだって自国で「間に合って」ますよ。輸入大国だ。なのに、なぜ「世界」を目指す?

 ブラックチャックのAは合計値によって"1"か"11"かどちらかに数える。ナポレオン・ソロさんではないが"11"は「ダブルエース」ってことだろうか。 

 お亡くなりになったが、アメリカにハルバースタムという名ジャーナリストがいた。
 かつて(冷戦末期、日本に経済戦争でボコられていた頃)「アメリカ大丈夫か?」と本気で心配になって、ある本を書いた。その巻末にぽつんと次の一文を載せていたのが、今でも心に残っている。

**********

 世界中の先進国,主要な発展途上国の子供達が学力テストを競った。
 特段驚くべきことでもないが,アメリカの子供達が最下位だった。
 一方,テストを受けた子供達に自分たちの国が何番目くらいと思うかのアンケートをした。
 特段驚くべきことでもないが,アメリカの子供達はみな自分たちが一番だと予想していた。

**********

 長くなったのでここまで。

 

 

 

 

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コメント

青の6号 サブマリン707こりゃまた懐かしいw
707はコロッケを作るのが上手な子を何故かよく覚えています。ジュニアが好きだったので、お小遣いの範囲で模型も死ぬほど作りましたね。
青の6号は本局を守っているロボットと局長の頭が印象的でした(火星人?)

 なにがすごいって、遭難した少年を現地で入隊させる(つまり召集する)んですよね。ふたりいたかな。
 「ジュニア」ってのは彼等が載る小型潜航艇で、707に2機アタッチされてるんでしたね。青6でも全く同じでこっちは名前が「フリッパー」。その搭乗員も少年ふたりなので、707を完コピですね。

 ロボットいましたねー。局長は火星人じゃないです(笑)。頭がでかいのはめっちゃ頭がいいという表現のつもりだけでしょう。

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