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2011年11月25日 (金)

ファンボーイ心理学(2)

 前回からの続きです。もう十分に観察されている事柄の直訳面倒くさくなってきたので、そこは要点だけにします。心理学者のコメントはわりとマジメに訳す。

**********

 ユーザー・レヴューはユーザーが実際に思っている評価点より、高く(低く)採点することがある。なぜなら表示されるのは算術平均であることがわかっているので、今の平均が自分の考えより低ければ、それを押し上げようとして自分の考えとは別にできるだけ高く(10点)、逆であればできるだけ低く採点(零点)するからだ。

 LittleBigPlanet では4556ユーザーのうち、5点か6点をつけたのはわずか55ユーザーだけだ。 こんな白黒ハッキリした子供じみた騒ぎでは、一般のユーザーがゲームの欠点を指摘したり、良いところを褒めようなどという気は元から失せてしまう。

 トローリング(日本語では「荒らし」のようなものと考えればいいかも)が事態をさらに悪化させる。メタクリティックを見れば、CoDMW3とBF3の間の戦いにこんなにも多くのゲーマーが参加しているのかと驚くはずだ。もちろんそれぞれにアンチな感情を抱く層があるのは認識していたがこれほどあからさまなのは驚くべきことだ。次のようなプロファイルを有するユーザーの多さには呆然とする。

(BF3の3つ全てのプラットフォームに10点、CoDMW3の3つ全てに零点をつけているユーザー・プロファイル)

 誰であってもどちらかが好きなのは間違いないだろうが、10点と零点? 非合理的だし、直情的で幼稚だ。

 このようなひたむきさへの心理学的説明。心理学者。

「社会心理学でいう、Ingroup Biasというコンセプトだね。自分と同じ集団に所属している者、同じ考え方をする者に対して優遇的な扱いをすることだ。これはハードコア・ゲーマー間では普通に見られる。特に膨大な時間を費やすなどした場合、そのゲームに非常にアタッチする人々がいる。そしてそのゲームが自分の属する集団を示す紛れもない印であるとみなしはじめる。
 自分の見方と違う誰か他のもののお気に入りゲームを罵ることは、自己のIngroupの優越性を主張することであり、自分と対抗する見方が自分にとってなんら脅威に値しないということを確認することなんだ」

(訳:そしてWikipedia(en)によれば、二つのグループが近似してくれば、自分のユニークさ(無二のアイデンティティ)を争うための抗争はさらに激化するとある。BF3とCoDMW3は、DA2、Skyrim、Dark Soulsの三者間よりもずっと似ていますね)

 不幸なことに、世の中には議論するのが困難な相手がいる。そういう相手にBF3が満点でCoDMW3が1点にも値しないというのは客観的でないと説得するのは難しいのだ。

心理学者。「臨床心理学者は、人々の心には合理的と経験的思考プロセスの二重性があると考えることがある。合理的マインドは客観的事実、論理、妥当な論拠などに基づく。これは新情報を獲得すればあっさりと変更される。経験的マインドは感情、本能、直感、ヤマカン(gut feelings)などに拠っており、そう簡単には変わらない。
 
 経験的マインドでヴィデオ・ゲームに向き合う人々はたくさんいる。ゲームは作品(artform)であるから当然だ。あるゲーム、あるフランチャイズにあまりにも感情的にアタッチされてしまった人の合理的マインドが自らの経験的マインドを説得することは難しい。期待はずれのCoDMW3を見せられた人々は、感情的反応が行動的反応を制御する。この場合、メタクリティックで大騒ぎすること。誰か俺たちの意見を聴け!というためにね」

 MW3の開発者Sledgehammer Gamesの共同創設者、CCOのGlen Schofield は、「これは驚くべきことでもないし、開発者が出て行って何か喋っても特段驚くべきことじゃない」とツイッターで述べた。実際彼が不可解なまでに低すぎるスコアについて、「頼むからみんな正直に採点して助けてくれ」とツイッターで述べていたことを指す。世界最大級の娯楽ブランドのひとつである会社の開発者が、こんなにもいとも容易くハイジャックされてしまうメタクリティック・スコアのようなもののために腐心するというのも興味深い話だ。

 こうした辛らつな仕打ちは、Dragon Age II、LittleBigPlanet、Bastion、Toy Soldiers: Cold Warなどでも見られたので新しいことじゃない。最終的にメタクリティックが介入しスパムを除去しているところだ。

 小さなスタジオにとって、この種のサボタージュはとりわけ壊滅的打撃だろうが、爆発的に売れているCoDMW3にとっては果たしてどうなのだろうか。

 ユーザー・レヴューは、より広い読者を想定せざるを得ないプロ・レヴュアーの視点を補完するための優れた手段になり得る。残念ながら、ゲーマーたちが大人になるまで、こうしたファンボーイ・ナンセンス、反社会的不正行為によって真っ当な批評が覆い隠されてしまう事態は避けられないのだろう。

 心理学者。「オンラインのほとんどの人々は、一般に基本的特権はみな平等であると考える。敵対的批評をアップする者でも、論理的議論をする者でも、スパムボットでも、悪名高き『ピカード艦長のフェイスパーム』(Star Trekの彼が、顔に片手を当てて、あいたたた、とやってるやつ)を載せる者でも、みな自由に意見を述べることができる。

 ゲームとしての呈を一切なしていない稀代の「クソゲー」Big Rigs: Over the Road Racingにですら10点を入れる者は多く、メタクリティックの平均スコアは4.1であり、CoDMW3を上回る。

 心理学者。「誰でも何でも自由に掲載できるウェブサイトの品質問題は常に存在する。掲載するための資格も、出版社の承認も何もいらない。メタクリティックがそういう制度を持ち込めとは言っていない。それはちょっとあほくさい。だが、メタクリティックのように誰でも自由にアクセスできるフォーラムのユーザー・レヴューは、眉に唾して(with a grain of salt)眺めるべきじゃないのかな」

**********

 なるほど世界はこれほど平和である、と考えるか。
 いや世界は、何事も実際このように回っているので大変心配である、と考えるか。

 それは受け手の問題。あたしゃ疲れた。

 「MW3のようなゲームがこんなことで影響を受けるのか?」

 DA2は影響を受けたような気がする。ただそれはごくごく真っ当に「DA:Oと違う」ことが忌避されたのかもしれないしね。それは自由な選択だからね。

 しかしActivisionではなかったけど、Sledgehammer Gamesの開発責任者がツイッターでスコアを物乞いしてたとは。それだけはDA2のレイドロウ氏もやらなかったぞ。

 彼もまた世界の仕組みがわかっていなかった、ということだろうね。
 まさかメタクリティックのプロ・レヴューじゃなく、ユーザー・レヴューを開発者ボーナスの査定材料につかうとか、アホなことはしていないと思うけど。

  

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コメント

怒濤のエントリー、大変楽しく読ませていただきました。

ファンボーイの戦いは、日本でも主にハード別に繰り広げられていますね。任天堂、ソニー、マイクロソフトのファンボーイ達はお互いを妊娠、GK、痴漢と言って貶しあっています。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといった感じになったかと思えば、敵の敵は味方ということで手を結んだり、なかなか趣深い様相を呈しています。

フーコーは文学的な文章を書くので、ちゃんと理解する前に下手にスラスラ読んでしまうことがあるんですよね。

余談ですが、DA2のローカライズは完全吹き替えみたいですよ。結構本気みたいですね。

 たまに地上(人間界)に出てきますので私も観察してたことがあります。Vita発売前だからかな。
 不思議でしょうがなかったのは、どうして両方(あるいは三つ)買わないんだろう、まさか今時お金がないわけじゃあるまい、ということだったのですが
 
 DA2フルヴォイス、まじですか! やっぱDLC出揃い待ちだったか。
 そうなるともうDLCは出ないってことかなあ? うむむ・・・。

 よし、みんな、DA2の評判をあげるため、4Gamerに100点を満点投票だい!(おいおい)

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