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2011年11月27日 (日)

ラノベ考察(2)

 二つ目は「バカとテストと召喚獣」第一巻。

 これはいかん。はまる。

 ・学園もの

 ・戦国もの 

 ・ドタバタ

 私の大好物を三つ入れられたら、そらハマリますよ。 

 んー、故に冷静に見れないかも。 

 中身の説明とそこからの連想でまずお茶を濁そう。 

 とある高校の二年生。学業成績で仕分けされちゃった負け組最下位バカクラスが、エリートクラスとの下克上を繰り広げる。試験の成績に応じて召喚できる自分のミニチュア、召喚獣を戦わせて雌雄を決する。試験召喚戦争。
 戦いの動機は、圧倒的に差別された教室の広さ、備品。目的はエリートクラスが与えられている高級設備(ノーパソとかシステムデスクとかリクライニングチェアとか、発想がちょっちおっさん臭いけど)の獲得。

 作者は、学校の成績で人生が決まるとか話が重たくなるから、設備の取り合いにした、と言われているようだが、もう「学校の試験の成績が人生を左右する」なんていう神話は幻想であることがみんなにばれちゃっている(ことになっている)から、あっけらかんと設備を取り合う話も別段さほど違和感がない。しかもそれが「番長もの」みたいなレネゲイドの話じゃない、戦いには先生が立会わないと成立しないんだよ、ということで「安全弁」を用意している。つまり物語は破局へなんて向かわない。あくまで日常の循環であることを示す。

 好きな異性を取り合う、でもなければ、プライドを賭けて、でもなく、ただ快適な教室を欲する。つまり、その戦いにあんまし意味はない。主人公は本来エリートクラスにいるべき賢い可愛い女の子がある事情でバカクラスにいること、「掃き溜めの鶴」状態に置き去りにされているのは犯罪行為であると憤慨して、クラス代表(クラスで一番成績がいい人、昔は神童と呼ばれた男、でも今はバカクラスだけど)に下克上を始めようといい出すが、別に彼女を獲得しようなんて思っちゃいない。まあ、ちょっとは思ってるかもしれない。無理だろうけど(とは思っている)。

 そんだけのお話。 

 学校でのサバゲーとかスクランでもやってたし、クラス間戦争の話はほかにもいっぱいありますよね。年代の違うアニメ・コミック・ノベルと比べると差異が如実にわかるかもしれない。
 下位の立場から下克上でのし上がっていく話はDnDドリストシリーズの冒頭の物語がそうですが、こっちは管理された戦争であるから、ああいう陰湿、冷淡、残虐な話にはならない。

 読者には(ア二メ・ゲーム)のルール(セット)、「お約束」の知識がなければならないかどうか。最初はかなり強烈にそうかと身構えていたが、意外とそうでもない。カードバトル、料理の超絶下手な美少女、ドイツ帰り美少女、優等生とバカ、信長的カリスマ、薔薇百合、女装・男の娘、巨乳貧乳、サドマゾ、それらも表面上なぞっただけのごくごく穏当な世界で済む。何ひとつぎらぎらしない。カードバトルなど何一つ知らなくてかまわない。
 無駄なものを一切削ぎ落とした記号、つまり萌え要素(メガネっ子、ツンデレ、妹、猫など)をほとんど用いない。
 

 では美麗なイラストがついた一般小説か。おそらくそれでいいんだと思う。 イラストに頼る部分すらかなり少ない。ラノベは読み始めたばかりで参照できないのがつらいが、例えばゲーム「ペルソナ」シリーズのキャラクターたちのほうがキャラ設定をずっとイラストに頼っている(萌え要素あり)。「FF零式」などはもう、ほとんどイラストでしかキャラクターを表現・説明できない(萌え要素てんこ盛り)。 

 それではこのノベルはまるでライトではないことになる。だが、読後感は完璧にライトだ。それはなぜ? ライトな部分とはどこか。ちりばめられたギャグか。主人公が単に何も考えていないバカだからか。 

 「空気系」というのがあるらしい。「セカイ系」のぎらぎらした肩の凝る世界に辟易した読者・視聴者たちが、そういう油分を除去、毒抜き、脱色した世界を志向した、などとの説明があるようだ。「セカイ系」が社会を省略して世界と個人を直結して描く物語であるのに対し、世界も社会も捨象して、主人公たちの身の回りの雑事をひたすら延々と描くものと理解されているらしい。 

 上にも書いたように、この戦争は完璧に管理されたもの、主人公たちの日常である。作者が意図的に排除したと述べている「成績で人生が決まるとかいう重たい話」は「社会」に関するものにあたるが、そうした物語もすでに現実社会の誰の目からも幻想であるとばれているので元々心配する必要のないものだ。教室設備の改善という、特にたいした意味のない目的のため戦うという日常生活を送っているだけの物語だ。そう言う意味では「空気系」なのかもしれない。

(誤解のないようにいっておくと、成績がいいから、いい学校に入ったから即勝ち組なんてもう誰にも言えなくなったということ。成績が悪いから即負け組は・・・、あんまり変わっていないかな。さっきのは「幻想」だけどこっちは「真実」かも。でも「まあ、だめもと」と割り切れるのと、「こんなはずじゃなかった!」ではダメージが違いすぎる。どっちにメンタル、自殺者が多いのかな)

 「空気系」の最大の特徴に、物語性が排除され、萌え要素の配置で置換されるというものがある。
 上述のとおり、萌え要素が概ね欠落しているのでこの点には疑問符がつく(いや、そういう要素が欠落しているあっさりしたキャラクター萌えというのがあればあれだが、それはただ話をまぜっかえしているような気もする。あからさまな癒し系というのも出てこない)。

 形式的な物語がある。幼馴染への一途な思い、白馬の王子様への恋慕、恋愛感情のシグナルを100%見逃す鈍感な男性、奇策を弄する戦術家同志の欺瞞合戦・戦時交渉。隠し玉で最後の一発大逆転を狙う(というメロドラマ)。
 

 どこかで聴いたようなオーソドックスな物語ばかりだが、それで十分。そうしてこういう物語はなかなか決着がつかない(思い通りにならない)から、同じところをぐるぐる循環するドライブ力も高い。

 もう巻数もだいぶ重ねているし人気も衰えない。斬新なギャグを出し続けるのはきつそうなのでこれは驚く。きっとキャラクターを増やしていってるんでしょう。

 自分も第一巻でやめてしまうのは惜しいかな、と思い始めている。女装する場面が読みたいんだろうとか、そういうこというのやめてくれない?

 

 読んだ人しかわからないだろうが、お遊び。 

 明久 女性・男性・マゾ
 

 雄二 男性・男性・サド
 

 美波 男性・女性・サド 

 瑞希 女性・女性・マゾ 

 土屋 女性・男性・サド 

 秀吉 男性・秀吉・マゾ 

 相性の良いはずの明久・美波のカップル、雄二・瑞希のカップルにすんなりならないところがまた、宙ぶらりんなロマンス話もいつまでも続きそうだね、と思わせるところか。

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コメント

 「狼と香辛料」おもしろいですよ。商人が難局を商売で乗り越えていく話です。手の込んだトリックがある訳じゃないですが、素直に「なるほど」と感心します。
 中盤から話の主軸がロマンスに傾いていったので切ってしまいましたが、完結はしたみたいです。
 
 あと、「涼宮ハルヒ」もサイファイとしておもしろいです。

 今、待ち行列(Amazonのカゴのこと)にラノベ10種類くらい並んでます・・・。ご紹介いただいたそれも加えておきます。「ハルヒ」はさすがに知っている部類ですが原作は読んでませんねえ。読んじゃったら後戻りできないリスキーな感じがしますねえ。

 いや、ほんとにですね、人気があるやつって普通に小説としておもしろいんで、はまっちゃうんで、困ってんですよ。

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