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2011年11月18日 (金)

メタクリティック・アビューズ

 もういいよ、そんなの。

http://www.gamespot.com/features/jurassic-park-user-reviews-abused-6346288/

 Jurrasic Parkなるゲームがあることすら知らなかったが、もちろん遊ぶわきゃないが、ようするに、開発者が10点のユーザー・レヴューをメタクリティックに投稿したという騒ぎ。

 なお、GameSpotとMetacriticの所有者はいずれもCBS Interactive。GameSpotがリファーするクリティック(批評家)スコアもつい先日Metacriticに変更されました。

 まだクリティック・レヴューも投稿されていないのに、ユーザー・スコアに10点満点が四つも並んでいて、その文体の特徴も似通っているのでGameSpotの編集者が「あまりに胡散臭い(fishy)」と見抜いたことによってばれた。

 知らなかったのですが、Dragon Age IIのメタクリティックのユーザー・レヴューにもBioWareの従業員が10点満点をつけていたそうだ。もちろんご承知のように4点台のユーザー・レヴュー、大海にインク一滴でしたけどね。

Developers should have enough faith in their work to let it stand on its own merits. Proud of their work or not, the act of posting these reviews without proper disclaimer that the authors themselves worked on the title is inherently deceptive and shows a gross lack of respect for their game's potential players.

 開発者は矜持を糺せ(名誉に関する意識に敏感であれ)。まあ、そうでしょうね。

 だが、GameSpotの従業員もユーザー・レヴュー自体はさすがに批判しないわけね。

 次のリンク先記事で先に紹介した、Street Cleaning Simulatorなるクソゲー。GameSpotのレヴュアーが1.5(Abysmal)をつけたが、(GameSpotの)ユーザー・レヴュー平均は9点台だ。

http://vanitie2.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/street-cleaning.html

 ただ点数をつけるんじゃなくて、ゲーム・サイトのレヴュアーの良いゲームを褒める「常套句」を皆で持ち出して競い合っているところがとても愉快で、GameSpotまで面白がって、そうした「常套句」を散りばめたこのゲームの紹介ヴィデオまで作ってしまった。ヴィデオを観ればまごうことなきクソゲーであることは一目瞭然なんだけどね(笑)。

Addictive, revolutionary and an absolute masterpiece.

A remarkable inspiring experience.

My son, on his third birthday, he will play this game for his first time.(笑、これ好き)

absolutely perfect

A Truely Epic Game!

best game for ever

One word....Amazing!

A genre defining masterpiece.

 探しきれないけど、あと"Instant classic !"とかね。
 ヴィデオ・ゲームのレヴュアー側の「定型性」に対する痛烈な皮肉にもなっている。

 お遊びとしてはしゃれていました。もちろん当の開発者たちがどのような末路を辿ったかに思いをめぐらす人は私を含めてあまりいない。大衆は残酷なんです。

 だが上で触れたようにDA2のユーザー・レヴューをBioWare従業員が投稿したのだとしたら、それは4点台という謂れなき評価への憤怒の念によるものであったのであろう。もちろん私はBioWare亡者だから弁護するのであって、Bethesdaでそんな事件がおきても「ふーん」だし、ましてやTelltale(Jurrasic Parkの開発者)についてなんて無関心の極み。

 お客様は神様だそうだ。神様だからあらぶるのも自由なんだろうか。
 一般大衆には「矜持」、「名誉」は求めないのか。求めても無理?
 腹立つなら、見なければいいんだよな。そうだよな。でも腹立つよな。
 Dark Soulsがどうして70点台なの、4Gamer様? あの企画開始当初に投稿したあたしのレヴューはざくざくに添削しときながら、最近バカも杓子もフリーパスじゃねえか。

 ユーザー・レヴューなんて参考にして買うゲームを決めている人などいないと信じたい。信じたいけど、いるんでしょうね・・・。

 ではレヴュアーのスコアを、お前はなぜ信頼するのか。これも何度か書いたけど、彼ら(彼女ら)はなにしろ生活かかってますから。あるいはより良い職場に転職するなり、自立するなり、「箔」を求めていますから。滅多なことで下手打つことはできません。もちろん彼ら(彼女ら)はスーパーオタクとして、ヴィデオゲームについて私なんかより数多く長時間触れているだろうと推測していることもある。上の言い方を真似れば「矜持がある」と信頼しているからですね。もちろんレヴュアーだって商売ですから、「ちょうちん持ち」もあるでしょうが、そんなのヴィデオ・レヴューにかかわらずどこだってある。

 ただ、(例えばGameSpotケヴィンのRPGレヴューを立て続けに読めばわかりますが)レヴュアー各人には独特の癖がある。独特の視点がある。それがわかっている範囲で、「このレヴューは信用しよう」と思うことにしている。
 判りやすく言えば、あのニュース・キャスター、元プロレス・アナウンサーの視点にはまったく同感できない(お前の言うようには世の中はなっていない)ので、彼が何を言っても私は「一切受け入れない」。判りにくいか。 

 例えば映画はどうなのか。マイケル・ベイ監督の諸作品。「世の中に対する批評性がない」(よって批評に値しない)そうなのだが、それなのに大手メディアはこぞってレヴューを出している。メタクリティック見てみよう。
 映画監督なのでAverage Movie career score というものが見れます。39点です。赤点ですね。
 Transformers(2007)が最高で61点。他はほんとに赤地の点数(40点以下)がならんでいる。
 Transformers: Revenge of the Fallen (2009、35点)、Transformers: Dark of the Moon (2011、42点)、古いものではPearl Harbor(2001、44点)、Armageddon (1998、42点)。The Rock (1996、59点)などなど。ホラーは怖いので私は観ないからオミットしたが、
ユーザー・スコアはざーっとみて、平均60点くらいかな。

 では最も稼げそうな監督は誰か。ハリウッドに何人かいるでしょうけど、マイケル・ベイはその一人でしょうね。だって(知る人ぞ知る)人脈もあるから、とよく揶揄される。

 DA2のマイク・レイドロウは、メタクリティックのユーザースコア42点で涙目になっちゃった。
 マイケル・ベイはこういう話題になると決まってヘラヘラ笑い飛ばす。だってぼくちんが作ると儲かるもん。本心でどう思っているかは推察するしかないけど、とにかく開き直っている。
 (私はトランスフォーマーはあまり真剣に観ないが)身の回りではとてもサイファイ好きとは思えない妙齢の女性含め、老若男女問わず、あのシリーズが「好き」という人は驚くほど多い。ああ、「日本人のサイファイ・リテラシーが異様に高いのはなぜ」について以前同じようなこと書いたかな?

 映画とゲームは違う。違いますね。映画は「芸術」だそうです。だから「批評性」なる良くわからない言葉が出てくる。ネットを探すと、ある見方として(世の中の)「定型性に対する倦厭」なる解釈がある。まさにマイケル・ベイ監督が叩かれる理由かもしれない。「お約束」だから、「ご都合主義」だから、「予測可能」だからダメ。「世の中はそうなっていない」からダメ。

 面白いから(あと、ここまでで読者がかなり減っただろうから、残りの方を繋ぎとめるために)宮崎駿も観てみよう。もちろんメタクリティックは英語サイトです。5本だけ評価がのっているが、全部行こうか。Princess Mononoke (1999、76点、やっぱガイジンはバカかも)、Spirited Away (「神隠し」、2002、94点、急に賢くなったのか)、Howl's Moving Castle (2005、80点)、Ponyo(2009、86点)、Tales from Earthsea (「ゲド戦記」2010、47点)。最後だけ脚本のみ、監督は息子さんなので全部自責点にするのはどうかと思うが、それを加えたって76点、なかったらゆうゆう80点台。
 (ちなみに社会学者・宮台真司氏が、筒井先生原作「時をかける少女」のアニメ版(宮台氏は絶賛)と「ゲド戦記」(宮台氏は「これはあかん」)を比較してとても面白い考察をしていた。機会があったら紹介することにします)

 物語の「芸術性」とか「批評性」が評価されてるんでしょうかね。レベルの高いアニメ技法とかではなく。

 ヴィデオ・ゲームは少なくともまだ「芸術」と呼ばれることは少ない。「サブカル」の一種に位置づけられる(言葉はなんの定義もせず緩く使ってます)。レヴュアーは誰も「芸術性」で評価はしていない。いや、していてもそれをあからさまにすることはほとんどない。"fun"が最大の褒め言葉だから。だが、「定型性」を忌避する態度は、各サイトのレヴューにもろに表れている。一般にシークエルは前作より低い評価を貰う暗黙の了解などもある。そういう意味でレヴューは「批評」なのかもしれない。

 一方では、(これもネットを眺めていると)「批評性はわが身限りでよい」、皆が褒め称えていても自分でこれはあかんというものからは黙って立ち去れ、という立場を述べる人もいる。(上の引用もこの引用も「有名な」方のものだが、それこそ「あー、彼ね」と受け止められるのがイヤなので敢えて名前はお出ししない)

 いつものように自分で何を書いているかわからなくなってくる恍惚感に浸りつつ週末なんで、もうやめよう(ここまでで読者数零確定か)。  

 そういえばウォール・ストリート占拠組は、「寒くなったので」そろそろ解散しそうなのだそうだ。

 大変気の毒であり、申し訳ないけれども、私の予想はあたった。嘘だと思ったら、過去記事・・・探すの面倒だけど、どこかにある。
 アメリカでこういう活動は無理。
 大衆がアトム化してしまったから。
 もちろん日本でも無理。

 アメリカはともかく、日本のほうは自分の予想がはずれればいいのに、と思ってますけどね。

 ネットの書き込みをそのまま引用して記事乱発してる産経新聞、その他の新聞社。たしかに元手はかからないだろうけど、お前らいい加減にしとけよ、と有料購読者のこっちは思う。根は一緒だよ。 

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