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2011年11月10日 (木)

ワイルド7

 珍しくリアルの書店に立ち寄った。丁度買いたい雑誌があったのだが駅売りで見つからず探すためだった。どうやら発売日を間違えていたらしい。
 ふらふらと店内を回っていたら、「ワイルド7」なる文庫本がおいてあった。

 二日酔いでもあったので、それが「ワイルド7」であると認識するまでしばらくかかり、そうわかった後には「そういうタイトルを勝手に使ってはだめだろうよ」と怒り出した。

 なんだろう、宮部みゆき的な小説のタイトルだと勘違いしたんでしょうね。

 手に取ったら帯に「映画化」とある。
 腰が抜けました。へなへな。

 もちろん買わずに、急いで店を出た。モバイル・ネット環境と無縁な私は、オフィスか自宅でなければ満足する形でネットにアクセスできない(ま、さすがにケータイはあるけどね)。

 今トレイラーを観終わったところだ。

 まあ・・・。まあねえ。メンツを改変しているのも構わないし、草波が中井貴一ってのもまったくイメージ違うけど別に気にしないし。俳優たちはジャニーズではないのでそれだけで好感が持てるし。(ああ、ちゃんと見たら関ジャニがいた・・・。まあ汚染範囲は留まるところをしらんのだな、いたしかたなし)

 「八百」さんはやっぱそのまんまじゃ具合が悪かっただろうしね。プロ野球から八百長問題で追放されたことのどこが犯罪なんだろう、と思っていたが時節柄「八百長」ってのはね。

 なんだけどね。今風に「掛け替えのない仲間」とか、「命を捨てても救うべきもの」とか、「国家に追われ」とか、劇場に足を運ぶ気が一気に失せるフレーズのオンパレードなんだよな。つまりそういう話なら「ワイルド7」である必要はまったくない。DVD/BD待ちかな。

 公式サイトで「元犯罪者!」と連呼するなら、いっそ本当に元犯罪者の芸能人7人出したらどうなんだろ? って、もろ浅草キッド系のネタになっちゃうからやめますが。

 かくいう私、望月三起也先生の原作マンガは、(さすがに連載を最初からリアルタイムで読めたわけではなかったが)なけなしのお小遣いをはたいてでも、自分で全巻集めなければ気が済まなかったくらいの大フリークでございます。プラモも作ったなー。

 その前身となった「秘密探偵JA」のほうも集めたのですが、あまりにウキヨ離れした物語なので、そんなにはまったわけではなかった。ガンファイトなどの細部は見所満載ですけどね。
 「ワイルド7」(1969-1979)も連載開始当初は「JA」と似たり寄ったりのどーでもいい突拍子もない物語だったのですが、その後、よど号事件をヒントに、旅客機ハイジャックに題材を取った「誘拐のおきて」で当時としては画期的な、リアル日本の政治的、経済的諸事情なんかも描きこんでいき、大学紛争をカモフラージュにしながら、国家転覆をもくろむ自衛隊クーデター一派との死闘を描いた「コンクリートゲリラ」でついにその世界が確立した。

(一説によれば、望月先生はメンバーを徐々に殺していくつもりだったが、この「コンクリートゲリラ」で二人が殉職したときのファンの反響(すなわち怒号)があまりにすごかったので方針を変更し、長期連載を決意したのだそうだ。だがメンバーが次々に死んでいくモチーフは、その後フェイクであったり、実際にそうであったり繰り返し用いられる)

 連載漫画家まで猫も杓子もベトナム戦争ものを描いていた時代の「千金のロード」は、なぜ日本の警察官(ワイルドは警視庁所属かな)がかの地まで出張っていかなければならないのかは良くわからんかったが、「サイボーグ009」のベトナム編と並んで、出色の出来栄えだと思います。

 その後は、設定面でのハズレはほとんどなく、また物語のヴァラエティーも豊富で、自分が搭乗するはずだった旅客機の墜落現場を調査する飛葉が米軍の陰謀に巻き込まれる「爆破105」、新設新幹線に絡む暗殺計画を阻止する「黄金の新幹線」、左翼テロリスト篭城ものの「谷間のユリは鐘に散る」、たぶん先生はマカロニ・ウェスタンがやりたかったんだろうなあー、とこれもなぜか飛葉がメキシコくんだりまで出張する「熱砂の帝王」。ああ、全部書いていたらいつまでも終わらん。
 「ゴルゴ13」なら誰でも知っているが、それに比較して「ワイルド7」はなぜか人気がイマイチ。少年キングという一番売れない少年誌が連載の舞台だったせいもあるかも。私は心の中でいつも「ゴルゴ13」なんかの百倍も痛快で面白いんだけどな、と思っていたが。

 その後も、続編はできるだけ手に入れるようにしていたんですが、なんとか読めたのは「新ワイルド7」までかな。「続・新ワイルド7」、そして「飛葉」になるとちょっとついていけなくなった。先生のマンガの隠れた売りであった、スタイル100点、バタ臭い別嬪のおねえちゃんたちの登場人物が、後になっていくにつれ、ひとつもかわいく見えなくなってきちゃったんだよね。絵が雑になっていったのもある。

 それから先生の特徴のひとつ、ルーズエンドが多いこと。伏線として用意したけど結局最後まで使わなかったのね、という部分かなりある。描いてる途中でどんどん気が変わっちゃうんでしょうね。

 なお、TV版とかOVAは私の中ではなかったことになっています。あくまで原典オンリー。

 もちろん少年たちの好きそうなガン、あるいはバイク、自動車などのハードウェアの描き込みなどの要素も重要でしょうけど、なんといってもアクション映画顔負けの設定とドラマは他に類を見ないものでした。

 思い出の名シーンはいくつもありますけどね。

 やはり、友達仲間で大騒ぎしたのは「コンクリートゲリラ」のこれかしら。
 クーデター一味が都内にミサイルを持ち込むため運搬するトレーラーを、飛葉の乗る白バイが停止させる。運転手たちは「職質だろ? 面倒になったら撃っちまえ」とヘラヘラ笑っているが、飛葉が運転席に向けていきなりショットガンをぶっ放すシーンだ。
 「ダイハード3」"Die Hard: With a vengence"(1995) でブルース・ウィルス扮するマクレーン刑事がそっくりそのまま真似してます。いや真似してるのが事実かどうか(間違いないと思っているが)に係わらず、「ワイルド7」は20年も前にやってるのだ。

 それから「セレンディピティ」"serendipity"なる単語の本当の意味を説明するときに、私が必ず持ち出すのが「ワイルド7」の次の一シーン。(どの巻であったか忘れちゃった)

(注)本当の意味とは、ただの「偶然の出会い」なんかじゃなく、アルクによれば次のような意味。

 別のものを探しているときに、偶然に素晴らしい幸運に巡り合ったり、素晴らしいものを発見したりすることのできる、その人の持つ才能。
 【語源】イギリスの作家ホレス・ウォルポール(Horace Walpole)が1754年の書簡で使った造語。次々に予期せぬ発見をする"The Three Princes of Serendip"というペルシャの童話から作ったもの。

 草波と飛葉は、飛葉のガールフレンドの営む喫茶店にいる。草波たちの命を狙う一味からその店全体に無数の爆弾を仕掛けたとの電話が入る(一味が爆弾を仕掛ける間、ガールフレンドが店に立ち入れないようにする伏線も張られていた)。その話を漏れ聞いた客があわてて逃げ出そうとすると床が爆発して死ぬ。窓もだめ。一歩でも動けば、あるいは手近な何かに触れば爆発する。他のメンバーも駆けつけるが、店内に入れるはずもなく、なす術もなく店を遠巻きにして見つめるだけ。
 草波と飛葉は脱出可能な出口までの床板一枚一枚を、まるで地雷原を進むようにはがして進みはじめる。

 だが一味は草波たちがそういう行動を取ることも予想しており、一定時間が過ぎればキッチンに隠してある大型の爆弾が爆発する仕掛けなのだ。人ひとりを吹き飛ばす程度の火力のそれ以外の仕掛け爆弾と異なり、キッチンの爆弾は店全体を吹き飛ばす威力があるので、爆発したら草波たちはひとたまりもない。

 しかし、その刻限が過ぎても店は一向に爆発する気配がない。遠くから双眼鏡で監視している一味の見張りが舌打ちする。なぜしくじったのか?
 ガールフレンドの妹、小学生低学年くらいの彼女が、あまりの緊張に耐えかねて喉がからからになり、キッチンの棚の中に隠すように置いてあったコップの水を飲んでしまっていた。その子がどこから水を手に入れたのか詰問されている間、一同は棚の中の爆弾を発見する。

 そのコップには水滴がしたたり落ちるようになっており、満タンになるとその重みで大型爆弾が起爆する仕掛けであった。
 「絶対に何にも触るな」と言われていたのでなかなか言い出せず、ようやく白状して怒られるのを覚悟している半泣きの妹をガールフレンドが無言で強く抱きしめる。

 映画にするならこういうシーンもありじゃねえの?

 

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コメント

始めまして、一年以上前から「DAO」の攻略で拝読させて頂いてました。
管理人さんが書き込みがあまりお好きでない様子なので今まで書き込みしませんでしたが、今回「ワイルド7」ネタなので書き込みしました。

自分も単行本でワクワクしながら読んだ口でして、飛葉のバイクは両脇のシールド倒せば水上走行出来るとか、八百のバイクはヤモリで壁登れるとか、両国のバイクのミサイルランチャーとユキのバイクの対戦車ライフル絶対撃ったらコケルだろ!とか今思えば突っ込み処満載でしたが所々にある非常さが気に入っていました。

「逮捕・裁判・判決・死刑より今処刑すれば弾一発で済むだろう?」今なら叩かれる台詞に時代を感じます。

最後に自分が一番好きなのは「地獄の神話」です。

>管理人さんが書き込みがあまりお好きでない様子なので

 誤解です。でも誤解されるような言動は多かったかもしれません。
 あまりにツボをつかれると、いつまでも書いてしまう恐れもあったのです。たとえば今回のように。
 
 小学校の仲間うちで「(飛葉の)バイクがバックできる」なんて嘘じゃん!という騒ぎになってはじめて「(当時)普通のバイクは後進できないんだ」と知ったのです。こっそり黙ってたけどね。
 同じく、どこかの場面で当時としては画期的なランクル?ジープ?で、急斜面をバックで登る、そのほうがパワーがあるから、など自動車関係の薀蓄も色々学んだ。
 八百さんのバイクはツッコミどころ満載でしたねえ。そんな重たい車両どうやって持ち上げんのよ!とかね。
 それからイヤなガンマニアのガキ仲間から「コルト・パイソンとコルト357マグナム、どっちが好き?」というくだらない引っ掛け問題を出されても動じなかったし、「どうして飛葉ちゃんは22口径のウッズマンなどというレアものを(しかもソードオフしてる)使っているの?」という問いにも「『秘密探偵JA』からそうだから、望月先生が実際にモデルガンを持っていたからじゃね?」と答えてたとか。火薬マニアの両国がなぜクロスマン・エアガン?とかね。

 あまり書くと引かれるのは目に見えていたので、ユキについての思いを吐露するのは抑え気味でした。ユキには、ほんとハマったなあ。思春期のアイドルでした。今でもバタ臭い洋ゲーのお姉ちゃんに引かれるのは間違いなくあの影響。
 あの対戦車砲はおっしゃるとおり、ちょっと「あかん」ですけどね。無反動砲にしとけばよかった(そんな問題じゃない)。

 ユキをリクルートする以前のくだりに面食らったファンも多いようだ。実は飛葉がユキを処刑に来るんですよね。たしかに少年誌でやるネタじゃなかった。その後、何の説明もなくユキが「みそっかす」で参加したのですが、当然大喜びしてしまった記憶がある(ああ、みんな引いてるなあ)。

 おっと、書き漏らした。私のフェイヴァリット・・・。
 「地獄の神話」。いいっすねえ。シカゴの五本指(稼動中なのは最初は4人)との死闘があったやつかな。オチも最高だった。(追加)うわ、超大事なことを忘れていた。現代日本上空でB-17と零戦との空中戦をやらかしてますよね。先生好きやなあ、と仲間で大騒ぎしてました。

 選べない・・・。記事にも書いたように「誘拐のおきて」以前は設定自体がJAをひきづっていて「うーん」ですが、それ以降は文句なしなものが多い。

 確かに子供の頃は、メンバーでは飛葉ひとりしか登場しない作品は、なんか損した気がしたのですが、今思えばそれらもなかなか捨てがたい。「爆破105」などは、ほとんど飛葉しか出ないのになぜか鮮明に覚えている。
  
 まあ「コンクリートゲリラ」をあげとけば無難なのでしょうけど、ロマンティストと呼ばれるのも覚悟して、ここは「谷間のユリ」にしておこう。あの話はずるいね。面白くならないわけがないから。

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