フォト
無料ブログはココログ

« 【DA2】DA新コミック | トップページ | どうして「ソースコード」じゃだめなんでしょうか? »

2011年10月21日 (金)

【DA2】DA新コミック(ゲイダーさんコメント)

 前回の新コミック記事で、ゲイダーさんがコメントしている部分だけ見てみましょう。

 DA3はどうなるか、というヒントがあるかもしれないから。項目名は私が勝手につけたもの。

 http://www.comicbookresources.com/?page=article&id=34930

**********

・Dragon Ageワールド

"DAは一般のファンタジーワールドにあるような「つかみ」(trappings)を全て取り揃えている。魔法、エルフ、ドラゴン。
 だが、その調理法はあまり見慣れないものだろう。ダークで、善悪の区別は曖昧で、最も善良無辜なる者にすらとんでもない災難が襲い掛かる。エルフは歴史を失い、ドラゴンは絶滅の危機から復活しつつあり、魔法は忌み嫌われ、教会の力で抑圧されている。
 さらにキャラクター・ドリヴンでもあり、物語はエピックであるかどうかよりも、人々のあり様(ありさま、ありよう、human condition)に比重を置く。"

・コミックというメディア

 "DAは、あるゲーム・タイトルの物語であると同時に、セダス世界の物語であるから、他のメディアにも良くフィットする。語るべき話は多いので、何もメディアをヴィデオ・ゲームに限定することはないだろう? 小説、facebookゲーム、アニメ映画などもあるわけだから、コミックへの展開だって自然な流れだ。BioWareのみんながコミックを読んで育ってきたってのもある。私だってそうだ。Dark Horse(コミック出版社)と仕事ができるなんて夢が現実になったようなものだよ。

 そうした全ての部分(メディア)、ゲーム、ヴィデオ、小説、アニメ、コミックが、お互いを補完しあうために大事なことは、それらを、ひとつのしっかりまとまったもの(a cohesive whole)にすることだね。"

・まだ語られていない物語

"語ることのできるファンタジー・ストーリーは数多いだろうが、全てのファンタジー・ストーリーがDAの世界に合致しているわけではない。だから可能な場合は常に、我々が造り出している全体の物語の一部に当てはまるようにしたい。
 DAの物語が別のメディアで語られるなら、物語全体のロア(物語世界の背景設定・知識)を豊かにするため用いずに、わざわざ独立した無関係なものにするなんて考えられないだろう。

 ゲームの中で結局使わなかったサイド・プロットはたくさんあるし、この世界のある地域にはまだ訪れてもいないし、ゲームを丸ごと開発しなくたってずっと容易にそうした部分に展開する方法があるだろう。それ自体とてもエキサイティングなのに、DAの世界とその可能性について熱心な関心を抱いてくれているBioWare以外の人たちと仕事を共にするのはなおさらだ。
 まとめると、Dragon Ageに関する全てのものは、お互い補完(注)しあうべきであり、ファンにとっては、それぞれがシームレスに繋がるものでなければならないということ。"

(訳注:原文complimentary(お祝いの)だとこういう意味にならない。たぶん記者のタイポで、意味はcomplementary(補完的な))

・新コミックのコンテンツ

"新しいミニシリーズは、DA:Oのアリスターと、DA2のイザベラ、ヴァリックの物語だ。三人はアンティーヴァへ旅をする。そこはエキゾチックな国、アサシンの国であり、アリスターの過去に関する謎を探求している三人が危険に見舞われる。セダスのドラゴンに関する驚くべき秘密も明らかになるだろう。

 DAのファンのみんなが、今までしばらくの間不思議に思っていただろういくつかの事柄、それから我々が他ではまだ語ることができなかったいくつかのプロットについて触れることになる。DAシリーズのリード・ライターである私自身が書いているので、全体の物語と澱みなく繋がるものであることは請け負うよ。ファンから愛されているキャラクター、まだどこでも明らかにされていないロア。面白くならないわけないじゃない。"

********** 

 以上ですかね。あとはDark Horseへのお世辞などなど。
 新ミニシリーズは一巻(1イシュー)12ページのデジタル版が、来年2月から隔週で合計六巻、iPad/iPhone向けアプリと、Dark Horseのデジタル・コンテンツとして配信される。紙版はないようですね。日本でも普通に入手できることを祈る。

 「エピックであるよりも人々のあり様に重きをおく」

 エピックを拒否するということではないでしょう。ちょっと考えればわかるとおりヴィデオ・ゲームの世界で「エピック」にするのは簡単。でかく、騒々しく、賑々しくやればいいから。
 かたや「人々のあり様」を見せるのは大変。小説と違ってト書きがない。セリフに多くを依存するのでその点アニメ映画の技法に近いかも。生身の俳優の映画なら表情とゼスチャーがふんだんに使えるけど、それもできない。でもRPGにはCODEXという独特の手段はある。

 「エピック」が叙事詩、「劇的」な物語であるとすれば、「人々のあり様」は叙情的な物語、「つぶやき」です。
 DA:Oが「エピック」寄り、DA2が「つぶやき」寄りだったわけですが、DA3は、私の読みではその双方を取り入れてはいるが、形式上「エピック」になると思う。

 こんな読みも根拠は簡単です。「スターウォーズ」のエピソード4から6を考えればよい。「強・弱・強」、「陽・陰・陽」。ソナタ形式を踏襲するはずだから。
 そして3は1のエピックな物語の拡大再生産(二代目デススターとの戦い)であり、同時に2で提示しながら未解決のテーマ(あっちは主人公親子の関係ですね)を解決しないといけない。
 そういえば、BD化でファンが大騒ぎしている、ダース・ヴェイダーが「ノーッ!」で叫ぶヴァージョンをテレビでやってましたね。久しぶりにじっくり観たけど、クライマックスの皇帝とルークのやりとり、あれが「つぶやき」ですね。かたやハン・ソロ、ランド・カルリシアンの戦いのほうが絵に描いたような「エピック」な物語。そんな感じです。

 こんな基本的な構造までチャレンジングに変えることはしないと思うんですよね。
 だから見かけ上はDA:Oを上回る「エピック」な造りだけど、ストーリー自体はDA2以上に主要登場人物個々人の感情のひだに踏み込む「つぶやき」的なものになるのではないか。

 Mass Effectはそのままで、「強・弱・-」、「陽・陰・ー」ときた。ME2は「つぶやき」に相当踏み込んだ内容。だからME3は「強・陽」で終わるはず。上の方式をどれだけうまく実現しているかが私の興味の対象です。

 例えばThe Witcher 2のThe Witcherシリーズは、もとからこのソナタ形式を拒否して「強・強・-」、「陰・陰・-」と来てるので三作目が完結編であるなら、それも「強」で「陰」。それはそれで味わいが出るかもしれない。The Witcher 2はようやくクリアしたけど最後まで暗かったな・・・。ところどころで「ニヤッ」とさせられるところはありますけどね。

 Dark Soulsは、また違っていて、単体で見ればロンド形式。しかも「強で陰」、キース・エマーソンせんせではないが「奈落のロンド」。

 最後に、この12ページ×6冊のミニコミックという形態。今や主流のようですが、これがアメコミを読むのが辛い原因のひとつなんだよな・・・。狭くて短い紙面(画面)にこれでもかってくらい情報ぶちこむんだ。

 メビウスの「アンカル」、なかなか面白かったが、一気に読み終わるまで結構体力使いました。

 自分では言葉にできなかったことを、巻末の(メビウスの大ファンという)藤原カムイと谷口ジローの対談でおふたりが見事に言ってくれていた。やっぱプロは違う・・・(当たり前)。
 手元にテキストがないので、表現は「私の言葉」に置き換わっているので注意。

 藤原カムイ氏いわく、BD(バンド・デシネ、フレンチ・コミックのこと)は、ひとつのコマの中なのにいきなり時間が流れたりしているから、読みかたが大変。セリフもどいつがどれしゃべってるか見極めるまで面倒であると。

 私のいう「文法」の一例だと思います。これは確かに辛いのだ。だがある程度日本のコミックにも取り込まれているので、まったく手掛かりがないわけじゃない。

 谷口ジロー氏いわく、モブシーン(暴動などで多数の群集が登場するシーン)がすごいよな。あれ書くの大変なんだよな。全部同じに描ければいいんだけど、そうは行かない。そして日本のマンガだと、見開きで渾身のモブシーン描いても、読者に数秒ですっとばされる。ちゃんと見ろよ!という意味でセリフとか付け加えたりしないといけない。

 (これも「文法」、「慣れ」でしょうけど、日本人のコミックの読み方は加速装置つきかっつうくらい高速。作者もそのスピード感を阻害しないようにやるから、長編でもあっつうまに読み終わってしまうわけだ。内容が薄いとかじゃなく、そうじゃないと商業的にきついってことだったのだと思う。逆にアメコミの形式だと「読み飛ばす」なんてまずできないし、「余白の美」を多用するのはかなり無理。基本的な坐り心地の悪さの原因はそこかな)

 そして、どちらのご発言か忘れたが、BDは隅から隅まで舐めるように読んで欲しい。ひとつの場面を30分はじっと見詰めてもらうくらいじゃないと、というのもナットク。それが読んでいると疲れる原因でもある。

 つけたしですが、メビウスの作風(特にモブシーンを評して)、谷口氏があの「死の勝利」にも似た世界を再現していると言っていた。

 DA2のアート・ディレクターが黒澤明の映画「蜘蛛巣城」と並んでインスパイアされたという、ピーター・ブリューゲル(父親のほう)の「死の勝利」"The Triumph of Death"のことで、「死の舞踏」、「死の凱旋」などと呼ばれるジャンルの絵画です。 

http://en.wikipedia.org/wiki/Danse_Macabre

 そうか、「エピック」でかつ「つぶやき」ってのはこういう風に実現できるのか。 
 モブ・シーンにそのヒントがあったなんて。そしてこの、直接関係ない世界どおしの奇妙な符合。同時代性ってやつかな。

 手ナリで書いていると、いいこともあるな。

 

 

« 【DA2】DA新コミック | トップページ | どうして「ソースコード」じゃだめなんでしょうか? »

ゲーム」カテゴリの記事

Dragon Age II」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【DA2】DA新コミック(ゲイダーさんコメント):

« 【DA2】DA新コミック | トップページ | どうして「ソースコード」じゃだめなんでしょうか? »

Dragon Age 2 プレイスルー

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30