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2011年10月 3日 (月)

Circulation of Elite

 成分ゼロではないが、あんましヴィデオゲームに関係ないかもしれない。

 自分用に気になっていたことの整理みたいなもの。自由退室可です。

 まず、ブルックリンでのこの騒ぎ。

 700名が排除されたというが、「交通安全確保」が眼目のようで、即座に解放されているそうだ。
 昨日の記事と、今日の記事。読売。
 スーザン・サランドン、マイケル・ムーアまで現地に登場したので俄然ニュース価値が高まったのか。

 それから、産経の今日の記事がこれまでの経緯にちょっと詳しいのでそれも。
 ただし、産経の場合は「リベラル・オバマやめちまえ」が前面に出てきているので注意。「オバマめ、リベラルを標榜しながら失業率の改善もできず、あげく国家暴力でデモを排除しやがった」という意味らしい。だがNYPDにオバマ政権が関与できるはずもないので、これは誘導。
 経緯としてポイントなのは、先週はたかだか80名だったのだが、催涙スプレー(マスタード・ガスかな)の映像が流れたため共感者・同情者が集まり、今では1000名に拡大していること。 

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111002-OYT1T00332.htm

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111002-OYT1T00728.htm

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/111002/amr11100216590004-n1.htm

 デモ隊が「私たちは99%!」というのは、残り1%がウォール・ストリートを中心に富を搾取している、という意味でしょう。ニューヨークで1000名のデモとはなんとも穏やかですが。
 きっとあちらの失業者はみなMMOで遊ぶのに忙しいのか。

 そういえば先日東京でも「半島国偏重テレビ抗議デモ」というのがあったが参加者2500人だったかな。あれもとても穏やかだったそうですが。テレビごときにマジメに怒っている時点で平和なのかもしれない。

 さて、全く関係ないように見えるのが、GameSpotのこちら。 

http://www.gamespot.com/pc/sim/streetcleaningsim/index.html

 Street Cleaning Simulator

 くそげーレヴューが大のお気に入りの私ですから、以前から知っていた。もちろん現物は見たこともない。

 だいたい、あの深夜に街路を清掃する特殊車両(スウィーパー)がゲームに登場するなんて、カーチェイスものの障害物代わりとか、盗賊団のカモフラージュとか、普通に考えたらそんなところでしょう。
 このゲームはどうやら「いかに街路をきれいにするか」に目的があるらしい。 
 もう、そこだけで大笑いだが、中身も壮絶にひどいようだ。

Street Cleaning Simulator is a broken, unrealistic mess that takes a relatively boring concept and makes it even worse.

 このくらい皮肉まみれのサマリーを書いてみたいものだ。"relatively boring concept"、「比較的退屈なコンセプト」ってところが受ける。いやいや、比較的って。どう考えてもゴミ回収車を操作するほうがずっとエキサイティングだと思う。

 さらにいえば、ある程度の規模の都市のゴミ回収車の運営シミュレーション(すなわちプレイヤーは清掃局の運営担当)なら立派なゲームになる。シム・シティの系列に繋がる名作となるかもしれない。日本人が作ったら、クチブトカラスさんたちを登場させちゃうかもしれないけど(笑)。え、もうすでにあんの?!(いや、よく知らない)

 よい点。

 Nicely detailed sweeper vehicles.

 悪い点。

  •  
  •  Not a realistic simulation
  •  AI vehicles do their best to try to destroy you
  •  Horrendously slow
  •  No replay value.
  •  GameSpotのレヴューは1.5でabysmal。むごたらしいくらいひどい、ということかな。

     そしてユーザー・レヴューは現状1300人くらいで、平均9.1。最近では10点満点が連発している。
     こちらも一種のしゃれ。(おそらくプレイなんかしたこともないこのゲームについて)どれだけ褒めちぎれるかを競い合っているお遊び。まあたわいもない悪のりです。

     このおふざけ。、誰ともなくはじまったのか、それとも今流行りのツイッターあたりで誰かが確信犯的に呼びかけたのかはわからない。GameSpotのユーザー・レヴューはメタスコアと違って誰もなんの重きもおいていない(GameSpotを参照しなければ目に触れない)だろうから実害もない。むしろPC部門でRage、Diablo III、Minecraftなどを抑えて堂々注目度トップに躍り出たので、数百本だった売り上げが数千本くらいにアップするかもしれない。しないと思うけど(笑)。

     別にこの話を、Dragon Age 2が「風評災害」なるもので売り上げが落ちた、と騒がれていることに結びつける気もない。まず「風評災害」で売り上げが落ちたのかどうか私は知らない。

     とはいえ無視する必要もないから、一応触れておく。

     例えばDA2のPC版、GameSpotではレヴュアー8.0に対して、ユーザー7.2(4200人台)。そんなに乖離しているわけでもない。ユーザースコアを一切信用してないので付け加えておくと、GameSpotでは算術平均に一部補正をしているようだが、たぶんヘイター(低スコアー)と普通のユーザー(中から高スコア)の最低二つの山がある、フタコブラクダのグラフになっていると思う。「算術平均」ときいて皆が想定するような綺麗な釣鐘状にはなっていないはずだ。サイトで確認できる円グラフだけみてもこの推測は正しいと思う。

     DA2のメタクリティックではクリティック・スコア8.2に対してユーザー・スコアは4.2だが、こちらもたかだか3200人台。

     ブルックリンの話同様、「たかだか数千人で騒ぐな」という話だな、と早とちりもしないで欲しい。そんなことはデータを見ただけで誰でもわかる。

     そうではない。

     たかだか数千人で世の中が動く、動かせるという発想、その根底には何があるのかについて考えていくつもりだ。

     もしかしたら「格差社会」の話になってしまうかもしれない。中身はできるだけノンポリでいきたいけど。

     Circulation of Elite(s)という概念がある。イタリアのヴィルフレド・パレートという19世紀から20世紀にかけて活躍した経済学者、社会学者が提起した。彼の父親はイタリアの社会主義革命家であった。
     経済学では、一般均衡理論の継承者、厚生経済学の始祖。

     パレートときいて、「パレートの法則」を想起する人も多いだろう。「2割の高額所得者に全体の8割の富が集中している」というあれだ。「富の偏在」と言われる。
     日本でも「富の偏在」とは直接関係のない世界で、ごく一般に「上位2割のムダな仕事がコストの8割をしめている」とか、「社員の上位20%の仕事が企業利益の80%を産んでいる」とか、20:80の法則とかよく耳にするかもしれない。それらが経験的に観察できることがあるらしい。

     パレートによれば、"It is a social law in the nature of man"。(原文はイタリア語だろうけど、私は英語以外さっぱりなのでまた引きで勘弁して欲しい)
     アリ・ハチの社会でも上位20%の働き者を排除すると、残った働かない者集団の中の20%が働き者に変わるという(本当かどうかはしらない)。あるいは人間だけではないのかもしれない。

     ブルックリンのデモ隊が「99%!」と叫んでいるなら、アメリカの富の集中はパレートの法則を超えるレベルに達してしまったのか。最近では色々な手法で「格差」を指標化しているから、そちらを参照。ここでは、デモ隊の叫びはパレートの法則に関係がある、とだけ言っておく。

     「パレート最適」というのも重要だ。「最大多数の最大幸福」とか厚生経済学などでいう「最大多数の最大利益」とかいうのは数学的に誤り(実現できない)と証明されたそうで、代わりに「パレート最適」を用いるという。

     簡単に言えば、「成員の誰かの幸福(利益)を減少させずに、他の成員誰の幸福(利益)をも増加させることのできない状態」。その状態が本当に(哲学的に)「幸福」かどうか知らないし、成員間で「平等」かどうかも関係ないけど、他人を不幸にしない限りは誰もこれ以上は幸福にならないと言う意味。成員間で資源の配分を行なうときに、もうこれ以上交渉する必要のない状態。だから「最適」。これは幸福(利益)を指標化できるなら数学的に解ける。

     どこかの国のバカ宰相が、元ネタを何も理解せずに、勝手に翻案して、結果国民に最大級の不幸を強いる社会を実現したことは記憶に新しい。

     もちろん、パレートの学説は、ムッソリーニなどファシスト党の注目を集め、一部は実際に政策に用いられ、そして「一時は国民から絶大な好評を博した」ということも触れておかなければならない。
     おそらくそういう理由もあって、日本ではあまり知名度がないのかもしれない。

     おっと、ノンポリで行くはずだったな。

     Circulation of Elite(s)は、経済学の一般均衡などの発想を社会学にもちこんだもので、社会全体には性質の異なるふたつのエリート集団が存在し、統治者・支配者として交互に支配を繰り返していく循環史観である。

    "history is a graveyard of aristocracies." (歴史は貴族(上流階級)の墓場だ)

     お気づきのとおり、社会進化論批判、マルクス(唯物史観)批判である。

     そして、そこから空恐ろしい結論が導き出される。

    "There is no progress in human history. Democracy is a fraud."

     「歴史は繰り返す」というのは嘘でしょうが、「歴史は、いつもあまり代わり映えしない」、「以前の歴史の焼き直し」なのは本当かもしれない。
     あのFallout の冒頭の有名なセリフにある、「戦争は、いつの時代も変わらない」("War..., war never changes.")という発想にもつながりそう。

     これは私個人の考えでもあるのですが、皆誰でも赤ん坊のときは真っ白な脳みそで生まれ、そこからよーいどんで経験・学習を積んで行くわけだから、ほおって置くと「人間はいつの時代も変わらない」。「知識」や「知恵」は個々の人間の脳みその中にしかない。誰でも死ねば消える。後に残されたものは「情報」のみ。

     ただし人類の「叡智」なるもの(実際には「情報」ですが)の蓄積は後世になるほど活用できるので、いつまでも石器時代が続くわけではない、(そうした情報の蓄積を活用した)医療などの発展によって少なくとも寿命は延びてきている、そして前にも書いたgoogle図書館などのインフラが実現すれば、個々人が過去人類が築いてきた情報を獲得する作業は格段にスピード・アップされる。

     過去の遺産を引き継ぎ、個々人が情報を蓄積する時間が長くなり、収集ツールが与えられて作業が迅速になるのを「発展」というのならそうでしょう。先達の経験に学んでいるから、人類全体は「賢くなっている」というならそうでしょう。中世暗黒時代に人類(ヨーロッパ)の「発展」が長期間停滞したというなら、それはもう繰り返したくないよな、と誰でも思う。よくよく調べたらそんなに「暗黒」でもなかったそうだが、それがわかったのだって叡智の蓄積によるものだ。

     もうひとつ、ここの話とは直接の関係はないが、パレートの業績で社会学的に大事なことは、経済学は人間の理性的行為に基づくが、社会学は非理性的行為に基づいていると考えたことだそうだ。

     最近では行動経済学などで、そうした経済学、社会学、あるいは心理学の枠組みを超えた学術的取り組みがなされてきており、そちらもとても面白いのですが、ここでは省略。

     さて予想通り長くなりそう。あと2、3回続くので、ご興味がない場合はご容赦下さい。

     また、これでも一応勉強した内容に基づいていますが、パレートの専門家でもなんでもありませんので、「お前、それ言いすぎ」とか「事実と違う」というならご指摘下さい。

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