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2011年9月 8日 (木)

恐竜大戦争

 こちらでも「怒れる市民の声」が盛り上がっております(笑)。

 Call of Duty Eliteについて。

 http://www.gamespot.com/news/6332852/call-of-duty-elite-to-enlist-2-million-analyst

 ご存知ない方(だらけでしょうね)のために簡単に説明すると。 

 この11月にローンチのCall of Duty: Modern Warfare 3 (CoDMW3)はパッケージ(デジタル・ダウンロード含む)商品ですが、同時にローンチされるCall of Duty Elite を年間50USDでサブスクライブすると、すべてのDLC、コンペ、プレミアム・ヴィデオ・コンテンツなどなどにアクセスすることができる。

 まず、ものすごく興味しんしんなのは次の部分。

 ある(株屋の)アナリストのみたてによれば、2011年中にイニシャル1百万人、最初の1年間で2百万人、2012年末に3百万人、2013年末に5百万人がサブスクライブするであろうとのこと。

 つまり年々サブスクライバーは純増していくとの予測。
 MMORPGの歴史をご存知なら、こんなふうにサブスクライバーが時間とともに増加していった例は(MMO黎明期のUOなどは除くと)WoWしかなく、そのWoWですら巨大なモジュールを含むコンスタントに膨大なコンテンツを投入した結果であることは承知のはず。
 WoWの天下になんとか一子報いようというSWTORのほうは、イニシャル・サブスクライバー命なことは十分承知なので、それが1百万人超えるのかどうかでやきもきしている現状である。悲しいことにMMOのユーザーはイニシャルから増えないんですよ。

 CoDはそういう例にはあたらないということでしょうか。

 まあ確かにかつてのMMOのようにイニシャルダッシュ(スタダ)で勝負おしまい、という世界ならサブスクライバーが増えないのはうなずける。FPSはそこまでシビアではないのかな? ちょっとだけ出遅れて参入した著名FPSとか、年季の差だけですっげーシビアな戦い強いられたけどな(笑)。

 FPSの場合、サブスクライバーが純増していってもおかしくない理由のひとつは後述します。

 上の点はマーケティング的というか、ユーザー動向的にとっても興味がある。

 もうひとつは、ユーザーの皆さんが「こんなものに手を出しちゃだめだ!」とまた煽っている点(笑)。

 怒れる市民たちの主張としては、

・CoDMW3はエリートがなくても遊べる。
(これに対し、CoDMW3が今後リリースするマップ類は合計50USDを超えるように価格設定する、エリートが「お得」に見えるようにするはずだから、その議論はナイーヴすぎるという意見あり。訳者から言わせれば、すでにあんな値段でマップ買わされているほうがナイーヴだと思うけどね。だってマップだぜ? レガシーなんてパズルもVOもカットシーンも、腹立つ隠しボスだってついてるぜ?)

・Activisionのエリートが成功すると、類似品すなわちEAのBF3もそれをミミックする。

・そのうちFPSのメジャータイトルは、パッケで50USDのほか、年間50USD払わなければ遊べなくなる。

・この50USDは、CoDMW3のワンタイトルだけに費やすものである。XBL/Windows Live なら同じ50USDでずっと多くのものが手に入る。

 これがですね、「肉食恐竜の生き残り戦略にはヴァリエーションがない」、と以前書いたことの実例なんですね。ジャンルがモノカルチャーだから、生き残るにはトップをミミックするしかない。
(余談ですが、最強の肉食恐竜は定説ではTレックスだが、最近ではやつはハイエナのような死肉漁りだった説もあるらしい。するとアロサウルスあたりだったのかな?)

 他の産業でいえば鉄鋼メーカーがそうっすね。製造業の世界では行きつく先はM&A。ゲーム・ビジネスではそうはいかない。

 仮にActivisionのエリートが成功して、EAがミミックするとね、イニシャルのパッケージ(デジタル含む)50USD見合いで同じように開発している3位以下のFPSタイトルがことごとく死滅します。やってられなくなる。それはイネヴィタブル、不可避。

 年間50USDはあきらかにぼったくりですから、導入したほうは次回作の開発投資にガンガン自由に回せちゃう。コンテンツ数でも大きく差がつく。CoDが君臨する巨大な1位で、BFがリモート・セカンド(スゴイ離されてるけど2位)。こういうところって、それ以外の弱者に居場所はないのね。

 そして株屋のアナリストが、エリートのサブスクライバーが徐々に増えるというのはそこを言いたいのかもしれない。「ネットワーク効果」で、多くの人が集まるところにはより多くの人が誘引されるってことでしょうか。潰された3位以降のタイトルのユーザーが渋々参入してくるのも含むのかもしれない。遊ぶものがなくなっちゃうわけだから。

 残された道は、Valveのように他の分野でぼったくった資金を自社FPSに回して低価格でユーザーを誘引する作戦。
 あるいは正面からのガチンコを避けて低品質FPS商品で凌ぐ作戦。
 あきらめてiPhoneアプリを開発する作戦(笑)。

 なお、上でXBL/Windows Live がメンションされていますが、そもそもなぜActivision側がエリートの発想を抱いたかというと、Activisionの偉い人が「MSはうちのCoDのおかげでなーんもせんとXBL/Windows Liveであぶく銭つかんどるのに、うちはビタ1USD儲からん」とぶちきれたから。
 いやいや「なーんもせんと」って、WindowsもX360もMSのものだから(笑)。そこを「なーんもせんと」って言っちゃうのはビル・ゲイツ・モデル批判になる。それも非常に面白い話だが長くなるので別の機会に。
 
 よってSteam/EA戦争と同根の、ディストリビューター戦争なんですね。仲介者(ミドルマン)つぶしだ。

 よくわからないけどXBLのお友達は、CoDを遊ぶためMSとActivisionと両方に上納金を毎年納めるの? さっすが、箱ユーザー、おっかねもちっ!

 FPSが「主流」と言われ、毎年数え切れない数のタイトルがリリースされ続けてきましたが、そういうモノカルチャーは本当に危ないと感じていた。
 本当に1位とせいぜい2位しか生き残れないのか、これがこの先どう転んでいくのか、部外者としては他人事だけに興味津々である。

 すばらしきかな自由主義経済(笑)。

 おおっと、書き漏らした。
 GameSpot記事にメンションされていないかもしれないが、CoDには「オークションハウス」が導入される。
 一言で言えば、「リアルマネーを持たない貧乏人をぶち殺すための武器をクレジットカード使い放題の金持ちに提供する」仕組みです。
 なにMMOにもあるじゃねえかって? あのさ、 MMOのPvPはしたくなければしなくて済むのよ? FPSはPvPしかないの。それは違いますよ。

 美しきかな「神の見えざる手」(笑)。

**********

(恒例の映画余談コーナー)

 そういえば、あの映画「アバター」からオスカーをむしりとった映画「ハートロッカー」。
 実は、戦争映画としては結構面白いんですよ。大好きなシーンは(テーマである爆弾処理のところじゃなくて)、おそらく週に数百ドルしかもらえていない米軍の兵士たち(主人公たち)がパトロール中にPMC、民間傭兵会社の高給取りの連中と出くわすところだ。(後述のオタクサイトによれば彼らは英国人傭兵だ)。

 連中は実はバウンティ・ハンターであって、一人頭賞金50万ドル(嘘じゃないよ、あの有名なトランプカードの形で指名手配された賞金首メンバーという設定)のお尋ね者二名を捕獲して、賞金を受け取りに帰還する途中だ。合計賞金1百万ドル。
 彼らの車両がパンクして修理できずに立ち往生しているので、米軍のほうから工具を貸してあげようと申し出ると・・・。
 突如、テロリストを奪還しに来た敵兵士に包囲され急襲を受ける。PMCのメンツが狙撃されバタバタと死んでいく。
 すみません、ここ観ながらゲラゲラ笑っちた。監督はキャメロンの元妻。そのせいかどうか知らないが、この脚本は人が悪いっつうか、なんつうか。

 結局PMC側はほぼ全滅し、残された米軍兵士たちは、PMCが所持していた高級武装、長距離ライフル一本を頼りに、炎天下、ものすごい長時間の緊張に耐えつつも敵を殲滅する。 

 貧乏人が金持ちの武器を使って勝つから爽快なのだ。

 Activisionは間違ってるという意見は、うなずけますね(笑)。

**********

 あっちのオタクはすげえや。

 その長距離ライフル、中途半端ミリタリー・オタクのくせに、そんなジェネリックな呼び方じゃ笑われる、アニメーターだったら宮崎駿に怒られる(メーターじゃねえし)。

 ちゃんとあるねえ・・・。データーベース。怖いくらい詳しい。やっぱネットはバカと暇人しかいない。調べるこっちもバカで暇人だが。

http://www.imfdb.org/wiki/Hurt_Locker,_The

 これですね。Barrett M107。FPSファンの皆様にはおなじみかもしらんが。

 450pxberrett_m107

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