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2011年9月26日 (月)

【New Vegas】Lonesome Road画像(は次回)

 すでにプレイ時間が300時間を優に超えていたFallout: New Vegas。
 モハヴィ荒野を死ぬほど(何度も死んだが)うろつき回り、遂に迎えた最終章Lonesome Road。

 当然、あっと驚く結末が用意されていると思って、DA/ME以外では珍しく、プレイ中意気込んでカメラのシャッターを切り続けたのですが・・・。
 既報のとおり、「うーん」な結末であった。

 ネタバレ満載なので続きを読むの下。

 と思ったが、今回は全く関係ない脱線した話題で終わったのでした(笑)。

 New Vegasの四つのDLCは、その濃淡はあれど、それぞれ関連しており、最終章Lonesome Roadで一応の決着をみるつくりになっている。

 Dead Money
 Honest Hearts
 Old New World
 Lonesome Road
 (リリース順)
 
 実際に試していないが、どの順番でプレイしても破綻はないはず。
 ただしそれは、逆の意味でいうと非常に残念なことにリリースの遅いものを先にプレイしたとしても、リリースの早いものにその結果が反映されないということ。隠しネタの趣向はない(一部本編に持ち帰るネタがあるにはある)。
 よってリリース順にプレイするのが「物語的」には無難。

 Eurogamerの評価は、本編9点、Dead Money 7点、Honest Hearts 6点、Old New World 9点、Lonesome Road 5点。(プラットフォームによる差はない)

 IGNの評価は最も高く評価されたPC版で、本編9、以下7.0、7.5、8.0、6.5。
 GameSpotでは最も評価されたPC版で、本編8.5、以下、6.5、7.0、8.5、未評価。
 
 絶対値はともかく、非常に評価が似ている。そしてGameSpotの評価待ちだが、Old New World が優れていて、Lonesome Road が一番へぼいみたいな感じになっている。私個人の感想も実は一緒なのだが。

 ここで(いつものように)壮絶に脱線。

 デルファイ法(Delphi method)という、ランド社が考案した意志決定・合意形成のプロセスがあります。主として未来予測に用いられる。
 デルファイとは、そうそう、あの古代ギリシャのデルファイ(デルポイ・デルフォイ)のご神託(オラクル)のこと。 

 第一ラウンド、識者・専門家がある予測テーマについて、とりあえずの評価や意見を投票やアンケートの形で表明する。主催者はそれを取りまとめそれぞれの参加者にフィードバックする。ただし個々人の匿名性は守られることが条件。
 参加者は全体の傾向や個々の意見を見て、自分の意見を修正するなり、しないなりを決断し、また第二ラウンドに投票・意見表明をする。それを繰り返すことで、合意された予測精度を高めようとする試み。

 元から参加者に「これはデルファイ法でやりますよ」というか言わないかでも結果は違うでしょうね。ゲーム理論的にも。(アー、違うか、第二ラウンド以降で同じ結果にいきつくな。ロバストなシステムなんだな)

 日本のウィキには見事に項目がない。著作権侵害? みんな死ねばいいのに(だったらお前が書けよ!)。いや悪いがこちとらそんな暇じゃない。Wikipedia(en)を参照した。

 当然この方式は、「組織化されていない個人の集団より、組織化されている個人の集団の予測・判断が勝る」という仮説に基づいている。後者を表現するのに"collective intelligence"という用語が用いられる。日本語で言えば「衆知」だ。「三人寄れば文殊の知恵」だ。
 ただし、一般には個人のベストの予測・判断が集団のベストに勝る、という事例もよく観察される。集団は「流される、群れる」(グループ・シンキング、グループシンク(groupthink)。

 よく、「客船が沈没してあなたはひとりで孤島に漂流することになった。手元にある十六のアイテムのうち五つしか持っていけない。どれを持っていく?」なんて思考テストありますよね。あるいは「地球の危機に際してシェルター(あるいはアーク、ノアの箱舟でもいい)に避難しなければならない。リストにある二十人のうち八人のスペースしかない。誰を避難させるべき?」とか。

 ああいうテストを、まず参加者個々人が別々にひとりで考えて答えを出す。それからその結果を持ち寄って集団で議論して合意した結果を出す。
 (望ましい答えが最初からある前提ですが)だいたい個人のベスト・アンサーが集団のベスト・アンサーに勝つ。集団でやるとどうしても妥協とか、顔色を伺うとか、声がでかいとか、態度が気に喰わないとか、どうでもいい世界が入り込むから、と言われている。
 おそらく人類は、いつか地球の危機が訪れても、きっとそうやっているんだろうなあ・・・。

 デルファイ法の場合、参加者は当該テーマの「識者・専門家」であるところ、かつ「匿名性が守られる」ところが味噌。前者の部分において大新聞の世論調査などとは違う。あれこそグループシンクの際たるもの。政権支持率がガンガン下がっていくのも、繰り返し調査でそれが強化されているのでしょう。ネットの炎上騒ぎも同じ傾向がある。

 ヴィデオ・ゲームに関して言えば、おそらくネット上のベスト・インディヴィジュアルのひとりであろう、ペニアケの人のこのコミック。

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 ジョン・ガブリエルの大インターネット馬鹿野郎様理論
(the Greater Internet Fuckwad Theory)

"ふつうの人+匿名性+野次馬=ただの馬鹿野郎様"

 EUの財務大臣たちがいくらUSのガイトナーに恫喝されてもなかなかギリシャ問題の決着がつかない。これ悩ましいね。(日本だけを除く)為政者たちは当然「識者・専門家」ですが、(正しい解決策が最初からあるとしても)それぞれのプレイヤーの後ろには「流される、群れる、迎合する」各国大衆が控えている。政治は未来予測なんかよか、ずっと複雑怪奇だ。

 またしても本題より余談が面白い事態(と少なくとも私は思っているが)になりつつありますが、ちょっと戻そう。

 IGN、GameSpot、Eurogamerなどのゲーム・レヴュアーは間違いなく「識者・専門家」。筆一本で生業を立てているわけだから(ゲーマーとしてもジャーナリストとしても)プロ意識だって強烈にある。

 でも彼らが独自に評価する(という建前の)スコアが上記のように非常に似てくる。

 レヴューの発表時期も前後する(他者を参照できる場合がある)し、デルファイ法と違って匿名性もない。しかも同業人だからきっと大手サイトのレヴュアー同志で連絡は取り合っているだろう。
 最終的にレヴュアー個人が署名入りで書くので文章責任(文責)をとるのだろうが、大サイトはお抱えの複数のエディター・ゲーマーがプレイして評価している。当然レヴューの原稿に対する編集長や他のエディターのツッコミもある。過去に評価したゲームとの整合性も非常に尊重するだろう。
 そういう背景もあって、評価はある程度似てくる、悪い言い方をすると丸くなっていくのかもしれない。

 (もちろん、賢明なる読者諸氏のことだから、「いやそうじゃないんじゃなくて? 複数のベスト・レヴュアーが独自に評価したものを「よーいどん」で見せっこしたら似てくるんだから、まさに『ベスト・インディヴィジュアルがベスト・グループに勝つ』事例そのものといえるのではない?」というご意見があるでしょう。そのとおりだ。これだけでは何も結論は出ない)
 
 それでも(いや、だからこそ)私は個々のサイトのレヴューはまだ参照するのですが、メタスコアを全く信用しない。プロ意識のないゴミ・サイトもたくさんあれば、X360(PS3)に特化したお手盛りサイトもある。なんでNew York Timesにゲームのことを教えてもらわなかんねん、という気もするし。
 ユーザースコアなんてそれ以下。

 返す刀でたたっきると、DA2の悪評もそうした悪しきグループシンク、バンドワゴンの結果である面が否めない。(上記三サイトと違って)GameSpyなど歯牙にもかけたくないのは「メタスコアのユーザースコアもわるかったしー」などとレヴュアーが書いている始末だからだ。てめえ、プロ意識ないんかい! はあはあ・・・。

 ああ、日本はダメよ。それ以前の問題。メーカーのちょうちん持ちだもん。メーカーの広報にへそ曲げられて接待に呼べなくなると情報取れなくて困るもん。リリース前に試遊版もらえないと困るし。

 ゲーム翻訳の難しさもそこにあるかもしれない。小説、映画と違って、ゲーム、ことにRPGの翻訳など(複数のライターが分担して書いているケースが非常に多いので)とてもひとりでは手に負えない。チームで分担してやらないといけない。(映画翻訳は分担してる臭い面もないわけではないが、手下に下訳させるのはチームとは違うとみなす)

 ところが翻訳には当然正解(誤訳ではないと言う意味、対応する日本語訳がたった一種類しかないということではない。そういう受験勉強の悪しき発想を引き摺るんじゃない)があるわけで、やっぱり個人が集団に勝る。
 でもチームでやるとグダグダになる可能性大。

 自分では残念ながら日本語版は遊ばないが、最近の話(Deus Exなど)をきくと「スクエニなど大手の洋ゲーの翻訳はさすが、と言わせるものが増えている」そうである。
 いい傾向じゃないですか。

 優秀な翻訳者を大勢雇って、ちゃんとリード・エディターがいて、チームで働かせることができる(ような外注業者を雇っている)ってことなんでしょう。
 そういう面でも、ヴィデオゲームは「工業製品」の世界なんですかね。ようやく「翻訳品質」も議論される世界に入ってきたということかな。

 (さらに余談)

 私も前の記事を書くときに初めて知ったが、翻訳の世界では個人が勝るといいながら、翻訳者がうなりにうなって結局「正解」が訳出されず(できず?)、出版中止で編集者涙目みたいな事態もあるから。佐藤優氏ではないが、「翻訳者は皆職人」。「ええい!」って作品の壺割っちゃうわけだ。(壺は「工芸作品」かな?)

 あの例は「じゃ、おれやりますよ」ってなんで他の人たちが誰も言わなかったかというと、まあ・・・、やっぱギルド社会だから?

 大御所がうんうん唸っているのに、貴様ごとき若造がなんでへらへら肩代わりできるんじゃ!と狭いギルドからつまはじきされるのを恐れたんでしょうね。あるいはあえて火中の栗を拾うほどの(金銭面以外を含む)報酬でもないと思ったのか。

 エスエフの翻訳なら編集者涙目で済むから何の実害もない(文句あるなら原典を読むべき)。 

 ところが、核燃料「ムラ」(すなわちギルド)でもそれと似たようなことがやられてきたわけだ。
 あちらは「わからない」と素直に言わず、「だいじょぶ、だいじょぶ」で来たらしいが。
 大御所が言ってるなら誰も文句は言わない。
 やっぱサルから進化したのかなあ、と思っちゃうよね。

(そして、ようやくちょっとだけ本題)

 Lonesome Roadのラストシーン。ネタバレはない。

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 ・・・そしてこの道のりも、終わりに辿り着いた。

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 戦争は、いつの時代も変わらないという。

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 だが、ひとは変わりうる。その歩んできた道に応じて。

 いやあ・・・。「ひと」もやっぱ変わらんと思うぜ?

 

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