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2011年8月22日 (月)

【DA2】BioWareゲームに見る組織論

 さて、少しは好き勝手書かせていただこう(もう十分やってんじゃないの?)。

 私が個人的に信奉する経営学者のひとりにヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)博士がいる。カナダ(モントリオール)マギル大、INSEADなどの教授をされている方だ。マネジメント関係の著作も多い。

 http://www.mintzberg.org/resume

 経営学にご興味があるならご存知かもしれない、つうか知らなければ経営学に興味があると認められない(笑)。ドラッカーばっか読んでちゃダメよー、てか少しは読まなきゃもっとダメだけど。「もしドラ」も許す。

 ちなみに、このブログの表題、Rain dancing、「雨乞い」もミンツバーグ教授の書籍を読んでいて頭に残った話から取っている。元ネタは別の経営学者ブライアン・クイン(J. Brian Quinn)であるが、共同発案者ミンツバーグ、そしてもちろんドラッカーも良く引用していた。要約するとこんな感じ。

 現代の企業経営戦略の企画立案(Planning)は、例えるなら雨乞いの踊りの儀式に陥りやすい。
 もちろん、雨乞いの踊り自体と天候の間には、事実何の因果関係もないのだが、踊っているほうは因果関係があると信じている。雨が降らないのは踊り方が下手だからなのだ。だから踊り手たちは、より一層真剣に踊りの技術を磨き上げることに腐心する。 

 経営戦略の企画立案の世界では、いかにして企画をうまく仕上げるかばかりに注意が向かい、本来の戦略は何であるべきか、業績はいかにして向上させるべきかについての吟味が疎かになりかねない。
 つまり、残念なことに雨乞いの踊りをどれだけうまく踊れるかが最重要視され、踊り手への注文も、踊り方が違う、もっとうまく踊れということばかりに集中する。
 そうしてやがて、本来の踊りの目的であった天候(すなわち業績)のことは忘れられてしまうのだ。

 身につまされる話ですねえ。

 このブログ(と前身のブログ)では、いくらここで「洋ゲーRPGの日本語版出ろ!」と叫んだところで、実際出るかどうかとは一切関係ない、という自虐的な意味を込めて命名したのですが、開設時に影も形もなかったDA:O、ME2の日本語版はその後めでたく発売されたのであった。

 日本でここまで雨乞いの踊りが功を奏したのは、皇極天皇(重祚して斉明天皇)以来ではないかしら(笑)。いやね、あれだって大臣蘇我蝦夷が雨乞いにしくじって、「ちょっと貸しなさい、あたしがやるわ!」(もちろん女性です)って取り返して雨乞いしてみたらざんざん降りの豪雨が続いたってことで、大臣の祈り方が悪いことになってるんですけど(笑)。
 ま、野郎はいつもここぞというときには(略)。

 なんの話だっけ?

 ミンツバーグの組織論か。

 結構有名なんで、ご存知かもしれない。

 現代経営企業を観察して、いくつかの類型に分類したものである。 元はThe Structuring of Organizationsというそのものずばりの題名の書籍で出版されたもの。といっても1979年出版。

 日本語版は「人間感覚のマネジメント」という本に載ってるそうで、まあ題名からしてセンスのなさ爆発してますけど、ミンツバーグの色々な書籍の内容を一緒くたに盛り込んだそうで、案の定絶版。だめすぎ。

 私は原文にあたる以外はあんましお奨めしないが、次の日本語サイトにパクリの図表が掲載されている。非常にひどい訳でもあり、ちょっとこのブログから直接飛ぶと奨めているみたいでイヤなんで、リンクは切っておきます。
 どうしてもみたければこいつをブラウザのあそこにコピペで。

 home.att.ne.jp/sea/tkn/Issues/Issue-OrgStructure.htm

 原文に近い形のパクリはこちら(英語)。

http://www.lindsay-sherwin.co.uk/guide_managing_change/html_change_strategy/07_mintzberg.htm

 類型はいくつかある。

 グレイ・ウォーデン、テンプラー、チャントリー、サークル・タワーとME2のサーベラスという五つの組織を例に、どれにあてはまるのか見ていきたい。

 まず現代経営組織は概ね次のようなパーツから構成されているというモデルの原型が示される。これとこのブログの考察はあんまり関係ないけど、やっておこう。

Mintzberg_2b

 先端に経営戦略立案とコマンド・コントロールを司るトップ層(Strategic Apex)、その下に中間層(Middle Line)、最後にいわゆる現場・現業層(Operating Core)。これが実際に業務を行う部分。
 間接スタッフはまず左に主として現場・現業の実務に影響を与える役目を有するアナリスト集団としてテクノストラクチャー(Technostructure)がある。工程・業務のデザイン、生産・物流等の計画立案、工程の改善・改良、教育訓練などを司るが実際に業務は実施しない。
 右にあるのはいわゆる管理間接部門(Support Staff)。現場・現業の業務とは直接関係ない支援業務。財務、決算、法務、給与、総務などでしょうね。

Mintzberg_3by

 それぞれのパーツは、組織内において自己が有利な形で影響力を行使できるよう、組織自体をある方向に導こうとする。
 トップは中央集権化をしたがり、ミドルはバルカナイズ(自立独立化)したがり、現場は高度専門化したがる。テクノストラクチャーは標準化したがり、管理間接スタッフは協業化したがる。そうすればそれぞれのパーツの生き残りが保証できるだけではなく、組織全体に対する発言権も増すからだ。要点は、それぞれの指向が必ずしも組織全体に良い影響を及ぼすことではないことである。

 まあ、ここまでは「そんなもんかな」で結構。あまり関係ない。

 ミンツバーグによれば、この原型モデルに基づいて成功している組織を観察すると大きく次の五つの類型に分類できるという。

Five generic organisation structures

  • Simple structure,
  • Machine bureaucracy,
  • Professional bureaucracy,
  • Divisionalised form,
  • Adhocracy.
  •  ここでは"generic"という用語に注意。「ありきたりの」ではない。「普遍的、包括的」という意味だ。つまりこの五つのモデルで対象は説明し切れてしまうということ。
     こうしたセオリーで"general"と言っている場合、必ず"special"、すなわち特殊、例外があります。general theory of relativityにはspecial theory of relativityがあるように。

     一方"generic"には例外はない。少なくとも論者はそう主張している。これですべて言い表され、説明しきっているという主張だ。
     このことは、アカデミックの世界ではすごい大事。「例外はない」という説を検証し、その不備を攻撃しようとするのは簡単ですよね。例外をひとつでも見つければいいのだから。逆にgenericなセオリーを発見したらそれは大発見、大騒ぎですね。
     マイケル・ポーターには有名なgeneric strategyのセオリーがあります。ビジネスが競争優位を獲得するための戦略は次の三種類しかない。Segmentation、Differenciation、Cost leadership。彼の主張ではこの他にはないんです。だってgenericだから。 

     もちろん発表以来数多くの論者が例外を探す戦いを挑んできています。まだポーターが白旗をあげたと言う話はないかな。

     だが、このブログではそれはあんまし重要ではない(笑)。

    Simple structure
    グレイ・ウォーデン

     Mintzberg_5

  •  分業は曖昧。ユニット間の差別化最小。管理階層は小さい。
     組織行動は定型化されておらず、企画、訓練、組織内連絡調整手段などもほとんど活用されていない。
  •  直接統治。全ての重要な意思決定はトップ(CEOなど、概ねひとり)に集約。中間層は薄いか存在しない。
  •  初期の段階に多くの企業がたどる。環境は単純で動的(ダイナミック)。すなわち個人でも状況を把握し、対応できる。ダイナミックな環境は有機的組織を生む。将来が見通せないため、標準化による協業は行えない。
  •  The enterpreneurial organization、「企業家的組織」とも呼ばれます。
     グレイ・ウォーデンに気持ち良いくらいピッタリ当てはまる。 
     将来の見通せない(ブライトがいつ発生するかわからない)、ダイナミックな、つまりホスタイル(敵対的)な環境においては、突発的な事象に対しても単純な組織は見事に対応可能です。注視すべき環境変化も一個だけだから。

     この組織の難点は、業務が複雑化したら耐えられない、創業者などの意思決定者が組織を去ると無力化するなど。 

     セダス各地のグレイ・ウォーデンは、ワイズホプトのファースト・ウォーデンの支配下に入ることにはなっているのですが、ファースト・ウォーデンがワイズホプトのローカルの問題に忙殺されており、そこからの指示が各地に的確に届くことはありません。
     よって、各地のウォーデン・コマンダーが現地のほとんどの采配を振るいます。
     またフェラルデンでウォーデンがほぼ壊滅してしまった場合に、即座にオーレイなどのウォーデンが駆けつけるようなこともありませんでした。連邦組織というよりは、このような単純組織がセダス中にバラバラに並置されていて、自主独立性も非常に高いと見ることができるでしょう。そんなルーズな組織を束ねているのは、そうですよね、「ブライト打倒」という目的と、あのモットーのみです。

    Machine bureaucracy
    テンプラー騎士団

     Mintzberg_4

    ・高度に専門化されたルーチン業務。
    ・現場には非常に定型化された手続きが存在。
    ・規則、基準、公的連絡重視主義が横行。
    ・現場は大きなユニットを有する。
    ・協業に際しては機能重視
    ・比較的中央集権化された権力と意思決定。
    ・ラインとスタッフの間のはっきりした分担。複雑で多岐にわたるスタッフ部門。

     いわゆる官僚組織です。協業も定型化された手続きに則るので、テクノストラクチャーが全体のなかで枢要な地位を占める。単純で安定した環境に適応。複雑でダイナミックな環境は標準的手続きに落とし込めないので不向き。

     手続きがきちんとこなれるくらいまでに成熟した組織、標準化が効力を発するほど大きな規模の組織。
     トップの関心事は、組織内の円滑な運営。パフォーマンス組織であり、問題解決組織ではない。

     テンプラー騎士団。
     チャントリー、あるいはシーカーなとを含めた全体の話は後ほど出てきます。
     メイジの管理とアポステイトの追跡・捕縛。非常に単純な業務。DAの世界で支援スタッフは出てきませんが、本質的には宗教警察組織であり、なにしろ刑務所というかサークルを有しているわけですから、記録、監視、内部監査などの肥大化したスタッフがいるはずです。カークウォールではメリディスがトランクィルを活用していましたし、比較的メイジとテンプラーの間の確執が穏やかであったフェラルデンではその役目を実はサークル・メイジたちが担っていました。
     そして変化には弱い。経験したことのない環境下での問題解決には向かない。典型的官僚組織でしょうね。

     クナリはステンあるいはアリショクの話を聴いていると機能別組織らしい。根っこはこれでしょうかね。ドグマとしては「クンの前にはクナリは全て平等」ではあるのだが、機能分化が進んでいるので単純組織ではなさそうだ。

    Professional bureaucracy
    サークル・タワー、タワー・オヴ・メイジャイ

    Mintzberg_6

    専門家集団、専門家組織。

    ・技能と、それに付随する企画、訓練、啓発(洗脳)の標準化
    ・訓練と啓発(洗脳)を十分に受けた専門家(スペシャリスト、プロフェッショナル)を育成し現場に配置。業務の裁量の多くの部分を現場に委ねる。
    ・専門家間に必要な協業は、特に同僚間で習得することが期待される(合意されている)標準化された技能と知識によって行われる。 
     
     官僚組織の手続き・標準は組織自ら生み出されるのに対し、専門家組織のそれはおもに組織外部の、特に同様の専門性を有している外部の専門家集団との自治的な協力によって形成される。この組織は専門的性格が生み出す権威、「専門知識(エクスパティーズ)の力」(the power of expertise)に重きを置く。

     組織の戦略は専門家個々人によって、あるいは外部集団との協力によって生み出される。

     テンプラーとの違いは、上にあるように、テンプラーは規範(メイジの管理方法)を自ら定めるのに対し、サークルは他のサークルとの協業によって規範(魔法の研究・利用方法)を定めること。

     ぱっと思いつくように研究開発に重きを置く企業・組織がこの類型。サークル・タワーは大学とも、魔法研究所とみなすこともできるので順当でしょう。
     訓練と啓発(洗脳)が済んでいないアプレンティス、それらを習得したことをハロウイングの儀式を通過することで証明したメイジ。エンチャンターたちは大学教授のように個々人が独立した存在ですね。ファースト・エンチャンターはマネジメントも取り仕切るが自身研究者でもある。
     建設・設計事務所、デザイン工房、会計事務所、法律事務所なんかも近いかな。「個人」ありきの業績管理ですから、規模の経済がほとんど得られない業務ですね。かつてのゲーム開発会社もこれ。現代のゲーム開発会社は一番下のアドホクラシーかな。任天堂みたいにでかくなっちゃうと次の多角的組織。

     アンティヴァン・クロウは、コウタリ、カルタなどの犯罪組織と違って個人経営者(であるアサシン)の集まりぽい。個別契約ベースだし、こっちに近いのかな。内情の詳細はゼヴランが語る以外、あまり作中で触れられていない。

    Divisionalised form
    チャントリー

    Mintzberg_7

     多角的組織。半自治ユニットの集合体です。官僚組織から発展することが多いのでしょう。巨大化した組織の現業部門の協業を促進する手段です。

     ・予見可能、単純で安定した環境であり、規模の経済があまり効力を発揮しない業務の場合適している。(企業組織では現業部門に規模の経済の影響が大きく働く場合、この組織は非効率になる可能性がある)

     専門家組織と同様に高度に統合されてはいない擬似的自治体の集団と、中央的な管理組織の組みあわせである。専門家組織の場合、擬似的自治を有しているのは「個人」であるがここでは「ミドル」である。中央が「本部」、ミドルが「部門」と呼ばれる。

     他の類型との重要な違いは、これ自体トップから現業まで拡がる完全な組織ではなく、独自の組織を有している各部門の上に覆いかぶさるように配置されることである。
     企業の場合、部門は各市場ごとに設定され、それぞれの部門がその市場で活動するのに必要な機能をそれぞれ有する。

     つまり、テンプラー、あるいはサークル・オヴ・メイジャイという組織は、このチャントリー組織という多角的組織の中に組み込まれた「部門」であると見ることができます。

     テンプラーのような警察機能だけではなく、チャントリーは当然ながら一番大事な祈祷機能、さらに布教活動機能も有していますし、チャリティーなどの狭義の救済(サルヴェーション)機能もあるはずです。医療衛生部門なんかもあんのかなー。
     さらにサークル・タワーまでもその統治下です。
     各地域のチャントリー組織を束ねるのがオーレイの総本山、グランド・カシードラルですし、また当然、シーカーなどの特殊任務を帯びた「管理スタッフ」が「本部」に必要になります。あるいは組織図には決して載らないでしょうが、シスター・ナイチンゲールのような非合法活動班も「本部」の一員としてあるでしょう。

     チャントリーこそセダス大陸の最大規模の組織であるといえるわけです。ただし、官僚組織と同様、「予見可能、単純で安定した環境」でこそ効果を発揮しますが、激動期には果たしてどうなのでしょうか。GM? 日立? 三菱重工? 
     それともカソリック教会?

     テヴィンター帝国について、作中ではあまり詳細触れられていないが、官僚組織か、あるいはこの多角的組織かもしれない。奴隷商売とかやばいことにも手を染めているし、そもそもクナリ同様の軍事国家だ。

    Adhocracy
    サーベラス(コウタリ、カルタ・・・)

    Mintzberg_8

     アドホックというのは、例のPSP通信でゲーマーにはもう良く知られた言葉になったんですかね。アドホクラシーも文字どおり「その場しのぎの場当たり的な組織」のことです。

     今ではプロジェクトワイズなんて良くいいますかね。プロジェクトXとか。英語だとプロジェクトはあまり言わず、イニシャチヴ。日本語のプロジェクトと似たような意味です。

     アドホック。私なんかが思い出すのは第二次大戦の英軍ですね。ノルマンディー上陸作戦などでは一体どの部隊の具体的にどの戦力が無事上陸できるか予測できません。出たとこ勝負。
     でも部隊が一部欠けているからといって、敵は目の前。戦闘行動を取らないわけにはいかない。そこでそこら辺の部隊が現場で急場しのぎでかき集められ、指揮官を決めてアドホック・チームが作られる。
     戦闘組織の場合、組織とはいわず戦闘序列(オーダー・オヴ・バトル、OOB)と言いますが、それをとりあえず無視して、近くの味方で当面の布陣を形成する。実はそれより前に、英軍は北アフリカの砂漠でも車両故障や砂嵐のため音信不通で行方不明になる部隊が続出して似たようなことをやっています。
     現代の先進的な陸軍はその編成自体がアドホックを必要としないくらい小さく自立したユニットの集団になってるようです。
     余談が長いね。

     非常に有機的な組織であり、
    ・公式な行動規範がほとんどない
    ・公式の訓練に基づく業務特化
    ・人材管理目的のため専門家は機能別組織で管理する傾向があるが、実際に配置される場合は、市場に特化した小規模のプロジェクトチーム単位となる。
    (つまりシステム開発を例にとれば、インフラ屋、ネットワーク屋、DB屋、アプリ屋という機能別組織に各人の本拠地がひもづけられている(日本語では背番号管理という)が、それぞれの本拠地からプロジェクトの要請に応じて送りこまれ、コンパクトなユニットのチームを作るって意味)
    ・チーム内外の相互調整のため、主要な協業メカ二ズムである組織間連絡調整機能に頼る。

     革新的な組織は標準化された協業関係に頼るわけにはいかない。すでに高度な訓練を受けている専門家を雇い、各人に権限を与えるにはアドホクラシーが最も向いていると考えられる。
     アドホクラシーでは(機能、統合、プロジェクト管理などを司る)マネージャーが重要。各チームは内部意思疎通を保つため小さくなければならず、各チームには指名されたリーダーが必要であるから、プロジェクトマネージャーの数はとても多い。マネージャーもまたチーム内のある機能を担う一員(プレイング・マネージャー)であり、チーム内の協業を効果的に促進する責務も負う。直接的管理と公式権限の意味は縮小し、ラインとスタッフ間の区別もある程度までは喪われる。

     サーベラスと書きましたが、上のプロジェクト・チームの説明には、もっとずっとピッタリくるチームがございました。

     ホークとコンパニオンのパーティー。
     シェパードのスコード。

     ただこれらはチーム単体の話だ。組織の場合はこうしたチームが沢山存在する形を考える。

     ミンツバーグは企業経営組織の研究をしていたのであって、組織犯罪、あるいはテロリスト組織のことは考慮の対象に入れていない。でも、説明できそうな気がします。

     サーベラスの組織は、全体の安全のためイルーシヴ・マンですら全貌を把握できないようになっている。テロリスト組織のように数多くの「細胞」(セル)が、組織の全貌も知らず、互いの存在を知らずに活動をしており、他チームやリエゾン(連絡係)との連絡の方法も定まっていない(そんなものを定めたら組織の中心がばれるので、イルーシヴ・マンの居所がばれる恐れもある)

     トカゲの尻尾きりを容易にするような仕組みだが、そもそも尻尾が何本あるか、それが尻尾なのかどうかすら誰にも把握できないようになっている。どっちかってとヒトデとかの再生能力が近いかな。

     サーベラスは全体が無数のプロジェクト・チームの巨大集合体であって、その間には多角的組織のような意味のある階層も系統も存在しない。ツリー(樹木型)構造に対してリゾーム(地下茎、根茎型)構造なんて概念が一時期はやりましたが、まさにそんな感じだ。
     樹木は幹をぶった切ればとりあえず当面の活動がほぼ全面的に停止する。芝生は(地下茎ではなく匍匐茎だそうだが)どこを踏んでもそこが破損するだけで全体に影響が広がらない。中心も周辺もない。
     旧来型のヒエラルキー(ツリー型)・ネットワークを有する情報システムとインターネット型のネットワークの違い。ヒエラルキー型は一箇所に打撃を受けるとそこから下位が全て終わる。場合によっては上位も損傷するでしょう。インターネット型であれば打撃を受けたその部位のみ損傷するだけで全体への影響は軽微に抑えることができる。

     そんなものがどうして組織の体をなしているのか、というとテロリスト組織と一緒だ。資金源の管理。お金の出し入れ。
     資金の配賦(利潤の回収)も中心が(あるとして)解明できないように巧妙に迂回を多用して行う。ロンダリングってやつすね。 

     同じように、コウタリ、カルタなどの犯罪組織もサーベラスほどではないが、組織の全貌を外から隠そうとするでしょう。アンティヴァン・クロウは前述のようにこっちじゃなく専門家集団かな。
     そして各細胞にはリーダー(プロマネ)が必要となる。連絡の方法は組織だっているように見えてはいけないが、他の細胞との連絡方法はある。

     ちょっち最後のアドホックが説明不足かと思うけど、我ながらかなり良くフィットしていると思う。

     ミンツバーグのgenericセオリーはDAやMEの世界でも成立しそうだ(人間が考えてるんだから、あたりまえだっつの)。 

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