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2011年8月22日 (月)

【DA2】レガシー(感想など)

 Dragon Age IIのプレイスルー記事です。ネタバレ注意。
 本文は「続きを読む」の下。









 これだけ書いてまだ感想あんのかい?
 確かに途中で色々感想らしきものは書いてきた。

 全般的なことは、フォーラムなどでも語りつくされていますが、DA2よりは進歩していると好評なのは私も同意見。
 細かいところで既に述べた不平不満を除けば、古き良きダンジョン・クロウラーの世界に回帰しているのは嬉しい。
 ダンジョン自体を使ったパズルはとても愉しい。
 分岐はもうちょっち込み合っているともっとよかったが嬉しい。
 隠れボスには正直腹たったが、それは褒め言葉とも言える。
 時間差湧きはなくなったわけではなくて、湧き方に工夫がされている。
 モブはちょっち単調かな。新人ジェンロック・アルファに頼りすぎだが、DA2本体のダークスポーンに比べれば充実しましたね。ディープストーカー、ブロントも懐かしかった。
 コリちゃんとのボス戦も古き良きDnDゲームのオーラスに近い味わいでよい。
 サイドクエストはもうちょっち入り組んでいてもよかったが、ないよりまし。
 コンパニオンのセリフはキャラによって多寡あるが、水準は落ちていない。
 
 マップは基本全部新作。使いまわしも最小限。雰囲気はまずまず。

 分量については、GameSpotが2時間ものと言っているが、プロットだけ追いかけた場合の話でしょう。てきぱき進めたって4時間くらいかかるんじゃないの? 私はたしか初回6から7時間かかった。

 その点でも、Fallout New Vegasで、そしてトッド・ハワード氏に言わせるとSkyrimでもBethesdaが指向する「総数を抑えてもひとつひとつが十分長いストーリーメインのDLC展開」という線に合致している。私もこれからはそれが正解だと思う。
 もちろんセバスチャンDLCよりも十分長い。

 OriginsのDLCでは「ストーン・プリズナー」が実は名作だと思っているが、予約特典と中古・レンタルつぶしの目的であったため、実際にはプレイ時間は(前後編あわせても)2時間もなかったのが不満であった。もっとずっと膨らませることのできるプロットだったのに。その他のDLCも2時間を超えるものはなかった。

 というふうに、外見的、形式的な面ではOKなDLCだと思う。

 コンテンツ面では、良く批判される点として「結局ホーク家の家族の絆がイマイチわからない」、「本編とさっぱり融合しない」などがある。確かにグレイ・ウォーデンのレガシーに話が寄っているので、ホーク家のレガシーの話は前景から後退してしまったかな。
 まあ、でも、ぶっちゃけひとんち(!)の家族の話だからな。
 リアンドラの家族に対するどちらかというと「盲目的な愛」は、だってそうなんだから仕方ねえべ。
 そういうベタベタな(両親たちの)恋愛譚、家族もの、メロドラマなんだから、いいじゃん。
 家族愛を含めた「愛」は普遍的な「美徳」じゃないからね。関係者だけのものだから。他人がとやかく言ってはいけません。

 だが、グレイ・ウォーデンのほうのプロットはちょっち考察をしてみたい。

 レガシーでは、グレイ・ウォーデンについて、ふたつの点が強調されている。

 まず、Originsでは(物語としてのミステリー性を最後まで温存するため)漠然とさわりしか語られていなかった、グレイ・ウォーデンの背負うカルマについて強調されていること。

 ジョイニングからだいたい三十年を経ると、ブライトの汚染を受けた者だけに聴こえる呼び声(歌のようにも聞こえるらしい)に抗うことが難しくなる。最後は結局、白バイ警官(ウォーデン)も暴走族(ダークスポーン)も一緒になる。自発的にコーリングの儀式を経て、あるいは自分でも気がつかないうちにディープロードを彷徨うことになる。そしてラライアスのようにダークスポーンからも敵として識別されなくなってしまう。
 これはウォーデンを「不老不死、無敵のヴァンパイア」にしないための歯止めなんでしょう。大きな力(ブライトへのインミュニティ)を獲得したら喪うものも大きいということ。

 確かにテンプラー・ナイツも、なれの果てはレリウム中毒になってしまうというケースがDAではよく描かれている。だが、ジョイニングの時点で予め余命が数えられてしまうことに比べればどうだろう。しかもテンプラーは皆が皆中毒になるわけでもない。

 もうひとつは、グレイ・ウォーデンという組織にとって「ブライト征伐」だけが目的であることの悪い面をことさら強調していること。
 どこかの綱領もない政党ではないが、ウォーデン綱領があったとしても「打倒アーチディーモン」しか書いていないはず。あ、組織共通のモットーはあるね。つか明文化されているのって次のこれだけかな。

 In War, Victory. In Peace, Vigilance. In Death, Sacrifice.
 
 その他はなーんも決まっていない。テンプラーのガッチガチの官僚組織に比べてみるとわかるが、各地域にウォーデン・コマンダーこそいるけど、あとはとってもルーズな組織だ。だからといって規律が緩いわけでもないところがこの組織の妙。

 フェラルデンのウォーデンから脱走したアンダースが、いつかウォーデンたちが捕まえにくるんじゃないかとびくびくしているが、出会ったウォーデンたちはストラウド、アリスター、ナサニエル、誰一人そのことを全然気にもしていない。むしろOBであるアンダースの頼みを受けてべサニー・カーヴァーをリクルートしちゃうくらいだ。(そのふたりだって、あそこに脱走者がいますとは言わない)
 Originsでリオーダンが言うように、「脱走なんて意味がない。どの道呼び声に耐えられなくなってディープロードに戻らざるを得ない」から、そもそも脱走者という発想がない。

 ルーズなのに高い規律を守っている組織であり、レガシーには良い点も出てくる。ラライアスの呼びかけに対して、ジャネカにくっついていた三人のウォーデンがぞろぞろと寝返ってくるのが好例。組織(シニア・ウォーデンの命令)なんぞよりウォーデン個々人の判断が優先するのだ。

 ところが一方でそれと釣り合わないくらい悪い点もある。「ブライト討伐」のためには手段を選ばない点だ。
 ブラッド・マジックであっても役に立つならどんどん使う。魏の丞相曹操のように「ただ才のみ挙げよ」という発想が善悪(すなわち徳)の規範を超える。
 現に、マルコムがコリフェウス監獄の強度を維持するために強要されたのはブラッド・マジックであるし、ジャネカがコリフェウスをブライト討伐に利用するという(植えつけられたらしい)発想をすんなり受け入れたのもそれが理由だ。毒をもって毒を制す。 

 こういう組織として容易に想起されるのが宗教・思想の原理主義だ。ドグマ(教義)が組織内外の個人の福祉・安全に優先するので、とっても怖いときがある。

(チャントリー・テンプラーだって原理主義じゃないですか? いや、DA2ではガッチガッチの官僚組織のおかげで暴挙が食い止められる可能性も示唆されている。あのメイジ全部トランクィル計画がそうだし、シーカーは親衛隊というより、いわば組織内務班(軍隊なら憲兵)的な役割も担っているはずなので牽制機能はある。
 そもそもトップであるザ・ディヴァインになるためには、各候補者の醜い足の引っ張り合いという権力闘争が必ずあり、それ自体も牽制機能の役割を果たしている。合衆国大統領選挙を見ればわかるかもしれない。少なくとも、あれだけ長い選挙戦を経てカン・チョクトのようなほぼ狂人に近い人物が選ばれる可能性は非常に少ないはずだ。
 カークウォールのメリディスの暴走はヴァイカウントの宥和主義が招いたと見るべきでしょう。もちろん全ての官僚組織はいずれ腐敗するのは間違いないのですが、ドグマに向かって突っ走るというのとは少し違うかな。結局最後まで彼女に付き従ったテンプラーは皆無だったわけだし、発狂した彼女は純粋レリウムの悪しき影響下にあったといえる)

 レガシーで語られる古のグレイ・ウォーデンたちも、当初はダークスポーンの研究目的のためコリフェウスの幽閉を考えていたりするので、結果的には褒められたものではない。

 例えば、Mass Effect 2のサーベラスが「目的が手段を合理化する」行動規範、コンシークエンシャリズム(Consequentialism、帰結主義)というのだそうだが、それを有している組織だった。

 普通の神経のシェパード(すなわちMEプレイヤー)なら誰であっても、「サーベラス胡散臭すぎ、イルーシヴ・マン怪しすぎ、ミランダ調子ぶっこきすぎ」と感じ、最後には訣別の道をすんなり選ぶのではないだろうか。
 だが、普通の神経のグレイ・ウォーデン(すなわちDAプレイヤー)はなんとなく「全体善」のため、「正義」のために戦っているから仕方ないと割り切って、多少のグレイゾーンには目をつぶろうとするのではないかな。どう?

 レガシーでは、上述のカルマと、帰結主義という二つの点を強調することで、グレイ・ウォーデンという組織が決してわかりやすい「善」とか「正義」を体現しているわけではないことがよりはっきりと示される。
 それが、プレイの後になにか鬱屈した感覚が残ってしまう原因ともなっているのだと思うし、書き手は意図的にそう誘導しているとも思う。
 コリちゃんが最後にラライアス・ジャネカに憑依したかどうかとは一切関係なく、例えそうでなくても、レガシーの物語は「マジスターぬっころしたぜ、いぇい!」では終わらないと思う。

 「所詮正義などこの世にない」というのは簡単だし、真実かもしれない。
 いまどき、中学生でもうそぶくかもしれない。私に言わせれば「クソして寝ろ」だが。
 だけど、「真剣に考えても考えなくても一緒、であれば考えても徒労・無駄だからやめたほうがいい」という発想こそ、帰結主義そのものなんですけどね。

 
 

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