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2011年7月29日 (金)

小松左京さん(訃報)

 キングの新作が「首都消失」とモチーフ一緒じゃん、と書いたのが先日。

 小松左京さんがお亡くなりになられた。合掌。

 「日本沈没」、せいぜい「復活の日」くらいしか知らない一般ピープルと違って、物心ついた頃からサイファイにかぶれて(テイント(笑)?)しまった呪われたこの身ですから、当然お気に入りは「日本アパッチ族」であり、活発に書かれていた頃の短編集であり。

 ご本人は一生関西から離れなかった理由を「東京に出ると作家先生になっちゃうからな」と言われていたそうですが、好むと好まざるとに係わらず、「日本沈没」で「先生」にされちゃったんだろうなと思います。
 なにかってと「日本沈没」の小松左京「先生」と言われて窮屈そうだったもの。

 あれだけの大作の題名だけパクッて「日本以外全部沈没」とやっちゃった筒井先生もずるいけどね(笑)。

 当時で400万部も売れたのか。
 そらそうだね。小学校、中学校、高校、街の図書館。どこに行ったってあの本があった。子供心に新書版の本は「おとなのいけない香り」がしていたのだが、わかった振りしてこっそり読んでたんだよな。
 なーんも理解できなかった。
 「仁徳天皇陵」(と当時は呼ばれていた)だけが海面に浮いているシーンが強烈な記憶に残りましたけど。

 「日本沈没」がサイファイと呼べるかどうかは別にして、これはサイファイ全般に言えることだけど、発想が時代に追いつかれる危険が常にありますね・・・。結局最後はシミュレーション小説方面に行ってしまうのは、わかる気がする。シミュレーション小説のほうが簡単だし、話題性も反響も確実ですからね。

 星新一がけもの道を切り開き、小松左京が舗装したところに、筒井康隆がスポーツカーで乗り付けてきた。よく言われたものですが、彼ら(を含めた当時の日本のSF作家の)それぞれのエッセイを読むと、とてもそんなわかりやすい世界ではなかったようです。 

 和製サイファイは、よきにつけ悪しきにつけ「ホラ話」、「与太話」からスタートした。決して儲かるジャンルではなく、ニッチもニッチだった。仕事ならなんでもやった、円谷プロの特撮ものの脚本を輪番で書くアルバイトまでやったという話もあった。それこそアパッチ族ではないが、下流も下流の扱い。落語に対して漫才などの演芸が「いろもの」であるように、「主流」ではぜんぜんなかった。大衆文学の「主流」は、当時は時代劇とか歴史ものとかそっち方面。

 SFというブランドが人口に膾炙したのも、彼らが冗談で「士農工商SF作家」とやらかしたからもある。そういう極めてたちの悪い冗談を連発したのも、もともと間口の狭いサイファイの世界を、キライな人はとことんキライという閉鎖的な世界にしてしまったということもある。

 「アポロ芸者」ってのもすごかったな(笑)。アポロ11号の月面着陸時には、それまで日の目を見なかったSF作家たちがテレビ各局に駆りだされ(つまり「お座敷がかかり」(笑))、奴隷のようにこき使われたという逸話。過労で倒れるなら、面白いからスタジオで倒れてくれ、とか。

 和製の独自路線を規定してしまったということの功罪は色々あるだろうが、昨今の和製コミック、アニメの隆盛を見ると、むしろ日本的にはバッチリの路線だったのかもしれない。わけのわからんシュールな状況を、クソまじめな疑似科学理論でこじつける。日本人の二面性に起因するんでしょう。オタクのオタクたるゆえんでもある。

 小松左京さんも、そもそも漫画家志望だったはずだしね。

 やはり世間では「日本沈没」がどうのこうの。神戸、三陸の震災がどうのこうの。
 その程度しか知らないくせに、偉そうに能書き垂れてる、語ってる。

 そういう輩を密かに哂うスノッブな愉しみ。サイファイ・ファンの醍醐味だな(笑)。

 ああ、私もやがてはThe Callingで、ダークスポーンならぬ、サイファイの呼び声に惹かれて、サイファイのディープロードの奥底に舞い戻っていくんだろうなあ・・・。
(それ、時間を気にせずに、ただ目一杯サイファイ読みたいだけちゃうん?)

 

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コメント

 そう言えばSFってマイナーだったなあ、と思い起こしたり。
 今でもジャンルとしてはマイナーですか?でも今はもう、現実社会の方が小松先生や星先生当時のSFに近づいて来てしまいました。
 テレビ電話で会話し(広く普及しないのはみんな電話で相手の顔なんか見たくないからであって、技術的には余裕)、放射能予報がTVで流れ、酸の雨がウド、じゃなかった大阪の街に降り、科学者がキメラ細胞を作っている、そんな21世紀。
 日本沈没、新書版がうちの家にもありました。最初から新書版だったのかな。

 最初が書き下ろしで、(今でいう)新書版ですね。どこだっけ、カッパ・ノベルズ(光文社)か。最初から一般小説扱いで売るつもりだったようです。当時は(サラリーマンのおっさんたちが普通に買えるように)そうでないとあそこまで売れなかったでしょう。

>今でもジャンルとしてはマイナーですか?

 死んでますね。少なくとも「死んだ」説はありますね。"dying"位は言っていいかも。伊藤典夫さんという翻訳家・評論家に言わせれば、「ある種のSFは腐る。賞味期限がある」そうですが、ジャンル全体が結構賞味期限切れの恐れはあります。

 私は日本の場合は「SFは初心者には敷居が高い。まず入り口はこれから読め、これしか読むな」という、傲慢な態度の評論・紹介にも責任があると思うな。人から教わってばかりで本が楽しめるわけがない。

 でも、「なにがSFか」ってのがハッキリしないから死亡証明ができないかも(笑)。
 そりゃ、「トランスフォーマー」もSFだ!といわれてしまえばねえ・・・。生き残ってるわけだしね。


 

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