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2011年7月21日 (木)

Fallout: New Vegas DLC "Old World Blues"

 前記事でちょっと考えたのは、「そういう割には最近の小説なんて、昔に比べたらどんどん長くなっていってるような気がするんだけど、それは本当? 本当なら、なぜ?」という点。

 ラノベとかあまり読まないので現状知らないですが、やっぱゲーム同様に「コア層」と「カジュアル層」で棲み分けが成立しちゃったのですかね。
 驚くことにもう小説は一部を除くと100万部なんて売れないんだね。そういう意味では読書層自体が縮小しつつあるのか。

 別に「最近の傾向」というわけではないだろうが、見た目分厚くて、あまりに長くて、とても読み始めることができない新刊の在庫がふたつあります。

 まずスティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」。

 誰でも気が付く(あー、サイファイ・ファンならか)ように、小松左京さんの「首都消失」と似たようなモチーフ。確か元々「物体O」かなんか題名。「首都消失」は映画にもなったが、名取裕子さんが若かりし頃(今にもまして)どんだけ綺麗だったかわかるだけで、中身は誰もぴんとこなかった作品。今回の震災の「予言」というのはちょっといいすぎかな。でもシミュレーション小説だから震災後日本に似てくるのは当然。大阪を副首都になんて、当然のように出てくるネタ。
 でも、「首都消失」を読み直す気は起きない。もう事実が小説を超えちゃったから。

 キングの作品は本国では2009年の刊行なので最新ではない。

 もうひとつはディレイニーの「ダールグレン」。こっちのオリジナル刊行はずっと昔で1980年代かな? 中身は彼特有の言語SFだそうだし、サイファイは数売れないし、びびって今まで誰も訳さなかったのかな。
 国書刊行会はこういう商売上チャレンジングな作品を拾ってくれるのでこれからも期待大(いや、もう刊行第三期に突入しているから実は意外にも商売成り立ってるんだろう)。次にはラファティの新訳も出るそうだし。何千円でも払うぜ!
 (「ダールグレン」は上下巻で7000円くらいするので、まずざっと立ち読みをお奨めします(笑))

 やっぱ、こういう書籍が平気で刊行されるようになるということは、少なくとも一部には「できるだけ長い奴!」を求める層がいるって解釈できるんだと思うけど・・・。

**********

 さて、Fallout: New Vegasの三発目DLC、 "Old World Blues"。
 10時間近くかかってもまだクリアしてません(笑)。

 だからネタバレもあまりないって言えばないけど、念のため「続きを読む」の下。

 自分でも偶然に驚きますけど、"Old World Blues"も「ドーム」のお話である。
 そして古き良き時代のサイファイへの挽歌でもある。

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 "Old World"というのは、Fallout の世界における核戦争勃発前の意味が当然あるが、もうひとつ、(こっちの、私たちのいる時空軸の)1980年代よりもっと前のサイエンス・フィクションの時代を懐古する、今はもうない「古き良きサイファイ」へ捧げるエレジー、挽歌ってことだ。

 (そしてVaultによれば、New Vegas本編の趣向を踏襲して、この題名もある歌に由来している。文末に記載)

 ちなみにブルースには挽歌の意味はない。通常はただ単にブルース進行のことを言う。だがその言葉がコノートするのは、やっぱ原初の黒人音楽であり、テーマが挽歌とか、せつなさ、わびしさなのは間違いない。「ブルー」な気分を醸し出せればOKということでしょう。
 ブルース進行じゃないのに曲名に「ブルース」がついてたって皆あまり気にしない。つか日本の歌の場合はブルース進行じゃないほうが多かったり?!

 さて、その古き良きサイファイ時代のイメージですが。

 いや、これって通じるのか? 若い子に通じるのか?

 まず、このサイエンティストたち。

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 Fallout 3のサイエンティストたちみたいにマジメで、常識人で、家族も愛して・・・、とか全然ない。
 いや、かつてはそうだったらしいが、少なくともクーリエ(主人公)に出会う時点では、もう人格破綻する一歩手前か、破綻している。
 みんな例外なしにオフ・ビートなんです。
 マッド・サイエンティストが出てくるんだが、どうみても他のサイエンティスト連中も紙一重。

 ラファティの小説をご存知なら、あそこに出てくるサイエンティストの集団を思い出すかもしれない。あれもまた、かつての「科学万能主義、進歩絶対主義」時代の傲慢なサイエンティストたち(もっというとそれを礼賛していた人類)に対する手厳しい批判、揶揄なんですけどね。そういう視点は似ている。

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 「全人類の平和・・・」ではなく、Falloutはすでに中共がもうひとつのスーパーパワーになってる話ですから、「自由世界の」、あるいは「アメリカ合衆国の」発展と生き残りのため、ビッグ・マウンテンなる土地に天才科学者を集め、一大研究開発拠点を建設したんだそうだ。

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 その中心となるのが、この石造りの巨大ドームに常駐する「シンク・タンク(Think Tank)」。
 「ここで解けない問題はなく、答えられない質問はない」と期待されたという・・・。 

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 研究対象のテクノロジーも、古き良きサイファイらしくチープだ。音波射出機(ソニック・エミッター)、宇宙時代の合金、DNA融合(組み換えじゃないよ)、フォース・フィールド(まあ、バリアです)、自動治療機(オート・ドック)・・・。

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 中共との「大戦争」によって核エネルギーがもたらされ、ビッグ・マウンテンのサイエンティストたちも、ただ戦争に勝利するため、核の研究に多くの時間を費やした。当初は貢献もなされていたが、戦争が長く続くにつれ、やがて解くべき問題は手に負えないほど増大していく。

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 2077年に発生した事態により、ビッグ・マウンテンはすべての活動を中止することを余儀なくされる。
 ドームが石造りってのが味噌だ。どんな事情かは類推しておくれ。諸般の事情により画像は貼れない。
 創設者たちも次第に死に絶え、今や「ビッグ・エンプティー」と呼ばれるようになったこの地域の中心に残るドーム施設には、数多くの驚異的発明が手付かずのまま眠りについていた・・・。

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 「誤った問い」への答えである、数多くの驚異的発明が。

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 で、いつもどおりにラジオの放送かなんかにひきつけられてこの地を訪れた主人公クーリエといえば・・・。

 うわ、いきなりかよ・・・。
 クーリエは奇妙に体が重いことに気が付く。頭、背中、胸に外科手術の後が・・・。

 うーん。

 火星の大元帥閣下カーターだよなあ。

 うろ覚えだが、たしかカーター自身ではないけど、主要登場人物の誰かも身体的に改造されちゃったとかあったなあ・・・。肉体と人格(頭脳か)をスワップされるってのもあった。
 チープなサイファイでは、あまりに陳腐なほど使いまわされた、改造もの、肉体改変もの。

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 ああ、やっぱ術後のクランケ扱い。患者用のガウンに着替えさせられちゃってるよ。
だったらついでにレンジャーの帽子も脱がせておけばいいのに(笑)。

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 Steamデフォルトのスクショなんで、いまいち映りが悪いけど、ビッグ・マウンテン内部はなかなか凝った造形。

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 そして、ここがThe Sink。意味は「隠れ家」でしょうね。かつてはとあるサイエンティストが居住していたが、当面クーリエの居場所になる。

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 なんだこれ?! ミニチュアのセキュリトロン。自家製パロディか。
 顔がコーヒーカップ。とある事情でまだ口が利けない状態だが、この時点で、なるほどと気が付き、今後に出会うマグカップをガンガン収集したった。重くてしょうがないんだ!

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 天才科学者のなれの果て。

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 悪の天才科学者のなれの果て。

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 こんな、日本のネットで見かけるような顔文字で喋る(喋らざるを得ない)科学者も。
 だがこの画像で重要なのは、囲みのほう。

 クーリエってば、脳みそどこかにもってかれちゃったんだって。最新式の人工頭脳で置換されてるから前よりつおい!
 いや、そんなのどうでもいいから、脳みそ返せ!

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 とある科学者の説明によると、頭脳交換の手術にしくじったらしく、心臓にも問題が発生。ついでに心臓も人工心臓に取り替えといたから。

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 であれば当然、脊髄もだめでしょうなあ。うんうん、科学的だね(どこが!)
 人工脊髄に変換されている。いっぱいボーナスもらっても、うれしくない。返してくれ・・・。

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 不幸中の幸い。心臓と脊髄はしっかり保管されていて一安心。 

 だが頭脳は? 頭脳は誰かにどこかへもってかれちゃったそうだ。
 取り返すまでこのDLCは終わらないってこと?
 元通りに戻れるんでしょうね?

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 しょうがないから、サイエンティストたちに命じられるまま、クエストをこなす。
 ビッグ・マウンテン内部。なかなかの光景ではある。

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 やっかいな敵のひとつ。中身の人間はとっくに死んでお骨になっているのに、ずっと作動を続けるトラウマ・オーヴァーライド(外傷克服)ハーネス・スーツ。

 着用者が負傷しても治療・手術をさっさと行い、あげく中の人が行動不能になったら陣地までスーツが勝手に歩行して戻ってくるのだ。しかも自律的に射撃・防御もそつなくこなす。ところが設計者は中の人が死亡した場合のルーチンを組み込むのを忘れていたらしい。だから動力源がもつ限り、お骨の入ったこのスーツはずーっと徘徊し続けて見慣れない侵入者に対し攻撃をしかけてくる。

 だったら中の人はそもそもなんで必要なの?というギャグ。

 ま、サイファイ版ゾンビ?

 こういう自動治療機能付きコンバット・スーツの発想、今では陳腐でしょうけど、やっぱホールドマンの「終わりなき戦い」。あれは気持ち悪かったな・・・。モチーフがベトナム戦争(著者が従軍している)だからとりわけ。それ以外の部分でもやるせなさだけが残る。

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 例の文字列あてパズルは、ほとんどやる必要がないので安心した。本編では百回近くやらされるから、タイム・コンジューミングで辟易するよなあ・・・。
 色んなところからテープ(モジュール)を回収するのがメインのお仕事。

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 上の記載は、SIT、STAY、KILL。

 (*^-^)。

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 噂のメカサソリ。最初は大したことないじゃんと思っていたが、あまりの数に今では全部相手してはいけないと感じ始めている。

 画像ではわかりにくいが、最新式(ビッグ・マウンテンではね)のステルス・スーツを入手しているので、そいつで隠密裏に進めってことかな。

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 そのステルス・スーツのコンピューターが女性の声で喋る喋る。
「ピップボーイの照明消さないと、いくら隠れていても丸見えよー」とか。
 お前のほうがよっぽどうるさいんじゃい!(笑)

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 お喋りなのはステルス・スーツに限らない。テープ(モジュール)を探してインストールすると、お喋り開始!

 すげえ可愛いんじゃないかと期待したマグカップ顔のプチ・セキュリトロン。

 おっさん声であった。しかもかなり頭のおかしいおっさん。むー。 

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 植物栽培研究用システムも喋る。オート・ドックも喋る、ジュークボックスも、照明だって喋るし女声二名(二体?)で「あの、ビッチ!」とか罵りあう。

 画像をすっかり撮りそこなってくやしいが、トースターも喋る。

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 あまりに悔しかったので追加でアップ。
 これは、かの有名なサイファイ作家ディッシュの名作、「いさましいちびのトースター」へのオマージュであろう。
 実際は「やかましいサイコのトースター」だが。

 そういえば、キティちゃんならぬテディ・ベアーが大好き!な女性科学者。これもかの「くたばれスネイクス!」のパロディと見るのは勘ぐりすぎ? ホーカーなるテディ・ベアそっくりのエイリアンたちが、地球人の悪いところばかり真似して困った状況を作り出すというアンダーソンとディクスンの共作「地球人のお荷物」シリーズ。

 メカサソリではなく、巨大サソリは本編から登場しているが、ゼラズニイの「地獄のハイウェイ」。ここまで言うとこじつけだな。

 他にもネタは色々ある。なんつうか、こういうチープなサイファイ世界は、私は苦笑して面白がってる口だけど、あまりに受けを狙う対象が狭い気がするんだよね。
 Falloutのシリーズでも最も間口の狭いマニアックなサイファイものになるのではないだろうか。

 それと、これまでのNew Vegasの世界のルーズエンド、なんとなくしっくりこなかった部分の辻褄をあわせようとしているエピソードもいくつか出てくる。本編や以前のDLCに登場するテクノロジー系はだいたいここから流出してしまったということになっている。
 では誰が流出させたのか。クーリエの前にも訪問者がいたというが、そいつが持ち出したのか。
 ここでまたしても「もうひとりのクーリエ」の物語を垣間見せてくれる。
 予告されている四発目、最後のDLCである"Lonesome Road"で「もうひとりのクーリエ」と出会い、すべての謎が解決するのかどうか。

 ゲーム自体はなかなかのハードコア。今のところメカサソリにどう対処するかで四苦八苦していますが、後半どうなりますことやら。

 あとね、K9000は売ったり、修理に使っちゃったりしちゃだめよ。
 今そこで泣いています。K9000がまだ手元にあった時点まで1時間くらい分巻き戻して遊び直さなければならなくなってしまった。

**********

 おっと、書き忘れた。
 前記事の「長々しい物語」がダメというなら、New Vegasの本編もDLCもだいたい全部ダメ。
 サイエンティストたちの話はむちゃくちゃ長い。ガイジンさんでもコメントで「話し始めたらコーヒーのお代わりを取りに行こう」というくらい長い。いやほんと。
 でもネイティヴのガイジンさんは画面を観ていなくても、コーヒーメイカーまでいったって音が聞こえてればいいだろう。こっちは結構集中してないと辛いものがある。字幕の手も借りないといけない。ほんと、導入部分の会話だけで正味1時間くらい喋ってんじゃないかな?

 10時間以上のゲームは辛抱できないのが「カジュアル」というなら、最初のここでへたってしまってもうダメでしょうね・・・。セリフを全部聴く必要はないとはいえ。

 会話の言い回し、コレキオリズム(colloquialism)もNew Vegasは結構難しい。Fable IIIのように、まるで源氏物語(素直にシェイクスピアか)の英語風なのはまあ諦めもつくが、New Vegasはスノッブぽくこじゃれた言い回しなんだよな・・・。さっとわからないと悔しいね(笑)。
 DAとかMEは(一部キャラを除けば)ごくごく素直な英語ですね。

**********

 さて、ここでFallout: New Vegas恒例の私の恥ずかしいエピソードを書いておこう。

 実は、このThe Sinkのコンピューターたちを再稼動させるということ自体がクエストなのだ。
 ところがコンプしない。
 絶対全部やったはずなのに。Sinkだけ残ってる?
 おっかしいなあ、Sinkのメイン・コンピューターは再稼動してんだけどなあ。

 The Sinkというこの施設そのものを再稼動するのかな? 

 死ぬほど(といっても小一時間くらい)探した。もしかしてモジュールを取り損なってるかと思って、メカサソリがうようよしているところも強行突破して探した。でも見つからない。
 Wikiもフォーラムもこっそり見たが、ガイジンさんたちもまだそこまで情報を収集していない。

 たしかにマップにはクエストのしるしが出てるんだよな・・・。でもそこにあるのは壁だけ。
 バグかなあ・・・。でもバグの情報もないなあ。と諦めかけて寝ようとしたとき。

 あ!

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 お前! シンクって、シンクかよ!

 ま、紛らわしいっ!(笑)

 本編でやらかした「九番アイアン」の恥ずかしい話を思い出した。
 表記が"9 Iron"。
 ご承知のとおり、Falloutの世界には、Iron(アイロン)もごろごろ転がっている。

 アイロンここのつも一体何に使うの、ってポイ。

 後にゴルフのドライヴァー(一番ウッドね)が登場して、ようやく気が付いた。

 紛らわしいんだよ(笑)。

 でもアイロンここのつなら、"9 Irons"だよねー。(Falloutの表記法ならIron 9)

 ま、あたしの英語力なんてそんなもの。

 でも、個人的にはこのオフ・ビートさがたまらなくいいんだよな。
 Obsidianも物語部分だけやってればいいのに。

 早く帰って続きやらなきゃ!

**********

 Vaultによれば、Old World Bluesには、"Mean Old World Blues"なる隠し意味があるそうだ。

 "Brave New World"(サイファイ小説、デストピア小説ですね)と対になるしゃれが元なのでしょうか。

 調べるとウォルター&クラプトンの曲に、"Mean Old World Blues"がある。超暗くなる歌詞だな・・・。オリジナルは別なアーティストの"Mean Old World"。

 対になるのが「すばらしい新世界」だとしたら・・・。

 「しょうもない旧世界」? 「やってらんない旧世界」?

 ウォルター&クラプトン版の歌詞は(オリジナルとは微妙に違うそうだが)、「好きな娘にすら相手にされず、せつなくてやってらんない、荷物まとめて、もうどこかに消えるか。だってお前は、なんとかって奴が好きなんだろ、どうしてそんなにつれなくできんだろうねえ?」って話だから。

 オリジナル見つけた。最初は上と似ていて、繰り返し部から「ふられたから飲んだくれて忘れるぜ。泣き出さないように笑ってるぜ。この胸の中誰にも知られたくねえもんな」。

 オリジナルは街から逃げ出さないんだな。

 であれば、「つれないこの世界」か。Oldは「あいも変わらない」ってことかな。

 ブルースの歌詞なんてそんなもんですね。 

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