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2011年6月 2日 (木)

【DA2】ゲイダー氏インタヴュー、ファンタジー・マガジン

 これはCRPGというよりは、TRPG寄りのサイトなのでしょうか。じゃなくてより広くファンタジー・ジャンル全般を扱っているのでしょうか。

 http://www.fantasy-magazine.com/new/new-nonfiction/feature-interview-dragon-age-ii-developers-david-gaider-heather-rabatich/

 冒頭では、DA2のようなスケールの物語をどうやって紡ぐのか、DA2は前作とどう異なるのかについて、デヴィッド・ゲイダー(BioWareのシニア・ライター)、ヒーサー・ラバティッチ(アソシエイト・プロデューサー、おそらくプロマネだわこの人)に聴いた、とある。なんでプロマネがくっついてきたか不明。インタヴューのオン・ザ・ジョブ・トレーニング?

 お気づきのとおり、このブログはCRPGの世界観、ストーリーテリングと、そこで語られる徳(正義、慈悲などの美徳だけではなく、傲慢などの悪徳を含む)、モラル、エシカル・ジレンマなどを中心にしております(ロマンスはちょっと除く(笑))。ヴォイス・アクティングはストーリーの重要な要素なので含む。
 グラフィック、コンバット・メカニズム、アニメーション、システム周りのすべてがヴィデオ・ゲームとして重要なのはわかっておりますが、ここでは専ら省略しています。

 よってゲイダー氏の部分は全訳しますが、ラバティッチ氏の部分はだいぶ抄訳です。
 知りたければ原文をお読み下さい。

 また先のgreywardens.comの「枠物語」についてのエッセイにも関係する部分がある。一体、なぜこのような手法を(結果論として必要があったかどうか疑わしいという意見もある中で)用いたのか、謎が解けるかもしれない。

**********

Q: DA2の開発が開始された頃についてお聴きします。前作で何がうまくいったか、なにを変更するべきか、どのような種類の物語にしようとしたのか、開発チームはどうやって決めたのでしょう?そうした初期のヴィジョンは開発の過程で大きく変更されていったのでしょうか?

A:ゲイダー氏(以下DG) Originsが完成した後、開発チームの分担ごとに、何がうまくいき、何がそうでなかったかについて検証するとても長い死体解剖(post-mortem)の過程を経た。DA2で何を変えたかったも含めてね。それからリリース後にファンとレヴュー両方からもらう沢山のフィードバックを考慮した。彼らから何が望まれていたのか、あるいは少なくともなにを改良するべきと考えているかをね。

ラビタッチ氏(以下HR)
 アート・チームのためにはグラフィック・エンジン、ゲームプレイ・チームのためにはコンバット・スタイルの改良が必要でした。厳しい時間の制約の中でプログラミングの変更は大変な作業でしたが、どうするべきかのヴィジョンは明確だったので、大規模RPGの経験を残しつつ、初心者にも馴染み易いものにするゴールに向かって邁進できたのです。

DG: そうしたリストが完成したら、あとはDA2のストーリーはどうあるべきかというヴィジョンを決めるだけの問題になる。それら変更される部分もストーリーに利用する形にしようとしたわけだ。そこは大部分リード・デザイナーのレイドロウ氏が司った。そしてそう、開発過程では相当な変更があった。私は、試行錯誤という意味での実験もせずに、オリーブの冠を被ったまま地位に安住しているのは間違いであると思っていたんだ。幸運なことにその轍は踏まずに済んだ。

Q: DA2は「枠物語」として語られます。この追加はどのようなインスピレーションによってもたらされたのか、またゲーム体験にどのように影響を与えるのでしょう?

DG: 「枠物語」はマイクのアイデアだ。元々は時間的により大きなスコープの物語を語りたいという要求のため思いつかれた発想だ。過去、我々の物語はX地点から始まり、終点までリニア(訳:ゲーム内時間的な意味で)に進んでいった。DA2ではより長い時間的流れをプレイすることになったので、プレイヤーがゲーム中でなした行動によって引き起こされる長期的な影響を、ゲームのエンディングで提示するのではなく、ゲームの途中で提示することができるようになった。また映画「ユージュアル・サスペクツ」のような「信頼性の疑わしいナレーター」を導入することで、物語の最後までナレーターが真実を語っているのかどうか不明という趣向を盛り込んだ。

Q: ヒーサー、アソシエイト・プロデューサーとはなにをする役割なのですか?

HR: 初期のゲームプランを考えるのです。こんな質問をたくさんします。求められる納期は? 投入可能な開発要員は? どれだけの行程を必要とするのか? それらの行程を動かすと誰に影響が及ぶのか? 相互に深く関与しあう各パートのリーダーたちと初期の段階で沢山のコミュニケーション(情報交換)とコラボレーション(協業)が必要となります。混沌の中で秩序を維持する、スケジュールの揺らぎを把握する。多少は強迫神経症(OCD)的な気持ちにならざるを得ませんね。

Q: デヴィッド、ライターとしてどんな本を読んできたのか教えてもらえませんか? お気に入りや、ヴィデオ・ゲーム・ライター、デザイナーとして最も影響を受けた小説・物語など。

DG: 若いときは沢山読んだね。一番最初は、C. S. ルイスの"The Lion, the Witch and the Wardrobe "(訳:いわゆる「ナルニア国物語」ですか)かな。自分にとってナルニアは常にノスタルジーを感じるところだね。そのあとはピアズ・アンソニイの"Magic of Xanth"(訳:「魔法の国ザンス」シリーズ)とかアン・マキャフリーの"Dragonriders of Pern"(訳:「パーンの竜騎士」シリーズ)、トールキンの"The Hobbit"(訳:.「ホビットの冒険」)のコミックが次にきて、ニール・ゲイマンの"Sandman"(訳:「サンドマン」)のコミックなどで物語の語り方の発想が変わったね。

Q: 次回作でお忙しいと思いますけど、遊ぶためにプレイする時間はありますか? 今遊んでいるのはどんなゲームでしょう?

HR: 一番最近は"Drakensang: The River of Time"ですね。でも、四六時中ずーっと地下に潜って薬草を摘んでいるわけじゃなくて(訳:これはまさにそういうゲームです(笑))、フィアンセと一緒に"Lord of The Rings Online "を遊んだり(訳:Turbine、フォー・ザ・ウェイ! いや自分では30時間くらいしか遊んだことないけど(笑))、"Titan Quest the Immortal Throne "も一緒にプレイしたりしてますよ(訳:Co-opあったんだ)。

DG: 職場でのライティングと自宅でのライティングがあるので、思ったほどプレイはできないんだよね。プレイするものは、分析的視点で遊ぶRPG(クリスマス休暇で遊んだ"Fallout: New Vegas "が最後だった。とても楽しめたよ)か、気分転換に遊ぶまったく異なる分野のものだね。今はパラドックスの"Victoria II "というストラテジー・ゲームを遊んでいる。(RPGとは)全く違うもんね。

Q: デヴィッド、BioWareで十年以上、RPG史上もっとも象徴的ないくつかのゲームの脚本を書かれてきました。Baldur’s Gate II、Knights of the Old Republic、Neverwinter Nights、そしてDragon Age。そこから一番学んだことはなんでしょう? またストーリーテリングの見地から、ゲーム・メディアが最も変化してきた部分はどこでしょう?

DG: ゲーム・メディアは、あっという間にずーっとシネマティック寄りになってきたね。功罪両方あると思う。物語を語るのと同じくらい、見せることができるようになったのはいいところ。 悪いところは、いきなり見せなければならなくなったので、イマジネーションに委ねる部分が減ってきていること・・・。でもそれは、多くの理由によって、もう抗えんのだよね。ラッダイト運動家なんて思わないでくれよ(訳:知らない人はWikiって)。テクノロジーの進む方向がそうであり、シネマティックを創造するコストは幸いにも安くなってきて、かつてテキストで表現していた部分から好きなだけシネマティックに移行できるようになったんだから。

 学んだこと? 自分が満足するためには、どれだけコンテンツを追加しても永久に足りないので、実際に入れたコンテンツが良ければそれで満足するほうがいい、ってことだね。"Baldur’s Gate II "が世に出る直前、ゲームからカットした部分や半煮えな部分のすべてについて、私たちがどれだけ不安に思っていたか覚えているよ。間違いなく皆から総スカンだろうと思ってたこともね。大局観てのは大事だね(Perspective is a good thing.)。

Q: ゲームはずっと「シネマティック」になったとおっしゃいましたよね。ヴィデオ・ゲームを論じる際に頻繁に用いられている用語ですが、明確な定義は難しいですね。ほとんどすべてのゲームがカットシーンを使っている中で、ゲームをシネマティックにするとはどういうことなのでしょう? "Mass Effect"、"Heavy Rain"、"Uncharted"などはすべて「まるで映画のような」と称される要素を持っていますが、ゲームがシネマティックであるというのはそれ以上の意味を含んでいるのでしょうか?

DG: 私の見方だが、シネマティックであることとは、イマジネーションに委ねる部分を残すのではなく、何が起きたか実際に見せることに他ならない。"Baldur’s Gate"を例にとれば・・・、自分のキャラクターを実際に見ることはできない。ちゃんとした顔すらないスクリーン上のちっちゃい姿だけだ。ときたま声優が喋るけど、プレイヤーが感じる感情はすべて、プレイヤーの解釈によるものだ。

 さてそうなると、ある種のゲームが、別な種類のゲームより勝っていると声高に叫んぶ人々がいることに気がつくだろう。ある人々は、シネマティックなゲームは、イマジネーションに委ねる部分を失っていると考え、他の人たちはシネマティックではないゲームにはとても身を入れたり、感情移入できないと考える。

 私は、その双方に利点があると考えているが、よりシネマティックなゲームは多くのカットシーンが必要となり、あらゆるものを見せるための努力も増していき(手を振ったり、何かの行動を示唆したりするのがとても難しくなっていく)、コンテンツを創造することがどんどんコスト高になっていく。RPGのように伝統的にコンテンツ量の多いゲームにとっては問題だが、そうした要素をゲーム環境にどう取り込むべきか、我々が経験を積んで行くにつれて、ストーリーテリング上の利点もあるだろう。例えばHeavy Rain やUnchartedなどで目にするものだ。

**********

 まだまだ続く。一旦きります。

 「枠物語」についてgreywardensのエッセイが批判しているのは、「映画の最後には真実が判明したはずの」映画「ユージュアル・サスペクツ」と異なり、DA2では「エンディングが終わってもこの物語が真実かどうかわからない」という点でした。
 BioWareのライター衆が「枠物語」を思いついたわけでもない、という点には安心しました。やっぱ、そこまで水準落ちてなかったのね。リード・デザイナーは上司であるから、ライター衆はその決定に逆らえません。

 ヒーサーが言っているゲームプランとは、ヴィデオ・ゲームそのもののプランではなく、アメフトなどでいう「ゲーム作り」のことでしょうね。そもそもなぜ最近プロマネが雇われたのか。
 BioWareが不慣れであった短くきつい納期に直面して、雇われたとみていいのか。
 納期に間に合ったという点では、その導入は成功したのかもしれない。 

 ゲイダーさんが読んでいた小説群は、中には絶版もあるものの、全部日本語で読めてしまうところがすごい。翻訳文化は、「少なくともかつては」隆盛を極めていたんだね。

 上記の最後の部分は、DA2批判についても触れています。

 ゲイダーさんはあまり他のゲームをプレイしないのかもしれませんが、ヴィデオ・ゲームでいうところの「シネマティック」は、「もうカットシーンすら陳腐だ」という意味に変質しつつあります。

 今のあちらのゲーム開発者たちは、パースペクティヴ(ファースト・パーソン)な視点で、カットシーンなどの中断・妨害の入らないものを「主流」とみなしている。Half-life 2、Dead Space、CoDなど多数ありますが、Heavy RainとUnchartedは厳密な意味で違いますね。

 Half-life 2、Dead Spaceはゲーム中プレイヤーの視点が一切動かない。カットシーンがあるとすれば、それは主人公が観ているヴィデオということに扱われるし、それも余り多用されない。Red Dead Redemptionも99%そう呼んでいいかもしれない。CoDはまだ背景設定などで多少カットシーン使ってるのかな。最新作は知らない。

 Mass Effect、Heavy Rain、Unchartedはみなカットシーンを用いているし、単なるサード・パーソンという意味ではなく、複数の登場人物(含む神)の視点を自在に操る三人称全知の場面があるから違う。この三作品の中ではMEがそういう手法を用いる場面が一番少ないけど。

 「直感的なゲームプレイ」という意味が、今のところ、リアルの我々の肉眼の(あるいは何らかのツール・デヴァイスで補強された)視界、その見え方などをできるだけ模したファースト・パーソンで行われるアクション以外の何物でもない、という意味であることにも通じます。

 これとゲイダーさんのいう「イマジネーション」は相容れないものになってしまうのですが。

 先に訳したIGNの記事で、ICOの開発者がゲイダーさんと同じようなことを言っていたのは興味深いですね。ストーリーの語り方には、ゲイダーさんの言葉に従えば「シネマティック」、ご本人の言葉によれば「オーガニック」な方法はひとつ。もうひとつは日本の俳句のように意図的な「省略」を用いた「イマジネーション」に委ねるものもある、と語っていました。

 かつてJRPGがCRPGの中興の祖となったことにも関連があるのか。今、日本のゲームがいわゆる欧米の「主流」から「ずれて」いる(そのこと自体の善悪はもちろん言っていません)ことにも関係あるのか。BioWareも「ずれて」きているのか。

 

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