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2011年3月26日 (土)

【DA2】DA2に関する一考察

Dragon Age IIのプレイスルー記事です。ネタバレ注意。

 本文は「続きを読む」の下。









 この記事はゲームプレイに全く関係ない。早く先を知りたい人は次に進むこと。リアルタイムではまだ書いてないけど(笑)。

 こういうことを続けていると色々なことに気がつく。

 Originsが比較的楽だったのは、「叙事詩的」だからだ。叙情的な部分は、ロマンスなどで一部触れたがそれほどあるわけじゃない。だからキャラがみんな漫画的といわれるのもわかる。
 ご承知のとおり、叙事詩とは英語でepic。「叙事詩的」と断るのは、詩なら韻を踏んでないといけないため。散文じゃないんだよね。

 ヴィデオゲームや映画の宣伝文句で「エピック!」というときは「叙事詩で語られるような壮大なロマン(物語)」という意味でしょうね。

 では、一般に思われているように対義語で「叙情詩」というのがあるかどうか。調べるとラルクの歌しか出てこないので、これはない。「抒情詩」が変化した記述だ。こちらも詩であるから形式が重要なようだが、ここの本題と違うので割愛。知りたい人はウィキれ。

 「叙情」は日本語にある。でもこれも曖昧。人間内面の感情を表すことといいながら、ゲラゲラ笑う話は一般に叙情的ではない(一般に、というのは、特殊、例外があるからだ)。
 哀しさ、寂しさ、切なさがないとダメなようだ。その理由が説明可能ではダメなようだ。情緒的ということだ。
 これはもう、「恋愛」だったり、「喪失」だったり、いわれのない「逆境」だったり、どうしようもない「運命」、さだめだったり。
 ほら、お気づきですよね。DA2のお話はこちらなのだ。

 Mass Effect 2は、全体が叙事詩的だが、スコード・クルーの話では多少叙情的な面も出てくる。でも物語を進行する役目はアクションが中心だった。

 DA2は物語を叙情的に語る。アクションで物語が進むことはない。Mass Effect 2のアクションは物語のきっかけ、ドライヴィング・フォースだが、DA2では結果だ。だからドライヴィング・フォースがないと批判される。

 叙事詩的とか、叙情的とか、意味わかんなーいという人はこのブログ読んでいるとは思えないが、言い換えれば「劇的」と「つぶやき的」と言ってもいい。

 「劇的」とは、活劇的、劇画的、いわばハリウッド的。恋愛ものですら大声でドタバタやらないとだめ。火薬の量とCGがものをいう世界。少年ジャンプも一般にこっち。一般にというのは(ってくどい)。「銀魂」を除く。こっちは耳目を集めるような華々しいドラマが重要だ。

 「つぶやき的」といってもツイッターとは全然違う。もっぱら一人称で語られることが多いが、主人公や登場人物の内面に光をあてようとするので実はドラマがない。ドラマチックじゃない。そして大抵は内省的な過去の物語を中心に語られる。「語り」が重要だ。 

 もちろん色々な文芸作品は両者のハイブリッドでしょう。日本じゃ両者の区別がつかなくなって「中間小説」なんてまた曖昧な呼び方しちゃってるし。
 ただし完全に活劇オンリーというものもあれば、一切ドラマ無しもある。映画でもなんでも考えたらいくつかあがる。文芸の世界では、そして映画のアカデミー賞でも大抵前者はバカにして、後者を崇め奉る。一方で商業的には圧倒的に前者が勝つ。なぜなら、何も考えないで済むってのは現実逃避の最高の手段だからだ。

(追加)「アバター」にオスカーあげずに「ハートロッカー」なるキャメロン元妻の作品にこれ見よがしに渡したアカデミーのことを苦々しく感じていたが、先日ようやく後者を観た。戦争映画じゃん。活劇じゃん。でも「アバター」があまりにぶち抜けてハリウッド的なので許されたんだろう。あれに比べりゃほとんど全部の映画が文芸的作品になっちゃうし。

 DA2ではその配分を大きく「つぶやき的」のほうに傾けた。とたんに非難の嵐だ。かほどさように難しい世界だ。

 そしてこんなブログをやってるこっちもとても苦痛だ。活劇ならぶっちゃけ「どひゃーん、ばしゅーん、しゃぎゃー」で済む。つうか、フレンチ・コミック並みに一切セリフ割愛でもうまくいく。Mass Effect 2なんて一部そうだよね。
 ゲームを遊ぶのにキャラクターの内面まで深読みする必要なんてないんだが、こういうことをやる以上やらざるを得ない。

 例えば、直前のフェンリスのくだり。

 どうしてフェンリスは元主人のワインを一気飲みしてるのか。これは普通にわかりそうですね。「束縛からの解放」は人間(つかエルフ)を必要以上に大胆にする。そのうえで慣れない自由への苛立ちもある。少なくともそれを表現しようとしてるのでしょう。

 では、どうして彼がワインのボトルを壁に投げつけたとき、ホークは「模様替え」を口にしたのか。フェンリスの「忌まわしい過去を一掃する」につなげるためですね。
 ところがフェンリスには本当の過去がない。これがまた話を複雑にしていく。
 
 キャラクターはみな複雑な内面を有していて、決して漫画的・アニメ的ではない。Originsなら、一人称「ボク」の女の子がいても違和感ないが(Mass Effectのタリ・ゾラなんていいかも。私の脳内的には彼女のしゃべりは「銀魂」の神楽ちゃんだが.)、DA2では雰囲気を壊滅的に台無しにしそう。

 そしてDA2はライター衆もやたら気合はいっちゃってるから、一字一句気が抜けない。

 まあ、こういうことでもやってなければ、私だってそんなのあっさり見落としますから。 一粒で二度楽しんでる感じです。

 ドラマとはエナジーの爆発、エントロピーの減少だそうだ。ストーリーは逆にエナジーの消費、エントロピーの増大だ。村上龍だったかな。

 コア・ストーリーの欠如、ドライヴィング・フォースの欠如というのはそういうことです。
 すなわち物語全体に「ドラマ」が欠如しているのです。わりと意図的に。
 あっと驚く事態がおきたとき、それは「はじまり」ではなく、もう取り返しがつかない「結果」なのだ。 そしてまたそれについて登場人物たちが思い悩む。
 主人公はブライトに果敢に立ち向かう、のではなく、なすすべもなく逃げ惑う。「実は僕先王の隠し子なんだ」なんてラッキーはなく、文字通り裸一貫底辺からのし上がる。多くの犠牲を伴いながら。

 果たしてこの試みはうまくいったのかどうか。ヴィデオゲームとしてどうなのか。エポック・メイキング(画期的)なのか、エピック・フェイリア(壮大な失敗)なのか。

 美徳のうちで、勇気、名誉を重んじる話が大好きな私ですから、私の答は今更申し上げることもないでしょう。ああ、物語の中身の話じゃないですよ。

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