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2011年2月18日 (金)

【DA2】LI(Love Interests) (4)

 ついにLIの最終回。4回目です。旬のうちに間に合ったかなw。

 くどいですが、英語を覚えたいのであれば、自分の好きなことで覚えたほうがずっといいですよ。
 こんな長文、興味がなければ読む気など、ましてや訳す気などゼッタイ起きない。

 フェンリス

 また追っ手がかかった。

 正直に言えば、彼はもう数日前から気がついていたはずだ。酒場の亭主の目を見たとき、あの太った男が後ろめたそうにして眼をそらし、二度と眼を合わせなかった様子からもわかったはずだ。また酒場の隅に立つ女の憐憫に満ちた目、それを微笑みで隠す様からもわかったはずだ。食事を手に入れるため立ち入ったこのむさ苦しい酒場の客たちが突然黙り込んだその様子も、でかい剣を担ぎ、肌に奇妙な紋様の入った風変わりなエルフに出会ったときにただの街人たちが示すいたたまれない沈黙とは異なるものであった。むしろそれは、ごたごたの種そのものが扉を開けて入ってきたことに対する沈黙であり、彼らはまるでそれがそこに存在していないかのようになんとか取り繕おうとしているのだった。フェンリスは、その違いをよくわかっていた。

 彼は少し不精になっていたのかもしれない。彼が気がついていたに違いないという事実に反して、彼は心のどこかにそれを認めたくないという気持ちを宿していたのだ。彼が間違っているという希望、つまりそれらの兆しは単に逃亡者が偏執的に抱く妄想であるという見込みのない希望を抱いていたのかもしれない。最後に逗留した三つの宿場街の滞在期間は後になるほどどんどん長くなり、ひと目で彼とわかる紋章を隠そうとする努力すら、全く放棄してしまっていた。これは試練だ、と彼は自分に言い聞かせた。奴等が来るなら来ればいい。敢えて捕縛しようとするならやってみればいい。だが、彼の心の奥底には、この逃避行にいい加減飽き飽きしてしまったわけではないと言い切れない疑念も沸き起こっているのだった。


 そろそろ潮時だ。宿屋の部屋でささやかな私物を取りまとめると、窓から外に跳び出した。裏は薄暗い小路に続いており、壁のそこここにある出っ張りを伝わって容易に地面までたどり着くことができた。 

 あの宿屋の亭主が不安げに見つめる中、フェンリスがわざわざ部屋を物色してここを選んだのもそのせいだ。あの太った男が、好奇心から、あるいは払いを踏み倒されたと気がついて部屋を訪れ、フェンリスが姿を消したと気がつくまでどれだけ懸るだろう。一週間、いやあの男がフェンリスを売った張本人ならもっと短いかもしれない。

 小路には、野良ネズミと、ごみ溜に寄りかかって眠りこけているエルフのルンペン以外、目ぼしいものはなかった。フェンリスは立ち止まり、そのエルフの男を忌々しげに見つめた。彼はかつて、自分が帝国から脱走したらそのとたんに完全に街に溶け込めるものだと思い込んでいたのだ。

 エルフが自由を享受する土地で、もうひとりエルフが増えたって誰が気にする? もちろん、彼は大ばか者だった。彼の同族のあまりに多くの者たちが、おどおどした家畜の牛のようにしてその自由を浪費してるなんて彼が知る由もなかった。もし地元のヒューマンどもがエルフらしいと期待するような従順な生き方しか選択の余地がないのであれば、ヒューマンの王国が放り投げてくれるごみくずを拾い集めながら放浪している同族を探し出すか、あるいは戦うか・・・。彼の選択は明らかだった。

 フェンリスが背中の大剣を引き抜くと、ルンペンが眼を覚ました。エルフは突然の恐怖に金切り声を上げたが、フェンリスは彼を無視した。別の連中がやって来る、小路の影に潜みながら。両側に少なくとも二人づつと・・・、上に一人か? 彼は耳をそばだて、頭上の瓦が微かに軋む音を聞いた。ふむ、間違いなくクロスボウ遣い。フェンリスを釘付けにしたつもりか。
 
 フェンリスは通りの端に向かって走り始めた。そちらは大通りから遠ざかる方角で、曲がりくねった中庭、下水道、そしてぶら下がった洗濯物の列からなる迷路でもある・・・、だがそこはずっと暗く、街の衛兵の気を惹くことなく逃げることができるのだ。追っ手がなぜ衛兵たちに賄賂を渡してフェンリスの狩りに手助けさせないのかは謎であった。どの道、別の街では衛兵たちとまずい関係になったことがあり、衛兵たちが追っ手にとっても邪魔になったのと同様、フェンリスが追っ手から逃れる際にも邪魔をされた。敢えて危険を冒す価値はない。

 ルンペンは恐怖の叫び声を上げ、千鳥足でよたよたと立ち上がったが、すでにフェンリスは彼のところを通り過ぎていた。二つの背の高い影が近づいてきており、その姿はほとんど見えないが、すでに獲物が狩人たちに気がついたことを知って足取りを速めている。フェンリスの眼は一瞬栗色を捕らえた。テヴィンターの兵士か、それならいい。ならばことは簡単だ。仮に傭兵だったとしても即座に斬り捨ててしまえることに違いはないが、犬どもを斬るほうより気分が優れるわけでもない。

 フェンリスの剣の広い軌道は、最初の追っ手の受け流し諸共、横にはじき飛ばす。その隙に乗じようと二人目が突進して来るが、即座にフェンリスの拳を見舞われる。彼の肌の紋様は今や明るく輝き、その内部のレリウムが彼の肉体に魔力を注ぎ込むと、彼の拳は一瞬別次元に飛び、敵のヘルメットをすり抜け、その頭蓋の中に到達する。
 男は突然立ち止まり、恐怖で麻痺する。

 なるほど、警告をもらってなかったわけか。ばかどもめ。

 レリウムの紋様が再び輝き、フェンリスは拳の一部を実体化する。犠牲者はのけぞり、口と両耳から大量の血を飛び散らせた。そのときにはすでに立ち直っていた第一の追っ手が一太刀浴びせかけて来る。フェンリスは、拳が頭蓋を捉えた二人目の男の体を巧妙に敵の剣の軌道に持っていく。剣はその男の肩に深々と突き刺さり、フェンリスが一蹴りすると二人とも煉瓦の壁に向かって吹き飛んだ。拳はどす黒い血の赤に染まっている。
 
 そのまま止めを刺すこともできたが、残りの追っ手が既に姿を現してきた。クロスボウのボルトがフェンリスの頭の傍、彼の片耳をわずかにかすめ、多くの兵士が駆け寄るブーツの足音が聞こえてきた。彼は路地に走りこみ、仲間の死体を自分の上からどかそうと四苦八苦している追っ手のひとりを跳び越え、加速して迷路に飛び込んだ。薄暗い出入り口の前をいくつも駆け抜ける。物干し用の縄を切り取ると、それを後ろに転がっているいくつかの樽のほうに投げつけて障害物にした。追っ手たちは間違いなく追いかけて来ている。連中がテヴィンター語で罵る声が聞こえ、頭上のクロスボウ遣いが狙撃できる場所によじ登ろうとしている。

 フェンリスは最初に眼にした開けっ放しの雨戸に頭から飛び込んだ。降り立ったところは焼きあがったパンの匂いが充満する台所で、フェンリスが立ち上がろうとするとヒューマンの女性が叫び声をあげた。肌に密着した鎧を身につけて、自分の身長ほどもある大剣を背にしたエルフの姿が、とても歓迎すべき光景とは呼べないことは間違いない。フェンリスは立ち上がり、ナイトガウンを身に纏った、おそらく本人が意図しないほど胸元が大きくはだけてしまった、驚くほど魅力的な女性が壁にぴったり張り付いている姿を見た。

 フェンリスが微笑みかけると、彼女はもう一度叫び声を上げた。それからフェンリスは焼きたてのパン一斤を手に取り、このあばら家の玄関に向かって突進した。ひとりの兵士がすでに窓をよじ登ってきており、それを見た女性はもう一回叫び声をあげ、それから昏倒した。他の兵士は玄関に回ってくるかもしれない。その前に抜け出さないと・・・。

 ・・・彼はそこで凍りついた。玄関に立つ男のことは知っていた。栗色のクロークと冷酷そうな瞳に少しだけかかった漆黒の髪。その頸の傷跡こそ、フェンリスが与えたものであることは言うまでもない。くそったれの治癒薬と忌まわしい魔法のおかげか。どうして誰も死んだままでいてくれんのだ。 

「アヴァナ、フェンリス。また会えて光栄だよ」 追っ手の声は冷たく満足げであり、彼は手にしたクロスボウの狙いをフェンリスの胸にぴたりとつけた。すると、こいつが屋根の上にいたわけか。
 狡猾なやつだ。

「前回の結果を踏まえると、また追いかけてきたことに驚きを禁じえない」

「もはや銭金の問題じゃないんだよ、この奴隷野郎」

 ああ、フェンリスがそう呼ばれることをどれだけ愛しているか本当に計り知れない。
「頭と体が永久におさらばするのも気にしないとでも?」

「こっちが機先を制してる限りはな。随分と注意散漫になったようだな。つまりお前も年貢の納め時ってことだ」 別の追っ手がようやく窓から潜り込んできており、街頭では別の兵士たちも喚声を上げているのが聴こえる。ここではたった二つの選択しかないようだ。降参してまた脱出する機会を待つか、あるいは運を天に任せてみるか。

 選択の余地など本当はなかった。剣の柄を強く握り締め、ゆっくりと、だが不気味に、目の前の追っ手に微笑みかけた。「ヴィシャンテ、カファア」 しゅっと息を漏らす。そして攻撃を仕掛けた。

**********

 えっと、掴んだパンはどうなったんでしょうか? あ、それは関係ないの?

 剣豪もの、剣戟もの。時代劇あまり読まないんですよねえ。よって適当な専門用語もあまり知らないので、なんか訳もたどたどしくてすみませんねえ。

 「カムイ外伝」とか、抜け忍もの、そんなノリかなと思ったけど、忍者ものはもっとスピディーでしょうか。大剣とクロスボウですもんねえ。アニメーションに時間かかりそうw。

 どっちかってとインディ・ジョーンズ風のチェイスものの感じも受けます。

 フェンリスの特殊能力、拳をフェイズアウトさせる技など、ゲーム内で再現されるのでしょうか。メイジがメレー攻撃をマスターできる「アルケイン・ウォーリアー」というのはDA:Oにありましたが、ウォーリアーが魔力を使いこなすってのは初ですね。
(修正:ウソでした。Awakeningで追加されたスピリット・ウォーリアーもまたフェイドの魔力を使っているのでした。とはいえフェンリスがその系列に属するのかどうかはまだわかりません?

 テヴィンター語は意味わかりません。フォーラムを隅々読むと意味が書いてあるかもしれないが、今ぐったりしてるので探すとしても、後ほど。

 ちなみに著者は明らかになっていました。
 全てゲーム内の当該キャラクターのシナリオを担当したライターが書いたようです。

 ジェニファー・ヘルパーさんが、Anders
 デイヴ・ゲイダーさんが、Fenris
 シェリル・チーさんが、Isabela
 メアリー・カービーさんが、Merrill

 おお、やっぱ剣戟ものはゲイダーさんだったか。どうりであのDAの小説のノリに近いと思った。

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