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2011年2月 4日 (金)

【DA2】リアル世界のメイジはどうなる?

 以前ゲイダーさんがインタヴューか何かで、「現実世界に(DAに登場するような)メイジがいて、君たちを魅了して思い通りに操る力を持っていたら、一体誰が彼ら彼女等を信用するかね?」という発言がありましたが、その流れで、ちょっと面白いトピックスがフォーラムにありました。

 「現実社会にメイジ(などの超常能力者)がいたら?」というのは、サイファイやファンタジーに興味がある人にとっては、もう聞き飽きた、べったり手垢のついた話題でしょうけど、この手の思考実験は、個人的には相当興味があるので読んでみる。
 なるほどかなりの激論だ。

 結局、いま流行の「ジャスティス」ネタになっていくだろうことは、読まなくても想像に難くないですけどね。

「続きを読む」の下。

 

 最近ですと、洋ドラの"HEROES"、ちょっと前なら"X-Men"、2000年以上前だとジーザス・クライスト。

 超常能力者(と称してる人を含む)に対する凡人の悲惨な仕打ちという話題の例には事欠きません。

http://social.bioware.com/forum/1/topic/141/index/5919543

 OPは、Originsのレッドクリフの惨劇を物語風に書いてるようですが、要は、「メイジなど自由に歩きまわらせてはいけない」というのが主旨。

 そして、一般に「リベラルな」発想をするポスターたちに、ゲイダーさんはわりと「保守的」に応えていきます。対立軸は「個人」と「社会」ですね。「自由」と「公益、公共の福祉」といってもいい。
 Devil's Advocate、議論を活発にするため敢えて少数意見を主張することをそういいますが(お、訳してから気がついたがやはり文中にも出てきた)、ゲイダーさんもわざとそうしてるかもしれないけどね。

**********

(この一応教養に満ちているはずの現代社会にそのような能力を有する現代のメイジたちがいたら、我々凡人は100%問答無用で管理下、拘束下、迫害下におくだろう)

 まったくだ。「(メイジを管理する)テンプラーは悪」という見方が支配的な理由は、我々のほとんどが、ほんのちょっとでも「抑圧」の匂いのするものはすべて「極悪」と考える、このこじゃれた西洋社会なるところに生活しているからであり、だからメイジをどう取り扱うべきかという問題の唯一の決定要素は、その取り扱いがどれだけ公平(fair)かということになるわけだね。

 もちろん、抑圧された可愛そうなジョー某(なにがし)がすぐ隣に住んでいて、彼のことを好きになるように密かに我々の精神を支配している、というような考えまで甘受する必要はない。あるいは、ある日モンスターに化けて我々の家族を皆殺しにしてしまうんじゃないか、とかね。
 でも、だからといってファンタジー世界の中で、我々がちょっとは理想主義者として振舞うようなことは、かまわないんじゃない?

(隣人の誰かがある日突然殺人鬼になるかもしれないといって、じゃあ誰も私の隣に住んではいけない、とはならない。また、現代社会では潜在的に危険な人物を拘束せずに追跡・捕捉するシステムがある、という、まあ、いかにもUSリベラルだなあという意見に)

 そりゃそうだけど、その隣人がファイアーボールをぶっ放し、君の住んでいるあたりを丸ごと吹き飛ばしてしまう力があったら、それを食い止めるには警察の大部隊が必要なんじゃないか? 自分の意志でやるのか、あるいは人格欠陥によるのかわからないが、なんの兆候もなく、突然文字通りの殺人鬼に変貌してしまうとしたら?
 
 もし現代社会で、それがたったひとりの狂人の所作ではなく、ある種の遺伝子を有するグループに属する大勢の問題であることが発見されたら? その「潜在的に危険な」人々から社会を守るための措置を講じる必要はないと、心から正直に言えるかな?

 すまんが、過度に単純化した比喩では、論点を網羅できないんだよね。

(悪魔の代弁者(devil's advocate)を演じてみる。魔法を使える人の占める割合が重要だと思う。全人口に対してごく少数しかいなければ、彼らはずっと抑圧されたままだろう。でも多くの者が魔法を使えるなら、この世は彼らが支配することになるよ)

 そうして、テヴィンター帝国は、まさにそうなることを証明したわけだね。アンドラステの「聖なる行軍」によってもまた、この「優勢な階級」を排除するためにどれだけの対価を払わなければならなかったかがわかるし、人々がメイジに対して「汝の思うがままに行え」("Do as thou wilt")(注)という気持ちになぜならないかもわかる。

(注)オカルト主義者、自称魔術師、世紀の大悪人、アレイスター・クロウリー(Aleister Crowley)の著書「法の書」(The Book of the Law)からの引用と思われる。ただし原文は"Do what thou wilt"で、その後、"shall be the whole of the law"、「それが法の全てとならん」と続く。
 なお、オジー・オズボーンの楽曲、「ミスター・クロウリー」もこの人物に由来する。

(あなたはまるでテヴィンター帝国が忌まわしい呪いのコトバであるかのように用いているが、テヴィンター帝国の現実社会の例は(もちろん魔法の部分は除くが)ローマ帝国だ。奴隷制も様々な悪徳もあった。一方でローマ帝国時代は教養、文化など様々な分野が花開いた偉大な時代でもあった)

 で? そう、テヴィンター帝国は文句なしに様々な進歩をもたらした。ドワーフとの交易、鉱工業技術を地上に紹介したとか。だが、だからといって、メイジのメイジではない者たちに対する専制に拠っていた事実には違いはないし、メイジによる支配が一体何をもたらすかといういくつもの証拠も残した。だから今でもメイジではない者たちがメイジに対して疑念を抱いてるんだ。
 道徳的考察を持ち込もうとしても、論点がぼやけるだけだよ。

(つまり、ローマ帝国、あるいは共和制ローマであっても専制的に人々を支配したわけではないと?)

 ローマ帝国についてなんか話をしたっけ?

(帝国期以前には元老院や騎兵長官たちが、ただその出自のみによって支配者となっていた。帝国期の各皇帝は神格化され、やはりその生まれによって支配者となった。エリートが凡人を支配する専制であり、どちらも同じことだ)

 だから論点はなに? 「専制はよくない」とか言ったかね? 何か意味があるとしたら、専制される者たちは、専制者のことを間違いなく、まっとうな理由でもって嫌うだろうということだけだ。私が言ってもいないことをさも言ったように言うのは、もういい加減にやめてくれないか。

(じゃあ、別の悪魔の代弁をするけど、いっそメイジに支配させればいいじゃないか? 国家をまとめる力も国民を守る力もあって、残りの99%の者たちより教養も知識もあるはずなんだから。それを利得と考え、魔法抜きで同じことを行っているほかの大帝国の欠点と比較した場合、魔法は、剣と馬術と軍事的作戦をマスターすることの代わりの手段になると思えるのだが)

 まさに。メイジは優れた血筋の生まれであって、優れた手段を自由に行使できる。メイジ以外の者であって、その発想こそがまさに如何わしいものだと思わない人が一人でもいるとは思えんね。

(アンドラステ社会においてテンプラーやチャントリーがメイジに対して行ったことはそのとおりですが、リヴァイン、デーリッシュ、チェイシンドなど、そうではない別の事例もあったはずです)

 その事例の民たちはメイジを管理下においていない。メイジが化け物になって破壊をもたらすなどの問題が生じたとき、彼らはその結果を甘んじて受ける。それが有効な代替策であると全ての者が考えるわけではない、というのも別に拡大解釈とは思わない。

(デールとアーラサンにはメイジがいて、ヘイヴンにもいたはずです。これらからみて、チャントリーがテンプラーにさせていることの妥当性には疑義があり、またその効果も疑わしいことになりませんか?)
 
 根拠は? デールや古代アーラサンが魔法とどのように向き合ったかについて何もわからない。さらに、宗教的情熱に満ち溢れ、ドラゴンの血を口にし、邪魔な余所者は殺害したあの村(ヘイブンのこと)をあげるのは「メイジは悪くない」という主張の例としては適当ではないんじゃないか?

(チャントリーの伝導団をエルフが追放したからテンプラーがデールに攻撃をしかけた、というデーリッシュの見方が正しければ、メイジ以外の者によって統治されている国々についても、権力を有している者が悪事を働けるんだと、同じことが言えるのではないでしょうか。
 また、新しい「聖なる行軍」では、チャントリーはサークル・オヴ・メイジャイのメイジたちをクナリの軍勢と戦わせ、クナリの優勢な技術に対する対抗手段となったとの記載もありました。テヴィンター帝国のように誤った使い方をしなれば、魔法はまた人々を守る手段にもなりえます)

 魔法には使い道があって、他により良い形で代替できるものがないことが明らかであるから、魔法に関する議論はハッキリ割り切れるもんじゃない、というのが君の論旨なら、それは正しい。「メイジ以外が支配する社会でも権力者の悪事はありうる」という主張が、十分な理由があってメイジを恐れている者たちに伝わるとは思えないけどね。

「あの化け物を恐れてはダメだ! あそこで剣を持って化け物に立ち向かっている男もまた、望むなら君を斬り殺すことができるんだから!」
「あああ、アンドレステ様ご慈悲を、誰か我等をお救い下さい!」
 グチャ。

**********

 あー、おもしろかった。
 Originsの知識がないと何のことやらわからない部分多いでしょうが、最後のゲイダー・ジョークなんて、もう現実社会で日本の誰かさんが叫んでいる(いた)ことと一緒だよね。

「大陸国(でもかつてのソビエト・ロシアでもなんでも)を恐れちゃダメだ! 立ち向かってる米帝もまた日本をぶっ潰す軍事力を持ってるんだから!」
「あああ、神様仏様、非武装中立でみんな許してくんないかな!」
 ぐちゃ。

 でも、これって激論になるのは避けられないテーマなんですよね。
 以下、ちょっと個人的な感想。

 アメリカ人(ゲイダーさんはカナダ人だけど)は"fair"が大好きですが、メイジは強力な魔力を有してる時点でそうでない人々と違う存在なんですよね。ノン・メイジとメイジを公平に取り扱えというのは、動物と人間を完全に一緒に取り扱え!というのと同じですかね。さてこのアナロジーは通用するのか。

 ちょっと見方を変えてみます。

 「推定無罪」ってのは、どこかの政治家が生半可な使い方をして再び脚光を浴びた「暴力装置」を独占的に有している国家なる権力から、個人を守るための概念ですね。 
 その根底には、「個人ができることには限りがある。たとえ稀代の殺人鬼であっても、その犯罪は、国家が(警察、検察、軍隊などを用いて)暴力を行使して実現できる災厄の前には無に等しい」という前提があるようです。
 マシンピストルや爆弾による被害は(もちろん殺された人にとってはたまったもんじゃないが)、国を挙げた大規模な抑圧、宗教裁判、ジェノサイド、民族浄化、核戦争などのそれとは比べものにならない。国家権力が国民を裁くのが刑事裁判とみれば、国民ひとり(組織暴力だろうが同じ)が罪を犯す力と、国家権力が犯罪者(とみなす者)を大量生産する力は比較にならない。
 だから国家権力には歯止めをかけなければならない。裁かれるべきなのは国家権力のほうで、その代表が裁判所・検察官である。立証責任も権力側にある。

 ところがお気づきのとおり、「個人ができることはたかがしれてる」という前提が崩れてしまえば・・・。ファイアーボールでそこら中火の海にできるメイジを、たったひとりで大軍に立ち向かえるメイジを、こうした近代法理で論じていいのかって話だと思います。
 つまり国家権力が暴力を独占しえない状態、ってことですね。
 そうして国家権力は、暴力の独占を脅かす存在をゼッタイに許さない。とてつもなく嫉妬深いといわれているようです。

 でも推定無罪が成立しないからと言って、どうして即有罪扱いになって拘束あるいは処刑されるのか。中には「良い」メイジもいるじゃないか、という論点は、統治者が自分たちの権力保持(のための暴力の独占)をどう考えるかもありますが、ゲイダーさんのような社会学的見方、大衆の視点からどう見えるか、という問題もはいってくるのでしょう。
 そして私個人も、優越した力を有する者に対する大衆の視点は必ずしも優しいものではない、というゲイダー説に近い意見ですし、上述したような過去の歴史的事実を考えれば、大衆の支持もあり、歯止めを喪った権力が突然性善説にたって「手心を加える理由」はなにもない、と思います。

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