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2011年1月 7日 (金)

【DA2】デヴィッド・ゲイダー氏インタヴュー(SG)(2)

 前記事の続きです。

 前回、ゲイダーさんが「メタ・ロールプレイをしないといけない!」と語っていたのは、以前に別のインタヴュー記事で語っていた「ヴィデオゲーム・ライターにはテーブルトップRPGのGM(ゲーム・マスター、DM:ダンジョン・マスターとも呼ぶことがある)の経験があったほうがいい」というお話に通じます。

 小説家は自分の視点で自分の物語を紡げばいい。読者は結局語られたストーリーを一本道で読むから。
 だがとりわけBioWareなどが出しているマルチパスのRPGでは、多数のプレイヤーが皆それぞれ好き勝手なことをしたがる。プレイの濃密さも違うし、個々人の興味の置き所も千差万別だ。ストーリーなど読みとばすプレイヤーもいるし、一字一句じっくり、その裏の意味まで吟味するプレイヤーもいる。せっかくバックストーリーを用意したアイテムも拾わないプレイヤーがいる。拾ってもそのバックストーリーなど読まない人もいる。(今回その話題も出てきますが)プレイヤーにとっては全く経験しないプロットもある。

 ライターが自分の「可愛い可愛い」(precious)物語をただ垂れ流すだけでは、RPGは成立しない。複数のプレイヤーの意向を汲みながらも、自分の物語を破綻なく進めるGM(DM)の経験は大きいというお話であった。
 ちょうど世の中が「どうしたFF。FFXIIIの物語の意味がさっぱりわからん」というタイミングだったので記憶に残っていた。

**********

Q: Originsは最初から何度もやり直さないと、あなたたちが創造した全ての物語を経験することはできないという事実に、ライターとして当惑する、最低でもイライラすることはないですか?

A: 一部のプロデューサーには「多額の予算がかかったコンテンツは、プレイヤー全員に見せるべきで、そうでないならそんなコンテンツはそもそも創るな」という意見の者がいることは承知している。それに賛同するかどうかというとよくわからない・・・、というのはウソだな、やっぱり賛成できんね!(ため息)

 (インタヴュアー:そう言う人たちの言わんとしてる意味もわかりますけど!) 
 私だって彼らの言わんとしていることはわかるし、意味は通ってる。ロールプレイ・ゲームを愛している人にとっては違うけどね。私などは、たとえ自分では選ばないとしても他に別な筋書きが存在していることに重きを置くね。(インタヴュアー: 決断したことによって将来の道が完全に別れてしまい、違いが生じるというその事実自体に内包する価値があるということでしょうか) そうだね、道を別つ方法にはいくつかあるけど、ある決断の瞬間に、その決断で将来に違いが生じるとわかっていたのであれば、違う決断をしたらあの後は一体どうなったんだろうとずっと思い続けることになるだろう。

Q: DAシリーズはバルダーズ・ゲート・シリーズの精神的後継者であるといわれていました。今、(あるいはOriginsがリリースされた2009年の11月に)BioWareがファンタジーの世界に敢えてまた踏み込んでいく試みというのは正しいことなのでしょうか。

A: ふーむ、バルダーズ・ゲート(訳:の栄光が逆に重荷となる)頭痛の種とは思ってないんだが・・・。(インタヴュアー:でも肩にずっしり乗っかってませんか?) まあ、でもふたつの見方があるよ。

 確かにあの時代からのファンがいるけど、我々もあの頃からはいろんな意味で前に進んでいるんだ。私を含め、バルダーズゲートに携わったたくさんの人々がまだここで働いているし、パーティーベースのRPGの世界に戻りたいという思いは我々の中にずっと残っていて、それに一番近いものはKOTORかな。でも自分は(訳:KOTORのような)3人編成はパーティとは考えていない。最低4人だ。逆にたくさん増やせば(訳:パーティーのNPCが思い通りについてこなくなる)パスファインディングの問題が生じてくる。

 皆、「DAに馬を出したらどうだ?」と言うが、パスファインディングの問題をどうするというんだ。背丈より前後のほうに長い生き物をプログラミングしてみたらわかるよ!
 どんなプロジェクトでもはじめるときには、今度は馬を入れようと考えるんだが、いつも途中でしっちゃかめっちゃかになって、そのうち誰かが「これ本当に必要? ストーリーを語るのにいるの?」と言い出すんだよ。

Q: DAタイトルが続くにつれ、セダス大陸の新しい色々な場所を見ることはできるのでしょうか?

A: セダスの由来を知ってる? (インタヴュアー:いや?)(訳:インタヴューするならそんくらい知っとけ!w)
 最初にOriginsの設定をデザインしているとき、誰もがキライになるネーミングを仮の名前につけてたのさ。(インタヴュアー:なんだったんです?) いや、もう忘れた・・・。確かPではじまる・・・、その時は誰かがもっとましなものを思いつかない限りそれを使うというルールだった。だがある時点でやっぱり変えようということになった。まだ公表していなかったし、内部的にも仮の名前しかなかったので、フォーラムの皆が"The Dragon Age Setting"とか、"The DAS"と呼んでいたんだ。

 仮の名前が気に入らなかった我々も、そのフォーラムで用いられていたものを使いはじめた。いよいよ正式な名前を決めようと皆集まって、永遠とも思える長い時間うんうん唸っていたら、あるライターが「セダス(Thedas)でいいんじゃ?」と言い出した。それでいけるね、となって決まったし、それでよかったんだ。
(訳:見事に質問に答えてませんねw。)

Q: 前作はほとんどがフェラルデンを舞台にしていました。DA2では新しい土地も登場するんですよね?

A: そう、今度もフェラルデンからはじまる・・・、DA2プレイしてないの? (インタヴュアー:しました。カークウォールに着いたところまで)。OK、じゃあプロローグは済んだね。OriginsとDA2のタイムラインは一部重複しているが、新しい土地を登場させることがずっと主眼だった。カークウォールはフェラルデンからちょっと北にあり、フリー・マーチズと呼ばれる地方に属している。 

 将来のゲームについての計画について言えば、常に「計画」があるよ。ストーリーはずっと先まで計画していて「この時点ではストーリー(story arc)のどこまで語ればいいか」と考えている。そしてプレイヤーの皆がそこに辿り着いた頃にはもう違ったものに変わってしまっているだろう。「計画」とは、セダスの歴史の中に位置づけられた、そこに生きている異なる人々の視点からみた、我々が語ろうとしているストーリーのことなんだ。

Q: 独自の世界(ユニヴァース)を構築して、どの時点にでも飛び込んでストーリーを語ることができる、というのはとても素晴らしいことでしょうね。

A: セダスはそこで起きる事柄の積み重ねとして生み出されたものといったほうがいい。開発のずっと初期にさかのぼると、当時は語るべきストーリーがなんであるかすらまだ見当がついていなかった。だから私はたくさんの面白そうなアイデアやサブプロットの種を撒き、それから、「OK、ブライトの物語を書こう」と言ったんだ。ある重大な事件が発生し、世界が変貌する時代の話にしようというアイデアはずっと抱いていたからね。

 Dungeons and Dragons のゲーム(バルダーズ・ゲート)を創っていたとき、いつも問題になったことは、ある砂の城を蹴り崩したいのに、それは違う人々の創った砂の城であって、彼らは現状維持、そのまま残したいと主張することだった。だから独自のファンタジーワールドを創りたいという欲求の一部は、自分たちの砂の城を創って、自分たちで自由に世界を変えるような事件を起こしたいというものだっただろうし、第一そうしたくない人なんているかい? ライターとしては、そのほうがストーリーを本当に面白いところに導くことができるようになるんだから。

Q: DAで語ろうと狙っているのはどのようなスタイルのファンタジーでしょうか?

A: 選べるファンタジーの趣向というのはたくさんあるね。やりたかったことはハイ・ファンタジーの形式の色相に近いけど、そこに登場する多くの典型には追随したくなかった。例えばエルフは超越的な魔法を操る存在であるとか、ドワーフが常に名誉を重んじるとかね。一方ではずっとダークな設定もあるね。例えば「コナン」はとても暗い。「ウォーハンマー」も暴力的なまでに暗い。

 私が望んだのはDnDタイプのファンタジーであって、我々の世界にあのようなファンタジー要素が存在していたら、リアリスティックな帰結はどのようになるんだろう、というアイデアを盛り込むようなものだったね。
 
 ゲームに魔法使いを導入することを話していた頃のジョークがある。
 第一レベルの呪文、チャーム・パーソン。私は「おーいっ! リアルの世界で君がメイジで本当に誰かを君の友人にできるスペルを唱えることができるなら、その結果は(a)誰も君の事は信用しなくなる、(b)皆そのスペルのことを『デイト・レイプ』スペルと呼ぶだろう!」と言ってたんだ。

 魔法使いが君をチャーム(魅了)できると知っていたら、彼らのことは決して信用しないだろうし、彼らは追放される。ここからサークル・オヴ・メイジャイのアイデアが膨らんだんだ。セダスではメイジ以外から彼らがどうみなされているかという意味でね。

Q: なるほど、Originsをエルフ・メイジではじめてしまったから、皆が私の主人公を嫌うわけですね!

A: ああ、両方の世界の最悪をひいちゃったんだね!

**********

 DnDゲームについて、WotC(ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト)との間のやり取りを述べられたのは今回が初ではないかな。当然、ゲーマー皆が推測していましたがw。
 結局のところDDOのTurbineにしろ、みな苦労しているわけで。NeverwinterでCrypticも苦労するんだろうなあ。

 BioWareがかつてKOTORで、今またSWTORで組んでいるLucas Artsもその点きつそうだけど、Star Wars世界はDnDの世界ほど深く掘り下げられてないから行動の自由の幅は大きいのかな。

 もちろんKOTORの後でMass Effectが生まれたのも、「Lucas ArtsがKOTORで箸の上げ下げまで・・・」というのと無関係ではないでしょう。ゲイダーさんが言うように「砂の城をぶっ壊す」自由まではもらえないわけだから。
(もちろん大人の事情でライセンスフィーの存在というものはありますけど、逆にDnD、スターウォーズの金看板はやはり大きいから)

 また「予算かけて作ったものはプレイヤーに全部見せろ」というのは、なかなか際どい論点ですねえ。もちろん私などはロールプレイヤーとして、あくまで一ゲーマーとして「選択肢たくさんくれー!」と叫んでいれば済むのですが、多くの従業員を抱えている開発会社のその資金繰りを担当するプロデューサーが「なんで誰も見れないコンテンツ作るんだ!」と怒るのはわかる。

 RPGに限らず、FPSでもエンディングで長々とカットシーンをやるくらいなら、もう最初からおいしいところは全部見せちゃえという動きになってるとどこかに書いてありました。なぜならプレイヤーの半分もエンディングまで行き着かないから。「コアゲーマーしか見れないものにお金をかけるんじゃない!」というのはビジネス視点としてはもっともらしいですよねえ。

 パーティは最低4人というのはうなずける。Mass Effectの3人はどうにも物足りないのだ・・・。本当はオールドスクール派としては、古式ゆかしいウィザードリーの6人がパーティの幅があっていいんだけど、DAだとパスファインディングの問題だけじゃなく、スペルのエフェクトなどがゴチャゴチャになってわけわかんなくなりそうw。しかもコンパニオンの人数もきっと増やさないといけないから・・・。

 ユーザーのカジュアル化と、高額予算化の両方の波で、もみくちゃにされてんですね。
 一ゲーマーは黙ってようっと。

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